概要:
1.[1]古今東西の思想・宗教・文化等について学び,「人間とは何か」「より良く生きるためにはどうすればよいか」について考えていく.あわせて,法学・政治学上の思想史及び関連知識についても触れていく.[2]青年期の諸問題について社会学・心理学などの知見を用いて考えていく.[3]倫理に関わる現代的課題についても取り扱う.
2.本科目は,高校設置科目「倫理」における学習事項を一応の土台とし,履修者が高校在学相当の年齢であることを配慮しつつも,その一方で,高校「倫理」の範疇にとどまらずに,本校が(高校等の後期中等教育機関とは異なり[=すなわち,upper secondary schoolや,[senior] high schoolではないということ])学年を問わず高等教育研究機関であるとされていることに鑑みて,それに相応しい水準の内容と,科目担当者の専門性及び研究を活かした内容とをさらに充填することにより,一層充実した講義内容となるべく,設計されている.したがって,本科目は,「高度な普通教育」を目指すものではなくて,「深く専門の学芸を教授」するものとしての一般教育を施そうとするものであることに留意されたい.
3.本科目は,特に法哲学・法思想史,政治哲学・政治思想史,ギリシャ神話・日本神話,生命倫理などの領域を重視して講義を進行させていく.また,学問は,〈なまもの〉であり,常に〈発達途上〉にあるのものであるので,そういう意味から,そのときどきの学界や現実社会におけるアクチュアルな重要問題を補完的に取り扱うこともありうる.
4.さらに,一般教養科目としての本科目は,準学士として十分満足に相応しい水準の,①現実社会における最低限の生存戦略としての教養と,②人間的な人格・精神修養を促進するものとしての教養を授けることにより,あらゆる分野における基盤的な判断能力・読解能力,論理的思考能力,意思形成能力,伝達能力などのジェネリックスキルズの涵養に対しての一助を果たすことをも,併せてその目的と据えている.
(科目情報)
関連科目:現代社会,日本史,世界史.
授業の進め方・方法:
哲学・倫理学・思想史及び社会学・心理学などの知見を用いて,「倫理」に関する諸問題を取り扱う.
基本的には講述の形式によるが,学生諸君の予習復習の程度が高い場合には,適宜,ソクラテス・メソッドにより講義を進行させることがある.
【事前学習】事前提示されている教材等を丹念に読み,知らない言葉の意味を調べ,予習ノートを作成するなどして,次回の講義の展開についてある程度の検討をつけておくこと.
注意点:
(履修上の注意)
講義における板書・講述内容等についてメモを取り,自宅でノート整理を行うこと.予習と復習をしっかりすること.上掲『要点マスター倫理演習ノート』は,講義内で取り組みの時間を設けることがあるので,常に携行すること.また,講義内においてDVD鑑賞を通じた学修機会を設けることがありうる.上掲の教科書は,あくまで補助的にのみ使用する.
(自学上の注意)
講義メモを基に自宅でノート整理を行うこと.上掲の教科書は,あくまで補助的にのみ使用する.
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
前期イントロダクション――いわゆる「倫理」の学問横断的射程 |
本科目の学修方法について理解し,本科目の全体像を概観できる.
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2週 |
「人間」とは何か(1)――グループディスカッション・議論の整理・問答
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設定されたテーマについての議論を行った上で,各見解を整理・発表し,批判的質問に適切に応答することができる.
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3週 |
「人間」とは何か(2)――解説 |
前回のテーマについての解説を理解することができる.
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4週 |
青年期をめぐる諸問題/心理学上の諸問題(1) |
青年期の特徴,位置づけ,意義,課題等について理解できる.
[Key Words] 第二次性徴,自我,レヴィン,マージナルマン,ルソー『エミール』,アイデンティティ,ピーターパンシンドローム,マズローの欲求5段階説,フロイトの防衛機制,スーパーエゴ・エゴ・エス,パーソナリティ
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5週 |
青年期をめぐる諸問題/心理学上の諸問題(2) |
青年期の特徴,位置づけ,意義,課題等について理解できる.
[Key Words] 同上
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6週 |
「自分」とは何か(1)――グループディスカッション・議論の整理・問答 |
設定されたテーマについての議論を行った上で,見解を整理・発表し,批判的質問に適切に応答することができる.
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7週 |
「自分」とは何か(2)――解説 中間総括と補遺 |
前回のテーマについての解説を理解することができる.
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8週 |
前期中間試験 |
前期中間試験までの学修内容を理解できる.
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2ndQ |
9週 |
前期中間試験 |
目的・到達目標1/2/3
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10週 |
前期中間試験の解説
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前期中間試験までの学修内容を理解できる.
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11週 |
古代ギリシア哲学(1)――法の女神テミスとそれを取り巻く神々
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法の女神テミスとそれを取り巻く神々について理解できる.
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12週 |
古代ギリシア哲学(2)――ソクラテス以前の哲学 |
ソクラテス以前の哲学について理解できる.
[Key Words] Philosophy,Scholē(スコレー),自然哲学,アルケー,相対主義,ソフィスト,人間は万物の尺度
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13週 |
古代ギリシア哲学(3・予備回)――ソクラテス以前の哲学
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ソクラテス以前の哲学について理解できる.
[Key Words] 同上
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14週 |
前期総括と補遺
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前期までの学修内容を理解できる.
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15週 |
前期期末試験 |
目的・到達目標1/2/3
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16週 |
前期期末試験の解答と解説 |
前期までの学修内容を理解できる.
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後期 |
3rdQ |
1週 |
後期イントロダクション――前期の総括と後期への導入
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本科目の前期における学修事項を振り返り,本科目の後期における全体像を概観することができる.
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2週 |
古代ギリシア哲学(4)――ソクラテス
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主としてソクラテス,プラトン,アリストテレスなどの古代ギリシャ思想を理解できる.
[Key Words] ソクラテス:デルフォイの信託,問答法,汝自らを知れ,無知の知,
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3週 |
古代ギリシア哲学(5)――ソクラテス
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主としてソクラテス,プラトン,アリストテレスなどの古代ギリシャ思想を理解できる.
[Key Words] ソクラテス:知徳合一,ソクラテスに対する死刑判決,悪法もまた法なり プラトン:アカデメイア,初期対話篇,中期対話篇,後期対話篇
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4週 |
古代ギリシア哲学(6)――プラトン |
主としてソクラテス,プラトン,アリストテレスなどの古代ギリシャ思想を理解できる.
[Key Words] プラトン:イデア論,三角形の比喩,アナムネーシス,洞窟の比喩,アンドロギュノス
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5週 |
古代ギリシア哲学(7)――プラトン |
主としてソクラテス,プラトン,アリストテレスなどの古代ギリシャ思想を理解できる.
[Key Words] プラトン:四元徳,哲人王政,哲人王政の実践と挫折,『国家』→『政治家』→『法律』
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6週 |
古代ギリシア哲学(8)――アリストテレス
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主としてソクラテス,プラトン,アリストテレスなどの古代ギリシャ思想を理解できる.
[Key Words] アリストテレス:四原因説,ヒュレー,エイドス,メソテース
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7週 |
古代ギリシア哲学(9)――アリストテレス
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主としてソクラテス,プラトン,アリストテレスなどの古代ギリシャ思想を理解できる.
[Key Words] アリストテレス:ゾーン・ポリティコーン,正義論,国制論
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8週 |
中間総括と補遺 |
後期中間試験までの学修内容を理解できる.
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4thQ |
9週 |
後期中間試験 |
目的・到達目標1/2/3
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10週 |
後期中間試験の解答と解説 日本人の宗教観・倫理観:『古事記』における神々を探る(1) |
主に日本神話を通じて日本人の宗教観・倫理観について理解することができる。
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11週 |
日本人の宗教観・倫理観:『古事記』における神々を探る(2)
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主に日本神話を通じて日本人の宗教観・倫理観について理解することができる。
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12週 |
日本人の宗教観・倫理観:『古事記』における神々を探る(3) |
主に日本神話を通じて日本人の宗教観・倫理観について理解することができる。
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13週 |
日本人の宗教観・倫理観:『古事記』における神々を探る(4) |
主に日本神話を通じて日本人の宗教観・倫理観について理解することができる。
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14週 |
全体総括と補遺 |
後期期末試験までの学修内容を理解できる.
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15週 |
後期期末試験 |
目的・到達目標1/2/3
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16週 |
後期期末試験の解答と解説 |
後期期末試験までの学修内容を理解できる.
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文・社会科学 | 社会 | 地理歴史的分野 | 民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。 | 3 | |
公民的分野 | 人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。 | 3 | 前1,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16 |
分野横断的能力 | 態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | 法令やルールを遵守した行動をとれる。 | 3 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16 |
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。 | 3 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16 |