工業力学

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 工業力学
科目番号 R03M313 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 青木弘,木谷晋著,「工業力学」,森北出版.
担当教員 薬師寺 輝敏,竹尾 恭平

到達目標

(1) 力を正しく図示でき,力のつりあいの式をたて,力の大きさを求めることができる.(定期試験・課題)
(2) 簡単な物体の重心が計算できる.(定期試験・課題)
(3) 剛体に力が働いた場合の運動を論じることができる.(定期試験・課題)
(4) 仕事の概念を理解し,力学的エネルギー保存則から運動を論ずることができる.(定期試験・課題)
(5) 運動量保存則を用いて運動を論ずることができる.(定期試験・課題)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1力を正しく図示でき,力のつりあいの式をたて,力の大きさを求めることができる.基礎的な問題において,力を正しく図示でき,力のつりあいの式をたて,力の大きさを求めることができる.力のつりあい式が理解できない.
評価項目2簡単な物体の重心が計算でき,重心を用い回転体の体積や表面積を計算できる.簡単な物体の重心が計算できる.重心を求めることが出来ない.
評価項目3剛体に力が働いた場合の運動を論じることができる.質点に力が働いた場合の速度,加速度,変位を計算することが出来る.運動の法則を理解できていない.
評価項目4仕事の概念を理解し,力学的エネルギー保存則から運動を論ずることができる.位置エネルギー,運動エネルギー,ひずみエネルギーの公式を理解できている.仕事とエネルギーの関係が理解できていない.
評価項目5運動量保存則を用いて運動を論ずることができる運動量とは何かが理解できる.運動量の意味が理解できない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (B2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械工学を学ぶ者にとって,力や運動について理解することは必要不可欠である.これについては1年,2年次に物理学のなかで学ぶが,より実際に近い問題をとりあげる事によって,機械工学に必要な力学的センスを養う事を講義の目的にしている.

必修 2単位 (前期1コマ,後期1コマ,授業時間46.5時間) 関連科目 機械力学,材料力学
授業の進め方・方法:
授業は教科書に沿って行い,授業の後半に毎回小テストを行うことで,理解度の確認を行う.また,ほぼ毎回学生ごとに答えの違う課題提出を要求し,答えが合うまで繰返し提出する.達成目標の(1)~(5)について4回の定期試験と課題で評価する.定期試験は100点満点とし,課題点は20点満点とする.総合評価60点以上を合格とする.総合評価は前期評価と後期評価の平均点であり,前期および後期評価はそれぞれ(期末試験)×0.8+課題点・
(中間試験+期末試験)/2×0.8+課題点 で算出する.総合評価40~59点の学生に対して再試験を行い,75点以上を合格とする。
注意点:
課題を全て合格するように自学する.

評価

達成目標の(1)~(5)について4回の定期試験と課題で評価する.定期試験は100点満点とし,課題点は20点満点とする.総合評価60点以上を合格とする.総合評価は前期評価と後期評価の平均点であり,前期および後期評価はそれぞれ(前期中間試験+期末試験)/2×0.8+課題点・
(中間試験+期末試験)/2×0.8+課題点 で算出する.総合評価40~59点の学生に対して再試験を行い,75点以上を合格とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 力とその表示 工学単位とSI単位の使い分け
2週 力の合成と分解 2力および多数力の合成ができるようにする.
3週 力のモーメント 力のモーメントを理解し,力の置き換えを理解する.
4週 力のモーメントⅡ
力のつりあい
力のモーメントを理解し,力の置き換えを理解する.
力のモーメントのつり合いを理解することができる.
5週 力のつりあいⅡ 物体の接触点,支点に働く力を図示し,力のモーメントおよび力のつりあい式を作ることができる.
6週 平面トラス トラスの部材力および支点反力を求めることができるようにする.
7週 平面トラスⅡ 接点法によりトラスの部材力および支点反力を求めることができるようにする.
8週 平面トラスⅢ 切断法によりトラスの部材力および支点反力を求めることができるようにする.
2ndQ
9週 前期中間試験
10週 重心 細い線,平面図形,立体の重心を計算できる.
11週 回転体と重心  物体のすわり パップスの定理を用い,回転体表面積体積を求める.転倒することの意味を理解し,安定なすわりについて考える.
12週 滑り摩擦,転がり摩擦 摩擦係数および摩擦角の意味を理解する
13週 摩擦を使った機械 ブレーキおよびベルト駆動における摩擦力計算ができる.
14週 簡単な機械 てこ,滑車,くさび,ねじなどの力学的な計算が出来るようにする.
15週 前期末試験
16週 前期末試験の解答と解説 解けなかった問題を理解し解けるようになる.
後期
3rdQ
1週 点の運動 速度,加速度が位置関数の微分系で求められることを理解し,落体の運動,放物運動,円運動を理解する.
2週 運動と力 ニュートンの運動法則を理解できる.
3週 運動と力Ⅱ 物体に力が働いた場合の運動を論じることが出来るようにする.また,慣性力,遠心力を理解する
4週 剛体の運動
慣性モーメント
簡単な慣性モーメントの計算ができるようにする.
5週 慣性モーメントⅡ 棒、直方体、円柱、球などの慣性モーメントが計算できる.
6週 剛体の平面運動の方程式 慣性モーメントを理解し,剛体の運動を論じることが出来るようにする.
7週 仕事,エネルギー 仕事の概念を理解し,力学的エネルギー保存則から運動を論ずることが出来るようにする.
8週 動力 直線運動および回転運動の動力を理解する.
4thQ
9週 後期中間試験
10週 力学的エネルギー保存則 力学的エネルギー保存則を使って様々な問題を解く.
11週 衝突
運動量保存の法則
運動量保存則を用いて衝突を含めた運動を論ずることが出来るようにする.
12週 大学入試共通試験 物理  大学入試共通試験の問題を解けるようにする.
13週 演習問題 色々な身近なことに工業力学を利用することができる.
14週 演習問題Ⅱ 身近な問題に工業力学を応用することができる.
15週 後期末試験
16週 後期末試験の解答と解説 解けなかった問題を理解し解けるようになる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。4前1
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。4前1,前6
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。4前2,前6,前7
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。4前3
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。4前3
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。4前4,前5,前6,前7
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。4前10,前11
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。4後1
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。4後1
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。4後2
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。4後2,後3
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。4前4,後2
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。4後1
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。4後1,後3
仕事の意味を理解し、計算できる。4後6
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。4前13,前14
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。4後6
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。4後6
動力の意味を理解し、計算できる。4後7
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。4前12,前13
運動量および運動量保存の法則を説明できる。4後12
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。4後4,後5
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。4後4

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力4010000050
専門的能力4010000050
分野横断的能力0000000