工学実験Ⅰ

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 工学実験Ⅰ
科目番号 R03M321 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 (教科書)各実験は本学科で作成した実験の手引き(ガイドライン)に従って行う./(参考図書)横山亨,「合金状態図読本」,オーム社.
担当教員 薬師寺 輝敏,松本 佳久,軽部 周,坂本 裕紀,山本 通,高沖 進,竹尾 恭平,手島 規博

到達目標

(1) 各種の工作機械を使い様々な部品の加工・組立ができ,完成した機械の評価ができる.(レポート,取り組み状況)
(2) 機械材料の基礎的な強度・物性・組織を理解し,教科書の公式の裏付けを理解できる.(レポート,取り組み状況)
(3) 機械要素の変位・速度・加速度を測定し,その運動状態について理解できる.(レポート,取り組み状況)
(4) 技術文書の作成により,社会に通用する文書作成能力を身につける.(レポート,取り組み状況)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各種の工作機械を使い様々な部品の加工・組立ができ,完成した機械を役立てることができる.各種の工作機械を使い様々な部品の加工・組立ができ,完成した機械の評価ができる.各種の工作機械を使った様々な部品の加工・組立ができない.
評価項目2機械材料の基礎的な強度・物性・組織を理解し,教科書の公式の裏付けを理解し,かつ王応用できる.機械材料の基礎的な強度・物性・組織を理解し,教科書の公式の裏付けを理解できる.機械材料の基礎的な強度・物性・組織の理解および,教科書の公式の裏付けの理解ができない.
評価項目3機械要素の変位・速度・加速度を測定し,その運動状態について理解・考察できる.機械要素の変位・速度・加速度を測定し,その運動状態について理解できる.機械要素の変位・速度・加速度を測定し,その運動状態について理解できない.
評価項目4技術文書の作成により,社会に通用する文書作成能力を自ら涵養することができる.技術文書の作成により,社会に通用する文書作成能力を涵養することができる.技術文書の作成により,社会に通用する文書作成能力を涵養することができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (D1) 説明 閉じる
学習・教育目標 (D2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本教科の内容は以下の3点である.①機械を製作する際に必須の知識である「金属材料」・「材料強度」・「加工技術」・「機構学(機械要素の運動)」について実験し,工学的考察および評価を行いレポートとしてまとめる.②技術文書を作成することで,論文・履歴書等,社会に通用する書類作製能力を養成する.③加工技術の集大成としてスターリングエンジンを作成し,動作させる.以上により,機械工学に関する深い知識と実行力を備えた人材を育成する.
(科目情報)
授業時間 78時間
関連科目 機械実習Ⅰ,Ⅱ, PBL, 工学実験Ⅱ,Ⅲ, 卒業研究, エンジニアリングデザイン,プロジェクト実験Ⅰ,Ⅱ(専攻科)
授業の進め方・方法:
「金属材料」・「材料強度」・「加工技術」・「機構学」・「技術文書」・「加工技術」について実験および実習を行う.
クラスを10人程度で構成するグループに分け,プロジェクトで実施する.
達成目標の(1)~(4)について,テーマ別にレポート・取組状況(実験スキル評価シート,授業態度)で評価する.各テーマ点はレポート70%,取組状況30%として100点満点で採点し,各テーマ点が全て60点以上である場合を合格とする.
(事前学習)
各テーマで配布される指導書を熟読し,実験に備える.
注意点:
(履修上の注意)
実験を正当な理由なしに欠席した場合,テーマのレポートのみの提出は認めない.すなわち,当該テーマに対する得点は0点とする.
(自学上の注意)
レポートは,第三者が読んで理解できるように書くこと.自分で参考図書等で調べた情報を入れると良い.

評価

(総合評価)
総合評価 = Σ(各テーマの評価×そのテーマの実施回数)/評価対象実験回数
(単位修得の条件について)
テーマごとの評価が60点以上であることを単位修得の条件とする.テーマごとの評価が59点以下の評価を持つ学生の総合評価は59点とし,不合格とする.ただし,病気等の理由で実験を欠席したことが原因でテーマの評価が60点に満たない場合は,総合評価の点数が60点以上であれば合格とする.
(再試験について)
必要に応じ,レポート提出等により再評価を行う.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション・安全教育 各テーマの概要について個々のテーマごとに説明を受け,概要を理解できる.
実験器具・装置類,工作機械等の取り扱いに関する安全対策について理解できる.

2週 スターリングエンジン製作(A,B) 各種工作機械を使ってスターリングエンジンを製作し,完成したエンジンの評価ができる.
3週 スターリングエンジン製作(A,B) 各種工作機械を使ってスターリングエンジンを製作し,完成したエンジンの評価ができる.
4週 スターリングエンジン製作(A,B) 各種工作機械を使ってスターリングエンジンを製作し,完成したエンジンの評価ができる.
5週 スターリングエンジン製作(A,B) 各種工作機械を使ってスターリングエンジンを製作し,完成したエンジンの評価ができる.
6週 スターリングエンジン製作(A,B) 各種工作機械を使ってスターリングエンジンを製作し,完成したエンジンの評価ができる.
7週 スターリングエンジン製作(A,B) 各種工作機械を使ってスターリングエンジンを製作し,完成したエンジンの評価ができる.
8週 (前期中間試験)
2ndQ
9週 工作法(ワイヤーカット・型彫り放電加工) CNCプログラミング後にワイヤーカット放電加工による実加工を行い,寸法精度を評価することができる.
10週 工作法(ワイヤーカット・型彫り放電加工) 型彫り放電加工機電極の消耗量に対する電極形状,ワーク材質の影響を理解することができる.
11週 工作法(ワイヤーカット・型彫り放電加工) 型彫り放電加工機電極の消耗量に対する電極形状,ワーク材質の影響を理解することができる.
12週 技術文書 技術文書について理解し,技術文書を正しく作成することができる.
13週 技術文書 技術文書について理解し,技術文書を正しく作成することができる.
14週 技術文書 技術文書について理解し,技術文書を正しく作成することができる.
15週 (前期末試験)
16週 (前期末試験の解答と解説)
後期
3rdQ
1週 金属材料 光学顕微鏡で標準組織を観察し,各組織の特徴を理解することができる.
2週 金属材料 熱処理に関する実験を行い,さらに硬さ試験により,組織と硬さの関係を理解することができる.
3週 金属材料 熱処理に関する実験を行い,さらに硬さ試験により,組織と硬さの関係を理解することができる.
4週 材料試験 鋳鉄・軟鋼試験片の引張り試験,ねじり試験,衝撃試験,圧縮試験を行い,レポートして結果をまとめることができる.
5週 材料試験 鋳鉄・軟鋼試験片の引張り試験,ねじり試験,衝撃試験,圧縮試験を行い,レポートして結果をまとめることができる.
6週 材料試験 鋳鉄・軟鋼試験片の引張り試験,ねじり試験,衝撃試験,圧縮試験を行い,レポートして結果をまとめることができる.
7週 機構学実験 自動工場の模型を観察し,用いられている機構について理解できる.空圧機器について理解できる.
8週 (後期中間試験)
4thQ
9週 機構学実験 各種機械要素の分類および使用方法について理解できる.
10週 機構学実験 機械要素の速度変化を変位計測および図式微分法によりグラフ化し,ポテンショメータにより計測したグラフと比較することで,機械要素の動特性および図式微分法を理解できる.
11週 マシニング マシニングの基礎であるCAD/CAMソフトを使いNC言語のプログラミング作成,製品加工を行うことができる.
12週 マシニング マシニングの基礎であるCAD/CAMソフトを使いNC言語のプログラミング作成,製品加工を行うことができる.
13週 マシニング マシニングの基礎であるCAD/CAMソフトを使いNC言語のプログラミング作成,製品加工を行うことができる.
14週 工場見学 地域の工場見学を行い,感想を書くことで,工業がどのように応用されているかを理解できる.オンラインで実施する場合もある.
15週 (学年末試験)
16週 (学年末試験の解答と解説)

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】旋盤主要部の構造と機能を説明できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7
旋盤の基本操作を習得し、外丸削り、端面削り、段付削り、ねじ切り、テ―パ削り、穴あけ、中ぐりなどの作業ができる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7
フライス盤主要部の構造と機能を説明できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7
フライス盤の基本操作を習得し、平面削りや側面削りなどの作業ができる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7
ボール盤の基本操作を習得し、穴あけなどの作業ができる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7
NC工作機械の特徴と種類、制御の原理、NCの方式、プログラミングの流れを説明できる。4前8,前9,前10
少なくとも一つのNC工作機械について、各部の名称と機能、作業の基本的な流れと操作を理解し、プログラミングと基本作業ができる。4前8,前9,前10
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。3前11,後1,後2,後3
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。3前12,後1,後2,後3
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。3前11
企業には社会的責任があることを認識している。3前11,後1,後2,後3
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。3前11,前12
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。3前12,後1,後2,後3
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。3前11,後1,後2,後3
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。3前11,前13,後1,後2,後3
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。3前11,後1,後2,後3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3後1,後2,後3
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3後1,後2,後3
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3後1,後2,後3

評価割合

レポート取組状況合計
総合評価割合7030100
基礎的能力03030
専門的能力70070