機械設計法Ⅰ

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 機械設計法Ⅰ
科目番号 R03M316 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 (教科書)塚田・他3名,「機械設計法 第3版」,森北出版
担当教員 竹尾 恭平

到達目標

機械設計分野は,使用目的に応じて材料を選定し,機械要素の寸法を理論と実際の両面から決定できることを目標とする.機械設計法Ⅰの講義を通して,各種機械要素の適用方法や設計方法に関する知識を身に付けることを目指す.
(1) 機械の定義,機械要素,機械設計,機械の寿命,安全・安心・環境に配慮した設計などを理解できる.(定期試験と課題)
(2) 部材に作用する応力や剛性の計算ができる.静荷重と動荷重,応力集中,疲労破壊,許容応力,安全率などを理解できる.(定期試験と課題)
(3) 計測における不確かさ,部品の精度とコスト,寸法公差,はめあい,幾何公差,表面性状を理解できる.(定期試験と課題)
(4) ねじやボルト・ナットの用途,種類,規格などを理解し,締付トルク,ねじ効率や強度設計ができる.(定期試験と課題)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 機械設計の基礎機械の定義,機械要素,機械設計,機械の寿命,安全・安心・環境に配慮した設計などを理解し,説明できる.機械の定義,機械要素,機械設計,機械の寿命,安全・安心・環境に配慮した設計などを理解できる.機械の定義,機械要素,機械設計,機械の寿命,安全・安心・環境に配慮した設計などを理解できない.
評価項目2 材料の強度と剛性部材に作用する応力や剛性の計算法を身に付け,応用できる.静荷重と動荷重,応力集中,疲労破壊,許容応力,安全率などを理解し,説明できる.部材に作用する応力や剛性の計算ができる.静荷重と動荷重,応力集中,疲労破壊,許容応力,安全率などを理解できる.部材に作用する応力や剛性の計算ができない.静荷重と動荷重,応力集中,疲労破壊,許容応力,安全率などを理解できない.
評価項目3 機械の精度計測における不確かさ,部品の精度とコスト,寸法公差,はめあい,幾何公差,表面性状を理解し,説明できる.計測における不確かさ,部品の精度とコスト,寸法公差,はめあい,幾何公差,表面性状を理解できる.計測における不確かさ,部品の精度とコスト,寸法公差,はめあい,幾何公差,表面性状を理解できない.
評価項目4 ねじ,ボルト・ナットねじやボルト・ナットの用途,種類,規格などを理解して説明できる.締付トルク,ねじ効率や強度設計法を身に付け,応用できる.ねじやボルト・ナットの用途,種類,規格などを理解できる.締付トルク,ねじ効率や強度設計ができる.ねじやボルト・ナットの用途,種類,規格などを理解できない.締付トルク,ねじ効率や強度設計ができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (B2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械・装置等を安全かつ合理的・経済的に設計できる基礎能力を養うことは重要である.本講義では,機械・装置等の設計に必要となる機械設計の基礎,材料の強度と剛性,機械の精度について学ぶ.また,機械部材に作用する各種応力条件下での設計方法や,締結機械要素のねじなどに関する設計方法を学ぶ.さらに,講義と課題を通して機械部材や機械要素に関する基礎的設計能力を養う.
(科目情報)
授業時間 23.25時間
関連科目 機械製図Ⅲ,機械設計法Ⅱ,設計製図Ⅰ
授業の進め方・方法:
・授業の進め方は,各授業の前半部分で授業内容についての説明,後半部分で課題を行うスタイルを取る.
(事前学習)
教科書の内容について読んでおくこと.
注意点:
・教科書・電卓・ノートは必ず持参すること.
・機械製図,工業力学,材料力学,材料学Ⅰなどの内容を理解しておくこと.
・授業前に予習を行う事.授業中は確認シートやノート等に要点を纏め,授業後は課題を自力で解いて力をつける事.
・配布プリントや課題は,ファイリングして整理すること.

評価

(総合評価)
総合評価=0.8×(2回の定期試験の平均)+0.2×(課題)
(単位習得の条件について)
総合評価が60点以上を単位習得の条件とする.
(再試験について)
再試験は総合評価が60点に満たないものに対して実施するが,全課題を提出して合格した者とする.
ただし,正当な理由なく定期試験を欠席した者には再試験は行わない.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 機械設計の基礎 機械の定義,機械要素,機械設計,機械設計の手順,設計支援技術を理解し,説明できる.
2週 機械設計の基礎 機械の寿命,安全・安心・環境に配慮した設計を理解し,説明できる.
エネルギーと動力を理解し,計算できる.
3週 材料の強度と剛性 部材に作用する力,材料の機械的性質,ねじりを受ける部材の応力と変形を理解し,計算できる.
4週 材料の強度と剛性 ねじりや曲げを受ける部材の応力と変形を理解し,計算できる.
5週 材料の強度と剛性 部材の破壊の原因(静荷重と動荷重,応力集中,疲労破壊)を理解し,説明できる.
6週 材料の強度と剛性 部材の破壊の原因(座屈,その他の破壊原因),強度設計(許容応力,安全率,安全設計)を理解し,説明できる.
7週 機械の精度 計測における不確かさ,部品の精度とコスト,寸法公差を理解し,説明できる.
8週 後期中間試験
4thQ
9週 後期中間試験の解答と解説
機械の精度
定期試験の分からなかった部分を把握し理解する.
はめあい,幾何公差を理解し,説明できる.
10週 機械の精度 幾何公差,表面性状を理解し,説明できる.
11週 ねじ,ボルト・ナット ねじの用途,種類,規格,ねじ部品を理解し,適用できる.
12週 ねじ,ボルト・ナット ねじの力学,締め付けトルク,ねじの効率を理解し,計算できる.
13週 ねじ,ボルト・ナット ねじの強度設計(引張荷重,せん断荷重,軸方向とねじり荷重が加わる場合)を理解し,計算できる.
14週 ねじ,ボルト・ナット ねじの強度設計(ねじ山の根元に生じるせん断応力,ねじ面の接触面圧)を理解し,計算できる.
15週 学年末試験
16週 学年末試験の解答と解説 定期試験の分からなかった部分を把握し理解する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野機械設計標準規格の意義を説明できる。4後1,後2
許容応力、安全率、疲労破壊、応力集中の意味を説明できる。4後3,後4,後5,後6
標準規格を機械設計に適用できる。4後7,後9,後10
ねじ、ボルト・ナットの種類、特徴、用途、規格を理解し、適用できる。4後11
ボルト・ナット結合における締め付けトルクを計算できる。4後12
ボルトに作用するせん断応力、接触面圧を計算できる。4後13,後14

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000