応用物理Ⅱ

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 応用物理Ⅱ
科目番号 31M409 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 原康夫、「第5版物理学基礎」,学術図書
担当教員 藤本 教寛

到達目標

(1) 運動方程式を理解し,力学の典型的で簡単な演習問題を解くことができる.(定期試験・課題)
(2) 運動方程式から保存則を導くことができ,保存則を用いて問題を解くことができる.(定期試験・課題)
(3) 時間の遅れ,ローレンツ収縮,4元運動量など特殊相対性理論の基礎を理解し,簡単な問題が解ける.(定期試験・課題)
(4) 光の粒子性・波動性および物質の粒子性・波動性を理解し,簡単な計算問題が解ける.(定期試験・課題)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1単振動や速度に比例した抵抗力がある運動について,微分を用いたニュートンの運動方程式を立てて解くことができる.一定の力が働く運動について,微分を用いたニュートンの運動方程式を立てて解くことができる.ニュートンの運動方程式を立てて,解くことができない.
評価項目2運動方程式から保存則を導くことができ,保存則を用いて運動を積分を使って求めることができる.運動方程式から保存則を導くことができ,保存則を用いて簡単な問題を解くことができる.運動方程式から保存則を導き,保存則を用いて運動を解くことができない.
評価項目3時間の遅れ,ローレンツ収縮,4元運動量など特殊相対性理論の基礎をスカラー・ベクトル・テンソルの観点から理解することができ,問題が解ける.時間の遅れ,ローレンツ収縮,4元運動量など特殊相対性理論の基礎を理解し,簡単な問題が解ける.時間の遅れ,ローレンツ収縮,4元運動量について理解できない.
評価項目4光電効果や,ド・ブロイの物質波について,簡単な量子力学の問題を解くことが出来る.光の粒子性・波動性および物質の粒子性・波動性を理解し,簡単な計算問題が解ける.光の粒子性・波動性および物質の粒子性・波動性を理解できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (B1) 説明 閉じる
JABEE 1(2)(c) 説明 閉じる
JABEE 1(2)(g) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
微分積分学を用いたニュートン力学を学ぶ.微分を用いた質点の運動方程式を立て,解くことについて学習する.また、大きさがある物体の運動方程式についても学び,慣性モーメントが計算できるようになることを目的としている.最後には現代物理学の2大巨塔である,相対論と量子論についても概要を学ぶ.
授業の進め方・方法:
空気抵抗のある物体の投げ上げ運動や、単振り子などの単振動など基本的な運動について、実際に微分を用いた質点の運動方程式を立て解くことを実践し、解法を解説する。後半では剛体の運動について学習し、多重積分を用いた慣性モーメントの計算などを身につける。
以上について、レポート課題を通じて学習ができ、自ら解析し問題を解く力を養う。
注意点:
(履修上の注意)
一部に高度な内容を含むため,必ず復習し,課題への取り組みを行うこと.微積分学が必須となるので,これらの科目を復習すること.

(自学上の注意)
わからないところはメールを活用し,随時質問して解消をすること.


総合評価:
総合点=4回の試験平均80%+小テスト20%
(再試験について)
再試験は,年度末の再試験期間に1回のみ実施する.受験資格は総合点が40点以上である者とする.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 質点と座標系
質点と座標系について理解できる
2週 変位・速度・加速度 変位・速度・加速度の定義を理解できる
3週 ニュートンの運動の法則 微分を用いたニュートンの運動方程式について理解できる
4週 簡単な運動 斜方投射、斜面を滑る拘束系の運動など,一定の力が働いているときの質点について,ニュートンの運動方程式を立てて解くことができる
5週 簡単な運動 空気抵抗などがある質点の運動について,ニュートンの運動方程式を立てて解くことができる
6週 単振動
単振り子の運動方程式をたてて,解くことができる.
7週 単振動
調和振動子の運動方程式を立てて,解くことができる.
8週 仕事 エネルギーと仕事の概念を理解する
2ndQ
9週 前期中間試験
10週 前期中間試験の解答と解説 分からなかった部分を把握し,理解できる.
11週 保存力と位置エネルギー ポテンシャルエネルギーの定義と保存力について,理解できる.
12週 運動エネルギー 運動エネルギーについて理解し,仕事と運動エネルギーの変化の関係を導くことができる.
13週 力学的エネルギー保存則 力学的エネルギー保存則を理解し,ニュートンの運動方程式から導くことができる.
14週 運動量と力積
運動量保存則
運動量の力積の定義について理解し,運動量保存則を導くことができる.
15週 前期期末試験
16週 前期期末試験の解答と解説 分からなかった部分を把握し理解できる.
後期
3rdQ
1週 質点系の運動 質点系の運動方程式について理解できる.
2週 力のモーメント 力のモーメントの定義を,外積を用いて理解できる.
3週 角運動量 角運動量の定義を,外積を用いて理解できる.
4週 回転運動の方程式 質点の回転を,回転の運動方程式を使って記述できることを理解する.
5週 剛体のつりあい
剛体のつりあい状態を調べ,理解する.
6週 慣性モーメント 慣性モーメントを理解し,計算する.
7週 慣性モーメント 慣性モーメントを理解し,計算する.
8週 時間の遅れと長さの縮れ 慣性系によって,時間の進み方や物の長さが異なることを理解する.
4thQ
9週 後期中間試験
10週 後期中間試験の解答と解説 分からなかった部分を把握し理解できる.
11週 4元運動量 エネルギーと運動量が4次元ベクトルとして統一されることを理解する.
12週 光の粒子性 光電効果に見られる,光の粒子性について理解できる.
13週 物質の波動性
物質波に現れる波動性について理解する.
14週 原子の構造 原子の構造と,素粒子について理解できる.
15週 後期期末試験
16週 後期期末試験の解答と解説 分からなかった部分を把握し理解できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3
力のモーメントを求めることができる。3
角運動量を求めることができる。3
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3
重心に関する計算ができる。3
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力601070
専門的能力201030
分野横断的能力000