線形代数

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 線形代数
科目番号 R04M205 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 機械工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 (教科書)高遠節夫 他 「新線形代数」,「新線形代数問題集」大日本図書
担当教員 福村 浩亨

到達目標

(1) ベクトルの概念を理解し,平面図形・空間図形に応用できる.(定期試験・到達度試験・課題)
(2) 線形性の概念を理解し,行列の計算ができる.また,連立1次方程式が解ける.(定期試験・到達度試験・課題)
(3) 行列式の定義・概念を理解し,行列式の応用ができる.(定期試験・到達度試験・課題)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
目的・到達目標(1)の評価指数平面・空間ベクトルの演算を理解し,図形の性質を調べることができる.平面・空間ベクトルの基本的な計算ができる.平面・空間ベクトルの基本的な計算ができない.
目的・到達目標(2)の評価指数線形変換を行列を用いて表すことができ,回転行列・転置行列などを用いて,線形変換を表すことができる.線形変換の基本的な性質を理解している.線形変換の基本的な概念を理解できていない.
目的・到達目標(3)の評価指数行列の演算を理解して,複雑な計算ができる.また行列式を余因子展開等を利用して解くことができる.行列の基本的な計算ができ,行列式を求めることができる.行列の基本的な計算ができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (B1) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
1年次に学んだ図形の方程式,物理・工学における力,速度,加速度など大きさと向きを持つ量は,ベクトルの概念を用いて次元によらず統一的に扱うことができる.このベクトルの概念を平面および空間のベクトルについて学ぶ.さらに,行列,行列式およびその応用,線形変換までを学ぶ.また,定期試験の他に4回の到達度試験を実施することで理解を深める.
授業の進め方・方法:
黒板を用いた対面授業の手法をとる.ベクトルの概念を理解し,ベクトル上で定義される演算を計算できるようにする.また,ベクトルの概念を幾何学に導入することで,図形の性質を調べることができるようにする.さらに,ベクトルの概念の一般化となる行列の基本的な性質を理解し,行列上で定義される演算を計算できるようにする.また,行列・行列式を用いて,連立方程式,線形変換などへの応用も学ぶ.
(事前学習)
シラバスを参照し,教科書の該当ページを熟読して予習を行うこと.
注意点:
(履修上の注意)
課題ノート・課題プリントは,提出日を厳守し,必ず提出すること.

評価

(総合評価)
総合評価=(定期試験の平均点)×60%+(到達度試験の平均点)×20%+(課題の平均点)×20% 
総合評価は,到達目標の(1)~(3)の内容において,年4回の定期試験,年4回の到達度試験および課題で評価する.
なお,出席状況・授業中の態度により10%を上限として減点する場合がある.
(単位修得の条件について)
総合評価が60点以上を合格とする.
(再試験について)
総合評価が40点以上60点未満の学生に対して再試験を実施する.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 平面ベクトルの演算 ベクトルの概念を理解し,加法の計算をできるようにする.(MCC Ⅰ)
2週 平面ベクトルの内積 ベクトルの積の1つ内積を理解し計算できるようにする.(MCC Ⅰ)
3週 平面ベクトルの図形への応用 ベクトルの性質を利用して図形を調べる.(MCC Ⅰ)
4週 平面ベクトルの線形独立・線形従属 平面ベクトルの線形独立・線形従属について理解する.(MCC Ⅰ)
5週 空間ベクトルの成分 ベクトルの概念を3次元に拡張する.(MCC Ⅰ)
6週 空間ベクトルの内積 3次元ベクトルにおける積の1つとして,内積を理解する.(MCC Ⅰ)
7週 直線の方程式 直線をベクトルを用いて表記する.(MCC Ⅰ)
8週 前期中間試験 試験で理解度を確認する.
目的・到達目標(1)
2ndQ
9週 平面の方程式 平面の方程式をベクトルを利用して,求める.(MCC Ⅰ)
10週 前期中間試験の解説
球の方程式
試験で理解不足の箇所を復習する.
球の方程式をベクトルを用いて表記する.(MCC Ⅰ)
11週 空間ベクトルの線形独立・線形従属 3次元ベクトルの線形独立と線形従属を理解する.(MCC Ⅰ)
12週 行列の和・差・数との積 行列の定義を理解し,加法・減法・数との積について理解する.(MCC Ⅰ)
13週 行列の積 行列の積を計算できる.(MCC Ⅰ)
14週 転置行列・逆行列 転置行列の定義を理解する.また,逆行列の性質を理解し,求めることができる.(MCC Ⅰ)
15週 前期期末試験 試験で理解度を確認する.
目的・到達目標(1)(2)
16週 前期期末試験の解答と解説 解けなかった問題について復習する.
後期
3rdQ
1週 連立方程式と行列 連立方程式の解を行列を用いて求める.(MCC Ⅰ)
2週 行列式の定義と性質 行列式の計算ができる.(MCC Ⅰ)
3週 行列式の展開 行列式の余因子展開について理解する.(MCC Ⅰ)
4週 行列式と逆行列 行列式と逆行列の関係性について理解する.(MCC Ⅰ)
5週 連立一次方程式と行列式 複雑な連立一次方程式を行列式との関係性について理解する.(MCC Ⅰ)
6週 行列式の図形的意味 行列式の値が,ベクトルで張られる平行四辺形の面積になることを理解する.(MCC Ⅰ)
7週 演習問題 演習によって,学習内容の理解を深める.
8週 線形変換の定義 線形変換の定義を理解する.(MCC Ⅰ)
4thQ
9週 後期中間試験 試験で理解度を確認する.
目的・到達目標(2)(3)
10週 後期中間試験の解説
線形変換の基本性質
試験で理解不足の箇所を復習する.
線形変換の基本性質を理解する.(MCC Ⅰ)
11週 合成変換と逆変換 線形変換の合成と逆変換について理解する.(MCC Ⅰ)
12週 直交行列と直交変換 直交行列を理解し,直交変換に適用する.(MCC Ⅰ)
13週 固有値と固有ベクトル 固有値・固有ベクトルの定義を理解し,求めることができる.(MCC Ⅰ)
14週 行列の対角化 行列の対角化を理解し,その応用ができる.(MCC Ⅰ)
15週 後期期末試験 試験で理解度を確認する.
目的・到達目標(2)(3)
16週 後期期末試験の解答と解説 解けなかった問題について復習する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学英語英語運用の基礎となる知識聞き手に伝わるよう、句・文における基本的なリズムやイントネーション、音のつながりに配慮して、音読あるいは発話できる。3
明瞭で聞き手に伝わるような発話ができるよう、英語の発音・アクセントの規則を習得して適切に運用できる。3
英語運用能力の基礎固め日常生活や身近な話題に関して、毎分100語程度の速度ではっきりとした発音で話された内容から必要な情報を聞きとることができる。3
日常生活や身近な話題に関して、自分の意見や感想を基本的な表現を用いて英語で話すことができる。3
説明や物語などの文章を毎分100語程度の速度で聞き手に伝わるように音読ができる。3
母国以外の言語や文化を理解しようとする姿勢をもち、実際の場面で積極的にコミュニケーションを図ることができる。3
実際の場面や目的に応じて、基本的なコミュニケーション方略(ジェスチャー、アイコンタクト)を適切に用いることができる。3
英語運用能力向上のための学習自分の専門分野などの予備知識のある内容や関心のある事柄に関する報告や対話などを毎分120語程度の速度で聞いて、概要を把握し、情報を聞き取ることができる。3
英語でのディスカッション(必要に応じてディベート)を想定して、教室内でのやり取りや教室外での日常的な質問や応答などができる。3
英語でディスカッション(必要に応じてディベート)を行うため、学生自ら準備活動や情報収集を行い、主体的な態度で行動できる。3
母国以外の言語や文化を理解しようとする姿勢をもち、教室内外で英語で円滑なコミュニケーションをとることができる。3
関心のあるトピックについて、200語程度の文章をパラグラフライティングなど論理的文章の構成に留意して書くことができる。3
関心のあるトピックや自分の専門分野のプレゼン等にもつながる平易な英語での口頭発表や、内容に関する簡単な質問や応答などのやりとりができる。3
英文資料を、自分の専門分野に関する論文の英文アブストラクトや口頭発表用の資料等の作成にもつながるよう、英文テクニカルライティングにおける基礎的な語彙や表現を使って書くことができる。3
実際の場面や目的に応じて、効果的なコミュニケーション方略(ジェスチャー、アイコンタクト、代用表現、聞き返しなど)を適切に用いることができる。3
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3

評価割合

定期試験到達度試験課題合計
総合評価割合602020100
基礎的能力602020100