工学倫理

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 工学倫理
科目番号 R02M517 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 松木真一編著 現代科学と倫理「科学技術と人間の〈関係〉のために 関西学院大学出版会
担当教員 佐藤 光雄

到達目標

(1) 科学技術と人間社会との関わりについて理解を深める。(試験、課題レポート、理解度確認テストにより評価)
(2) 技術者としての社会に対するモラルを身につける。(試験、課題レポート、理解度確認テストにより評価)
(3) 技術者としての社会に対する責任を自覚する。(試験、課題レポート、理解度確認テストにより評価)
(4) あるべき技術者像を身につける。(試験、課題レポート、理解度確認テストにより評価)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1科学技術と人間社会との関わりについて理解し他者に説明できる。 科学技術と人間社会との関わりについて理解している。科学技術と人間社会との関わりについて理解していない。
評価項目2 技術者としての社会に対する規範を理解し他者に説明できる。 技術者としての社会に対する規範を理解している。技術者としての社会に対する規範を理解していない。
評価項目3技術者としての社会に対する責任を理解し他者に説明できる。技術者としての社会に対する責任を理解している。技術者としての社会に対する責任を理解していない。
評価項目4あるべき技術者像を理解し他者に説明できる。あるべき技術者像を理解している。あるべき技術者像を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (A2) 説明 閉じる
JABEE 1(2)(b) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
近年、科学技術の基本に関わるような事故事例が数多く報告されている。なかでも関係した科学技術者の倫理性が問われる事例が多々見受けられる。本講義では、こうした技術と倫理に関わるさまざまな問題について、教科書をとおし、又事例を考察して、技術者としてのあり方を学習する。
(科目情報)
教育プログラム第2学年 ◎科目
授業時間 23.25時間
授業の進め方・方法:
到達目標の(1)~(4)について定期試験(40%)とレポート(20%)、理解度確認テスト(40%)をもとに総合的に評価する。
総合評価が60点以上を合格とする。
再試験はテーマを指示してレポート提出で行い、総合評価が60点に満たない学生に実施する。
注意点:
授業時間の残り30分は理解度確認テストを行なう。
基本的には教科書の内容について出題するが、授業中に引用した内容からも出題するので、適宜ノートを取るなどが必要である。
また、科学技術にとどまらず、政治、経済などを含む、社会で今何が起きて、社会はどこに向かおうとしているのかなどに対する情報の受信力を高めるとともに、常に自らの意見を考察する習慣をつけるとともに、意見をまとめ説明する能力を向上する必要がある。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 工学倫理をはじめるにあたって 工学が人間社会に与えている諸問題と引き起こした原因の理解。工学と人間社会との望ましい関係を築くことの重要性の理解。
2週 技術者倫理の基本 工学が目指すべき方向性、道筋の理解。技術者倫理が必要とされる社会的背景の理解。社会における技術者の役割の理解。
3週 情報倫理 情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの理解。情報通信技術と倫理との関わりの理解。
4週 知的財産 知的財産の社会的意義や重要性の理解。
知的財産の獲得などで必要なアイデアを生み出す技法の理解。
5週 持続可能性 持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことの理解。資源の維持、災害の防止の重要性を認識している。
6週 環境倫理 環境問題の現状とその影響についての理解。環境問題を考慮した技術者としてふさわしい行動の理解。
7週 国際貢献・地域貢献 国際社会における技術者としてふさわしい行動の理解。地域社会に貢献するために工学が果たせる役割についての理解。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 後期中間試験の解答と解説
法令順守
技術者の社会的責任と法令順守(コンプライアンス)の重要性の理解。国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性の理解。
10週 工学倫理の実践1 説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な事項を説明できる。
11週 工学倫理の実践2 説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な事項を説明できる。
12週 工学倫理の実践3 現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。
13週 工学倫理の実践4 現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。
14週 工学倫理の実践5 現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。
15週 後期期末試験
16週 後期期末試験の解答と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。4後2
説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。4後10,後11
社会における技術者の役割と責任を説明できる。4後2
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。4後12,後13,後14
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。4後6
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。4後6
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。4後4
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。4後4
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。4後9
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。4後9
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。4後1
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。4後1

評価割合

定期試験理解度確認テストレポート合計
総合評価割合404020100
基礎的能力0000
専門的能力404020100
分野横断的能力0000