概要:
本実験は,機械工学に関して,「機械力学」「流体機械」「材料力学」「自動制御」の4つの分野について,それぞれ3テーマの計9テーマの実験を行う.これらの実験によって,これまでに学習した理論および公式を実験により検証し,実験結果を報告書にまとめ工学的な考察,評価を行う力を養成する.
(科目情報)
教育プログラム 第2学年 ◎科目
授業時間 39時間
関連科目 工学実験Ⅱ,校外実習,卒業研究,プロジェクト実験Ⅰ(専攻科),実務実習(専攻科),機械力学,水力学,流体機械,材料力学Ⅱ
授業の進め方・方法:
クラスを10人程度で構成するA~Dの4つのグループに分け,プロジェクトで実施する.
(総合評価について)
テーマ別にレポートを70%,取り組み状況を30%として100点満点で評価する.各テーマの採点結果を集計担当教員が取りまとめ,これらの単純平均を最終評価とする.取り組み状況は各担当者が判断する.総合評価が60点以上で,各テーマの評価点が全て60点以上である場合を合格とする.総合評価が60点以上でテーマごとの評価が59点以下である学生の総合評価は59点とする.ただし,やむを得ない事情で実験を欠席してテーマの評価が60点に満たない場合は,総合評価が60点以上であれば合格とする.
注意点:
(履修上の注意)
実験を正当な理由なしに欠席した場合,テーマのレポートのみの提出は認めない.すなわち,当該テーマに対する得点は0点とする.
(自学上の注意)
実験内容を確認しながらレポートにまとめる.
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
オリエンテーション 安全教育 |
個々の実験テーマごとに内容を説明し実験の概要を理解する. 実験に関わる安全への配慮について理解する.
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2週 |
機械力学実験 |
① 振動測定実験:振動系の自由振動波形を測定し,減衰比,固有振動数との関係を理解する.更に掃引実験から周波数応答曲線を求め,共振現象について理解する.
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3週 |
機械力学実験 |
② 振動モード実験:はりを強制振動させたときの振動モードを実験的に理解する.また,共振振動数,モード節の位置が理論式により導出できることを理解する.
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4週 |
機械力学実験 |
③ 数値シミュレーション:コンピュータを用いて運動方程式から振動波形,周波数応答曲線を導出する.
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5週 |
流体機械実験 |
① フランシス水車の性能試験:フランシス水車について出力・効率・流量の性能を評価できる.
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6週 |
流体機械実験 |
② 遠心ポンプの性能試験:遠心ポンプの性能試験方法とキャビテ-ションが与える影響を理解できる.
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7週 |
流体機械実験 |
③ 軸流送風機性能試験:軸流送風機の性能試験方法を理解でき,性能評価および特性を理解できる.
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8週 |
材料力学実験 |
① 組合せ応力試験:曲げとねじりを受ける丸軸の主ひずみをひずみロゼットで測定し主応力を計算する.理論値と比較検証し測定法が正しいことを理解する.
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2ndQ |
9週 |
材料力学実験 |
② はりの応力とたわみの測定:集中荷重を受けるはりに生じる応力とたわみを測定し,理論値と比較検証し測定法が正しいことを理解する.
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10週 |
材料力学実験 |
③ 応力集中と応力分布の測定:引張荷重を受ける円孔付き平板の応力集中係数を,実験と有限要素法による数値計算で求め,各測定方法の特徴を理解する.
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11週 |
自動制御実験 |
① 制御モデルの数値解析:制御系CADを用いた制御系のモデル構築と解析手法について理解する.
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12週 |
自動制御実験 |
② モデル同定と制御系設計:台車ロボットの動作特性の計測とモデル同定を行い、さらに制御系の設計手法を理解する.
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13週 |
自動制御実験 |
③ 制御系の実装と評価:農作物自動搬送システムを模擬して、台車ロボットの制御実験を行い、制御系の実装方法について理解する.
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14週 |
レポート整理 |
レポートを整理することで実験内容を理解できる.
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15週 |
再実験 |
データ不具合があった場合には再実験を行い考察できる.
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16週 |
レポート修正 |
レポート不具合があった場合には修正し考察できる.
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 4 | |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 4 | |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 4 | |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 4 | |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 4 | |
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。 | 4 | |
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。 | 4 | |
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。 | 4 | |
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。 | 4 | |
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。 | 4 | |
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。 | 4 | |