到達目標
(1) 機械を構成する要素の種類および役割を説明できる.(定期試験)
(2) 瞬間中心の考え方を理解し,機構の速度・加速度が計算できる.(定期試験・課題)
(3) 機械設計に必須である運動伝達要素に関する基礎的な計算ができる.(定期試験・課題)
(4) 演習問題を通して理解を深めるとともに,継続的な学習ができる.(課題)
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 機械を構成する要素の種類および役割について理解し,新しい機械装置を構築することができる. | 機械を構成する要素の種類および役割を説明することができる. | 機械を構成する要素の種類および役割を説明できない. |
評価項目2 | 瞬間中心の考え方を理解し,機構の速度・加速度を計算し,設計に適用することができる. | 瞬間中心の考え方を理解し,機構の速度・加速度を計算することができる. | 瞬間中心の考え方を理解し,機構の速度・加速度を計算することができない. |
評価項目3 | 機械設計に必須である歯車などの運動伝達要素に関する基礎的な計算ができ,設計に応用することができる. | 機械設計に必須である歯車などの運動伝達要素に関する基礎的な計算をすることができる. | 機械設計に必須である歯車などの運動伝達要素に関する基礎的な計算をすることができない. |
評価項目4 | 演習問題を通して理解を深め,身の回りにある機構に応用するなど,具体的かつ継続的な学習をすることができる. | 演習問題を通して理解を深めるとともに,継続的な学習をすることができる. | 演習問題を通して理解を深めること,継続的な学習をすることができない. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
機構学は機械要素の動き方を研究する学問である.実際に使われている複雑な機械装置も,機構学で扱う機械要素の組み合わせで構成されている.本教科では,機械に用いる種々の要素の種類・動作について体系的に学ぶ.更に,機械各部の速度・加速度の導出法や設計条件などを学び,機械を設計する際の基礎力を養う.
(科目情報)
関連科目 機械製図Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ,設計製図Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ,機械設計法Ⅰ・Ⅱ,計測工学、機械数学
授業の進め方・方法:
授業の前半は,瞬間中心,機構の速度・加速度など,機構学の基礎について数学および図学を用いて学ぶ.授業の後半は,リンク機構,カム装置,摩擦伝動装置,歯車の各要素について,設計法・実用例について学ぶ.以上より,数学・図学を駆使した機構解析の手法を身につける.
(事前学習)
教科書の該当する箇所を予習しておくこと.
注意点:
(履修上の注意)講義中であっても,分からない箇所は適宜質問すること.作図による機構解析を行うため,三角定規,コンパス,電卓を用意すること.
(自学上の注意)継続的な学習に取り組むと共に、演習課題を自力で解くよう努力すること。
評価
(総合評価)
総合評価 = (4回の定期試験の平均点)× 0.8 + (レポート・課題の平均点)× 0.2
(単位修得の条件について)
総合評価60点以上を単位修得の条件とする.
(再試験について)
総合評価30点以上60点未満の者に対して実施する.
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス |
機械の定義を説明できる.実際の機械とスケルトンの関係を理解できる.
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2週 |
機構の種類 |
種々の機構の使用例,利点,欠点について理解できる.
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3週 |
回転中心と瞬間中心 |
回転中心,瞬間中心について理解できる.回転中心の作図ができる.
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4週 |
瞬間中心の作図法 |
リンク機構の瞬間中心を作図により求めることができる.
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5週 |
不等速回転運動1 |
不等速回転運動の速度,加速度,角速度を微積分を用いて求めることができる.
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6週 |
不等速回転運動2 |
不等速回転運動の速度,加速度,角速度を作図により求めることができる.
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7週 |
機構の速度の求め方 |
四節リンク機構上の速度を,移送法・連接法・分解法・写像法の各手法で作図により求めることができる.
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8週 |
機構の加速度の求め方 |
リンク機構の加速度を作図により求めることができる.相対速度,相対加速度について理解できる.
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2ndQ |
9週 |
前期中間試験 |
.
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10週 |
前期中間試験の解答と解説 |
分からなかった部分を把握し理解できる
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11週 |
図式微分法 |
図式微分法を用いた速度・加速度のグラフ作成ができる.
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12週 |
四節回転連鎖の種類 |
四節回転連鎖の種類および使用例を説明できる.倍力機構について理解できる.
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13週 |
てこクランク機構の設計 |
てこクランク機構の設計ができる.扇風機の首振り機構について理解できる.
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14週 |
往復スライダクランク機構 |
往復スライダクランク機構の変位・速度を計算することができる.二項定理による近似法について理解できる.
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15週 |
前期期末試験 |
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16週 |
前期期末試験の解答と解説 |
分からなかった部分を把握し理解できる.
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後期 |
3rdQ |
1週 |
揺動スライダクランク機構(早戻り機構) |
早戻り機構について理解できる.往復で速度が違うことを作図により説明できる.
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2週 |
両スライダクランク機構 |
スコッチヨーク,楕円コンパス,オルダム継手の機構および用途を理解できる.
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3週 |
その他のリンク機構1 |
ラプソンの舵取り機構,スコットラッセル機構について理解できる.
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4週 |
その他のリンク機構2 |
テオヤンセンのリンク機構について理解できる.
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5週 |
カムの種類およびカム線図 |
カムの種類を説明できる.カム線図からカムの輪郭曲線を作図することができる.
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6週 |
摩擦伝動装置 |
摩擦車の伝達動力の計算ができる.円すい車の設計ができる.
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7週 |
歯車の基礎1 |
歯車の種類を説明できる,歯車の各部名称を説明できる,モジュールを理解できる.歯車の基礎的な計算ができる.
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8週 |
後期中間試験 |
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4thQ |
9週 |
後期中間試験の解答と解説 |
分からなかった部分を把握し理解できる.
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10週 |
歯車の基礎2 |
かみあい率が理解できる.転位歯車について理解できる.
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11週 |
歯車加工の基礎 |
ラック歯切り,ホブ歯切りについて理解できる.
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12週 |
歯車列の計算1 |
歯車列の速比が理解できる.歯車列の回転数など基礎的な計算ができる.遊星歯車について理解できる.
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13週 |
歯車列の計算2 |
遊星歯車の計算ができる.ディファレンシャルギアの計算を行い,仕組みを理解できる.
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14週 |
応用問題 |
歯車列の応用問題を解くことができる.歯車列の合成慣性モーメントを求めることができる.
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15週 |
後期期末試験 |
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16週 |
後期期末試験の解答と解説 |
分からなかった部分を把握し理解できる.
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 機械設計 | 歯車の種類、各部の名称、歯型曲線、歯の大きさの表し方を説明できる。 | 4 | 後7 |
すべり率、歯の切下げ、かみあい率を説明できる。 | 4 | 後10 |
標準平歯車と転位歯車の違いを説明できる。 | 4 | 後10 |
歯車列の速度伝達比を計算できる。 | 4 | 後12,後13 |
リンク装置の機構を理解し、その運動を説明できる。 | 4 | 前5,前6,前12,前13,前14 |
代表的なリンク装置の、変位、速度、加速度を求めることができる。 | 4 | 前5,前6,前7,前8,前11,前12,前13,前14 |
カム装置の機構を理解し、その運動を説明できる。 | 4 | 後5 |
主な基礎曲線のカム線図を求めることができる。 | 4 | 後5 |
評価割合
| 試験 | 課題 | | | | | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 40 | 10 | 0 | 0 | 0 | 0 | 50 |
専門的能力 | 30 | 10 | 0 | 0 | 0 | 0 | 40 |
分野横断的能力 | 10 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 |