法学概説Ⅰ

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 法学概説Ⅰ
科目番号 R04G408 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 一般科目 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 (教科書)小関康平『憲法講義HANDBOOK』補訂版‐OI,佐伯コミュニケーションズ / (参考図書)[A] 小関康平『前憲法的国家の法理論』三恵社 / (参考図書)[B] 憲法学会編(小関康平ほか共著)『日本憲法学の理念と展望』成文堂 / 以上のうち,教科書は必携,参考図書は任意入手(参考図書(特に[A])は任意提出のレポート執筆に用いることがある).なお,適宜レジュメなどを配布することがあるほか,その他の参考図書は講義内で紹介する.
担当教員 小関 康平

到達目標

(1) 基礎法学・実定諸法学の学修を通じて,法的思考の特質並びに現代の社会及び日常における法の役割・機能を理解できる.(定期試験等)
(2) 憲法学における基礎的な理論,条文,学説及び判例について理解できる.(定期試験等)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
目的・評価項目1基礎法学・実定諸法学の学修を通じて,法的思考の特質並びに現代の社会及び日常における法の役割・機能を十分に理解することができる.基礎法学・実定諸法学の学修を通じて,法的思考の特質並びに現代の社会及び日常における法の役割・機能をある程度理解することができる.基礎法学・実定諸法学の学修を通じて,法的思考の特質並びに現代の社会及び日常における法の役割・機能を理解することができない.
目的・評価項目2憲法学における基礎的な理論,条文,学説及び判例について十分に理解することができる.憲法学における基礎的な理論,条文,学説及び判例についてある程度理解することができる.憲法学における基礎的な理論,条文,学説及び判例について理解することができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (A1) 説明 閉じる
JABEE 1.2(a) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
[0] 本講義では,憲法を中心に,法学の基礎的な知識を学修する.講義は,原則として,学界通説及び最高裁判例を基軸に展開される.
[1] 本講義は,法学を主専攻としない学生が,あらゆる実定法学の前提となる〈法学の基礎理論〉を踏まえた上で,国内法秩序において最高効力をもつ憲法についての基礎知識を習得することを目的としている.
[2] 法学概説Ⅰの前半部分では,〈法学基礎論〉に分類されるテーマとして,法概念,法源,法系,法解釈の技法や,裁判手続のあらまし,法令・判決の構成,難解・特殊な法令用語などについて解説する.次いで,憲法学のうち,〈憲法総論〉及び〈基本権[人権]総論〉に分類される各テーマを取り扱う.すなわち,憲法の意味・分類,外国及び日本の憲法史,享有主体性などについて講ずる.
[3] 同後半部分においては,〈人権各論〉を〈個別的基本権論〉から扱う.すなわち,精神的自由権・社会権などについて講ずる。実際の裁判例を参照しながら,憲法理論を学修していく.
[4] 法学概説Ⅱは,法学概説Ⅰの講義内容を前提としつつ,〈基本権論(人権論)〉及び〈統治機構論〉についての基礎知識を習得することを目的としている.
[5] 法学概説Ⅱでは,その他の個別的基本権(経済的自由権,参政権,国務請求権など),法の下の平等などの〈包括的基本権論〉や,〈統治機構論〉として国会,内閣,裁判所の組織や権能などについて講ずる.

教育プログラム第1学年 ○科目
関連科目 現代社会,政治・経済.
授業の進め方・方法:
【授業の進め方】基本的には講述の形式によるが,学生諸君の予習復習の程度が高い場合には,適宜,ソクラテス・メソッドにより講義を進行させることがある.また,講義に際しレジュメ等を配布することがある.
【授業内容・方法】法学に関する諸問題を扱います.
【定期試験】達成目標(1)(2)につき2回の試験により評価します.

【事前学習】各回の講義に対応する〈上掲・教科書『憲法講義HANDBOOK』の箇所〉を案内するので,事前に該当箇所を通読してくること。また,レジュメや参考資料を事前にある程度まとめて配布するので通読しておくこと。それらの作業を通じて,次回の講義の展開についてある程度の予測をつけておくこと.
注意点:
(履修上の注意)
講義における板書・講述内容等についてメモを取り,自宅でノート整理を行うこと.
講義中は,スライド・板書の内容だけでなく,必ず講述内容について,メモをとること.なお,各回における講述内容の要約については,原則として,上掲・教科書『憲法講義HANDBOOK』の「要約版講義案編」を参照して,学修の便宜に役立てるとよい(但し,一部収録していないものもある).予習と復習をしっかりすること.また,講義に際しては,部分的にPPTスライドを用いることがある.
(自学上の注意)
講義メモを基に自宅でノート整理を行うこと.
開講前にあたり上記「概要」欄中の「関連科目」の復習を丹念にしておくこと.

評価

【総合評価及び単位取得の条件】原則として定期試験の平均を総合評価とし,それが60点以上である場合に合格とします.ただし,例外的におよそ10%程度を限度として,平常点を考慮することにより総合評価における評点を補正する場合がありえます.なお,その際の平常点の算定根拠は,適宜実施するリアクションペーパー,小テスト,任意のリポート等であり,これらを総合考慮して算定します.
  中間試験の評点×0.5+期末試験の評点×0.5=総合評価

【再試験】原則として実施しない.但し,定期試験の評点及び平常点等を総合的に審査した結果,再試験において及第する見込みがあると認められた者について,科目担当者における本科目及び他科目の運営並びにその他の業務遂行に支障をきたさない範囲で,極めて例外的に実施することがありうる.詳細は開講後に問合せに応じて適宜案内する.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 イントロダクション――主として本科目の学修方法等について
基礎法学Ⅰ(法の概念・法源;法分類;制定法の段階秩序など)
本科目の学修方法等を理解し、本講義の半期全体像を概観することができる.
基礎法学(法の概念・法源;法分類;制定法の段階秩序など)について理解できる.
2週 基礎法学Ⅱ(上記の続き)
基礎法学(法の概念・法源;法分類;制定法の段階秩序など)について理解できる.
3週 基礎法学Ⅲ(上記の続き)
憲法Ⅰ(憲法の意味と分類)
基礎法学(法の概念・法源;法分類;制定法の段階秩序など)について理解できる./
憲法の意味と分類について理解できる.
4週 憲法Ⅱ(憲法史①:大日本帝国憲法の制定史と主要条文) 憲法史について理解できる.
5週 憲法Ⅲ(憲法史②:日本国憲法の制定史と特徴)
憲法史について理解できる.
6週 憲法Ⅳ(憲法史③:ドイツ国制史・憲法史) 憲法史について理解できる.
7週 中間総括と補遺 前期中間試験までの学修内容について理解できる.
8週 前期中間試験
目的・評価項目1/2
2ndQ
9週 前期中間試験の解説/法学の諸問題
憲法Ⅴ(基本権享有主体性①:天皇・皇族;未成年者)
前期中間試験までの学修内容について理解できる./
講義で扱われた法学の諸問題について理解できる./
基本権享有主体性について理解できる.
10週 憲法Ⅵ(基本権享有主体性②:外国人;法人) 基本権享有主体性について理解できる.
11週 憲法Ⅶ(自由権――精神的自由権を中心として①) 自由権について理解できる.
12週 憲法Ⅷ(自由権――精神的自由権を中心として②) 自由権について理解できる.
13週 憲法Ⅸ(社会権――生存権を中心として①) 社会権について理解できる.
14週 憲法Ⅹ(社会権――生存権を中心として②) 社会権について理解できる.
15週 前期期末試験 目的・評価項目1/2
16週 前期期末試験の解答と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
基礎的能力4545
専門的能力4545
分野横断的能力1010