微分積分Ⅰ

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 令和07年度 (2025年度)
授業科目 微分積分Ⅰ
科目番号 R07G204 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 一般科目 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 (教科書)高遠節夫他「新微分積分I改訂版」,「新微分積分I問題集改訂版」,大日本図書.
(参考図書)高校数学Ⅱ・数学Ⅲの参考書
担当教員 北川 友美子,伊野 翔次,福村 浩亨

到達目標

(1) 微分に関する基礎的な計算力を身につける.(定期試験・到達度試験・課題)
(2) 微分の概念を理解し,微分の計算が正しく行えるようにする.(定期試験・到達度試験・課題)
(3) 積分の概念を理解し,積分の計算が正しく行えるようにする.(定期試験・到達度試験・課題)
(4) 定積分を用いて図形の面積・曲線の長さ・立体の体積を求めることができるようにする.(定期試験・到達度試験・課題)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標(1)の評価指標微分の概念をよく理解し,様々な関数の微分を計算することができる.また微分の性質を利用して接 線の方程式を求める等,応用に用いることができる.微分の概念を理解し,基本的な微分の計算ができる.とくに関数の積,三角関数,指数対数などがあげられる.微分の基本的な計算ができない.
到達目標(2)の評価指標ロピタルの定理を用いる等して,グラフの凹凸まで含む,複雑な関数のグラフを正確に描くことができる.また,極値を求めることができる.2次導関数を用いることで,関数の凹凸を調べ,極値を求めることができる.またグラフを描くことができる.関数のグラフを描くことができず,極値を求めることができない.
到達目標(3)の評価指標積分の概念を理解し,置換積分・部分積分等を用いて,複雑な関数の(不)定積分を計算や図形の計量へ応用することができる.積分の概念を理解して,基本的な(不)定積分の計算をすることができる.基本的な(不)定積分の計算をすることができない.
到達目標(4)の評価指標定積分を用いて図形の面積・曲線の長さ・立体の体積を求めることができる.さらに媒介変数で表される図形についても同様の計算ができる.定積分を用いて基本的な図形の面積・曲線の長さ・立体の体積を求めることができる.定積分を用いて基本的な図形の面積・曲線の長さ・立体の体積を求めることができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (B1) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
高専で学ぶ数学の中で,最も中心的位置を占める科目である.微分・積分の基礎的な概念を身につけると同時に,計算力を養うことが目標である.

授業の進め方・方法:
黒板を用いた対面授業の手法をとる.まず,1変数関数の微分の概念を理解し,最大値・最小値問題に応用することを学ぶ.次に,1変数関数の積分の概念を理解し,図形の面積・曲線の長さ・立体の体積を求めることを学ぶ.授業中指名された問題については,解答を板書する.
(事前学習)
シラバスを参照し,教科書の該当ページを熟読して予習を行うこと.
注意点:
(履修上の注意)
微分積分は専門科目を学ぶ上での基礎となるので,予習をして授業にのぞむこと.
(自学上の注意)
受講後は,十分時間をかけて復習すること.
課題の提出期限を厳守し,必ず提出すること.

評価

(総合評価)
総合評価=(定期試験の平均点)×60%+(到達度試験の平均点)×15%+(課題・小テストの平均点)×25%
到達目標の(1)~(4)について 7回の試験(定期試験4回・到達度試験3回)と課題・小テストで評価する.
なお,出席状況・授業中の態度により10%を上限として減点することがある.
(単位修得の条件について)
総合評価 60 点以上を合格とする.
(再試験について)
総合評価が40 点以上 60 点未満の場合は再試験を行う.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 関数の極限 極限の概念と微分の定義, およびその基本的性質を理解する.
2週 微分係数と導関数 微分の基本的計算をできるようにする.
3週 三角関数・指数関数の導関数 三角関数と指数関数の導関数を導く.
4週 いろいろな関数の導関数 いろいろな関数の導関数を導く.
5週 合成関数の導関数 合成関数の導関数を導く.
6週 対数関数・逆関数の導関数
逆三角関数の導関数
対数関数・逆三角関数の導関数を導く.
7週 関数の連続
接線と法線
微分法の幾何学的応用を学ぶ.即ち, いろいろな曲線の接線や法線の方程式を導く.
8週 前期中間試験 学習した内容を試験で確認する.
到達目標(1)(2)
2ndQ
9週 前期中間試験の解答と解説
関数の増減と極値(1)
試験で理解不足の箇所を復習する.
関数の増減を調べ, 極限関数値を求められるようになる.
10週 関数の増減と極値(2)
関数の増減を調べ, 極限関数値を求められるようになる.
11週 関数のグラフ
関数のグラフが描けるようになる.
12週 関数の最大・最小 最大値・最小値が求められるようになる.
13週 不定形の極限
不定形の極限が計算できるようになる.
14週 高次導関数 高次導関数を求めることができるようになる.
15週 前期末試験 学習した内容を試験で確認する.
到達目標(1)(2)
16週 前期期末試験の解答と解説 試験で理解不足の箇所を復習する.
後期
3rdQ
1週 関数の凹凸 いろいろな関数の凹凸まで含めたグラフが描けるようになる.
2週 媒介変数と微分法 媒介変数表示の関数の導関数を求めることができるようになる.
3週 速度と加速度 速度や加速度の微分による表示を理解し, 簡単な運動方程式が解ける.
4週 平均値の定理 平均値の定理を理解する.
5週 不定積分 積分の定義とその基本性質を理解する.
6週 不定積分
定積分の定義
積分の定義とその基本性質を理解する.
定積分の定義を理解する.
7週 定積分の計算 定積分の計算ができるようになる.
8週 演習
上記の内容の計算ができるようになる.
4thQ
9週 後期中間試験 学習した内容を試験で確認する.
到達目標(2)(3)
10週 後期中間試験の解答と解説
置換積分法
試験で理解不足の箇所を復習する.
置換積分法を理解し, 計算できるようになる.
11週 部分積分法 部分積分法を理解し, 計算できるようになる.
12週 部分積分法
いろいろな関数の積分
部分積分法を理解し, 計算できるようになる.
13週 いろいろな関数の積分 いろいろな関数の積分の計算ができるようになる.
14週 図形の面積・曲線の長さ・立体の体積 定積分を用いて図形の面積・曲線の長さ・立体の体積を求めることができるようになる.
15週 学年末試験 学習した内容を試験で確認する.
到達目標(3)(4)
16週 学年末試験の解答と解説 試験で理解不足の箇所を復習する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学関数の極限を求めることができる。3前1
微分係数・導関数の意味を理解し、べき関数の導関数を求めることができる。3前2
積及び商の導関数を求めることができる。3
合成関数の微分法を利用した計算ができる。3前4
三角関数・指数関数・対数関数・逆三角関数を含む関数の導関数を求めることができる。3前5
導関数を利用してグラフの概形を把握し、関数の極値や最大値・最小値を求めることができる。3前9,前10,前11
接線の方程式を求めることができる。3前12
第二次導関数を利用してグラフの凹凸を判定できる。3前7
媒介変数表示された関数に対して導関数の計算ができる。3後1
導関数の公式を利用して不定積分を求めることができる。3後5,後6
微分積分の基本定理を理解し、不定積分を利用して定積分を求めることができる。3後10,後11,後12
置換積分及び部分積分を利用して、不定積分や定積分を求めることができる。3後6,後7
三角関数・指数関数・対数関数・分数関数・無理関数などを含む関数の不定積分・定積分を求めることができる。3
定積分を利用して面積を求めることができる。3後14
定積分を利用して曲線の長さを求めることができる。3後14
定積分を利用して体積を求めることができる。3後14

評価割合

定期試験到達度試験課題合計
総合評価割合601525100
基礎的能力601525100
専門的能力0000
分野横断的能力0000