材料力学Ⅰ

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 材料力学Ⅰ
科目番号 R04M314 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 (教科書)中島正貴,「材料力学(改訂版)」,コロナ社/(参考図書)小山信次・鈴木幸三,「はじめての材料力学」,森北出版
担当教員 坂本 裕紀

到達目標

(1) 材料力学の基本となる引張圧縮およびせん断について,応力や変形を計算することが出来る.(定期試験と課題)
(2) ひずみエネルギ,二軸応力について理解し,それらの計算が出来る.(定期試験と課題)
(3) 動力伝達軸,薄肉管のねじりを理解し,応力計算が出来る.(定期試験と課題)
(4) はりのせん断力,曲げモーメントを理解し,各種断面ばりの曲げ応力の計算が出来る.(定期試験と課題)
(5) 演習問題を通して理解を深めるとともに,自主的かつ継続的な学習が出来る.(課題)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1材料力学の基本となる引張圧縮およびせん断について,応力や変形に関する不静定問題を解くことが出来る.材料力学の基本となる引張圧縮およびせん断について,応力や変形を計算することが出来る.材料力学の基本となる引張圧縮およびせん断について,応力や変形を計算することが出来ない.
評価項目2ひずみエネルギ,二軸応力について理解し,薄肉容器の設計が出来る.ひずみエネルギ,二軸応力について理解し,それらの計算が出来る.ひずみエネルギ,二軸応力について理解出来ない.
評価項目3動力伝達軸,薄肉管のねじりを理解し,不静定問題を解くことが出来る.動力伝達軸,薄肉管のねじりを理解し,応力計算が出来る.動力伝達軸,薄肉管のねじりを理解出来ない.
評価項目4はりのせん断力,曲げモーメントを理解し,SFDとBMDを描き,さらに各種断面ばりの曲げ応力の計算が出来る.はりのせん断力,曲げモーメントを理解し,各種断面ばりの曲げ応力の計算が出来る.はりのせん断力,曲げモーメントを理解出来ない.
評価項目5 演習問題を通して理解を深めるとともに,大学編入学問題を解くなど,自主的かつ継続的な学習が出来る. 演習問題を通して理解を深めるとともに,自主的かつ継続的な学習が出来る. 演習問題を通して理解を深めることが出来ない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (B2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械や構造物の設計においては,それらの構造要素がどれだけ荷重に対して安全に耐えうるか,あるいは荷重を受けたときにどのような変形をするかを知ることが極めて重要である.
材料力学とは「使用される材料と種々の構造要素に関する強度,変形および安定性をどのようにして把握するのか」を学ぶための基礎的な学問であり,材料力学Ⅰではその入門的内容を理解し,基礎学力とこれらに基づく計算力を身につけることを目指す.
(科目情報)
関連科目:工学基礎,材料力学Ⅱ,材料力学演習
授業の進め方・方法:
到達目標の(1)~(5)について,4 回の試験と課題で評価する.
前半を講義,後半を課題とする.
主に教科書や過去の課題を解いて理解を深める.
授業は必ず電卓を持参し,問題は自身で解いてノートにまとめること.
(事前学習)
教科書を用い,キーワードとなる単語を確認しておくこと.
注意点:
(履修上の注意)
講義中に演習を課すことにより,学んだことを再確認し理解を深める.
(自学上の注意)
課題は自力で解いて力をつけること.

評価

(総合評価)
総合評価=0.8×(4 回の定期試験の平均)+0.2×(課題点)
(単位修得の条件について)
総合評価が 60 点以上を合格とする.
(再試験について)
再試験は総合評価が60点に満たない者に対して実施する.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.引張り,圧縮,せん断‐その1
(1)緒言
荷重の種類および荷重による材料の変形を説明できる.(MCC Ⅴ-A-3)
2週 (2)内力と応力 内力を理解し,応力の説明と計算ができる.
許容応力と安全率を説明できる.(MCC Ⅴ-A-3)
3週 (3)弾性とひずみ ひずみの説明と計算ができる.
フックの法則を理解し,弾性係数を説明できる.(MCC Ⅴ-A-3)
4週 (4)引張と圧縮における不静定問題1 両端固定棒の不静定問題について,応力を計算できる.(MCC Ⅴ-A-3)
5週 (5)引張と圧縮における不静定問題2 組合せ棒などの不静定問題について,応力を計算できる.(MCC Ⅴ-A-3)
6週 2.引張り,圧縮,せん断‐その2
(1)断面の位置による応力の変化
断面が変化する棒について,応力と伸びを計算できる.(MCC Ⅴ-A-3)
7週 (2)応力‐ひずみ線図と使用応力 応力-ひずみ線図を説明できる.(MCC Ⅴ-A-3)
8週 前期中間試験 目的・到達目標(1)
2ndQ
9週 (3)熱応力 線膨張係数の意味を理解し,熱応力を計算できる.(MCC Ⅴ-A-3)
10週 (4)引張圧縮におけるひずみエネルギー 部材が引張や圧縮を受ける場合のひずみエネルギーを計算できる.(MCC Ⅴ-A-3)
11週 (5)自重による応力と,引張圧縮部材の応力集中 棒の自重よって生じる応力とひずみを計算できる.
応力集中の説明ができる.(MCC Ⅴ-A-3)
12週 3.二軸の引張と圧縮
(1)薄肉圧力容器の応力
薄肉圧力容器の応力を計算できる.(MCC Ⅴ-A-3)
13週 (2)二軸応力の解析とモールの応力円 二軸応力の任意断面の応力を計算できる.(MCC Ⅴ-A-3)
14週 (3)純粋せん断 純粋せん断の応力状態を理解する.(MCC Ⅴ-A-3)
15週 前期期末試験 目的・到達目標(2)
16週 前期期末試験の解答と解説 分からなかった部分を把握し理解できる.
後期
3rdQ
1週 4.ねじり
(1)丸軸のねじり
軸のねじり剛性の意味を理解し,軸のねじれ角を計算できる.
丸棒および中空丸棒について,断面二次極モーメントと極断面係数を計算できる.(MCC Ⅴ-A-3)
2週 (2)密巻きコイルばね コイルばねの応力と変形を計算できる.(MCC Ⅴ-A-3)
3週 (3)せん断とねじりのひずみエネルギ ねじりのひずみエネルギを計算できる.(MCC Ⅴ-A-3)
4週 (4)薄肉管のねじり 薄肉管のねじりについて理解する.(MCC Ⅴ-A-3)
5週 (5)長方形その他種々断面の軸 各種断面軸のねじりについて理解する.(MCC Ⅴ-A-3)
6週 5.はりにおける応力
(1)はりの基礎と反力1
はりの種類および集中荷重と等分布荷重について理解する.(MCC Ⅴ-A-3)
7週 (2)はりの基礎と反力2 各種はりの支持反力が計算できる.(MCC Ⅴ-A-3)
8週 後期中間試験 目的・到達目標(3)
4thQ
9週 後期中間試験の解答と解説
(3)せん断力と曲げモーメント
せん断力と曲げモーメントを理解する.(MCC Ⅴ-A-3)
10週 (4)SFDとBMD1 基礎的な各種はりのSFDとBMDを理解する.(MCC Ⅴ-A-3)
11週 (5)SFDとBMD2 応用的な各種はりのSFDとBMDを理解する.(MCC Ⅴ-A-3)
12週 (6)はりにおける曲げ応力1 基礎的なはりに働く曲げ応力を計算できる.(MCC Ⅴ-A-3)
13週 (7)はりにおける曲げ応力2 複雑なはりに働く曲げ応力を計算できる.(MCC Ⅴ-A-3)
14週 (8)はりの断面の種々な形状 各種断面の曲げ応力を計算できる.(MCC Ⅴ-A-3)
15週 後期期末試験 目的・到達目標(4)
16週 後期期末試験の解答と解説 分からなかった部分を把握し理解できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。4前1
応力とひずみを説明できる。4前2
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。4前3
許容応力と安全率を説明できる。4前2
両端固定棒や組合せ棒などの不静定問題について、応力を計算できる。4前4,前5
線膨張係数の意味を理解し、熱応力を計算できる。4前9
引張荷重や圧縮荷重が作用する棒の応力や変形を計算できる。4前2
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。4後1
丸棒および中空丸棒について、断面二次極モーメントと極断面係数を計算できる。4後1
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。4後1
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。4後6
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。4後7
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。4後9
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。4後10,後11
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。4後12,後13,後14
部材が引張や圧縮を受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。4前10

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力201030
専門的能力601070
分野横断的能力000