機械設計法Ⅱ

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 機械設計法Ⅱ
科目番号 R04M417 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 4
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 塚田・他3名,「機械設計法 第3版」,森北出版
担当教員 尾形 公一郎,徳丸 和樹

到達目標

機械設計分野は,使用目的に応じて材料を選定し,機械要素の寸法を理論と実際の両面から決定できることを目標とする.
機械設計法Ⅱの講義と自主的・継続的な学習を通して,各種機械要素の適用方法や設計方法,製品原価やコストに関する知識を身に付けることを目指す.
(1) 軸や軸継手の種類と用途を理解し,軸の強度・剛性・危険速度・キー・軸継手の強度設計ができる.(定期試験と課題)
(2) 転がり軸受と滑り軸受の構造や種類を理解し,強度計算や寿命計算ができる.(定期試験と課題)
(3) 歯車の種類,歯型曲線,平歯車の各部名称と歯の大きさ,平歯車の速度伝達比,かみあい率,すべり率,歯の切下げ,最小歯数,転位歯車を理解し,説明できる.(定期試験と課題)
(4) 歯車の損傷について理解し,曲げ強さや歯面強さの強度計算ができる.歯車の寸法・設計と歯車列の速度伝達比計算ができる.(定期試験と課題)
(5) ベルト・チェーン・クラッチの種類と用途を理解し,これらの機械要素の選定や設計計算ができる.(定期試験と課題)
(6) ブレーキ,つめ車の種類と用途や設計方法を理解できる.(定期試験と課題)
(7)製品の設計・製造で必要となる原価やコストを理解し,原価計算やコスト計算ができる(定期試験と課題)
(8) 機械設計の理解を深めるために,自主的・継続的に課題学習ができる.(課題)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 軸・軸継手軸や軸継手の種類と用途を理解し,軸の強度・剛性・危険速度・キー・軸継手の強度設計法を身に付け,応用することができる.軸や軸継手の種類と用途を理解し,軸の強度・剛性・危険速度・キー・軸継手の強度設計法を身に付けることができる.軸や軸継手の種類と用途を理解し,軸の強度・剛性・危険速度・キー・軸継手の強度設計法を身に付けることができない.
評価項目2 軸受転がり軸受と滑り軸受の構造や種類を理解し,強度計算や寿命計算法を身に付け,応用することができる.転がり軸受と滑り軸受の構造や種類を理解し,強度計算や寿命計算法を身に付けることができる.転がり軸受と滑り軸受の構造や種類を理解し,強度計算や寿命計算法を身に付けることができない.
評価項目3 歯車歯車の種類,歯型曲線,平歯車の各部名称と歯の大きさ,平歯車の速度伝達比,かみあい率,すべり率,歯の切下げ,最小歯数,転位歯車を理解し,説明できる.歯車の種類,歯型曲線,平歯車の各部名称と歯の大きさ,平歯車の速度伝達比,かみあい率,すべり率,歯の切下げ,最小歯数,転位歯車を理解できる.歯車の種類,歯型曲線,平歯車の各部名称と歯の大きさ,平歯車の速度伝達比,かみあい率,すべり率,歯の切下げ,最小歯数,転位歯車を理解できない.
評価項目4 歯車歯車の損傷について理解し,曲げ強さや歯面強さの強度計算および歯車の寸法・設計と歯車列の速度伝達比計算法を身に付け,応用することができる.歯車の損傷について理解し,曲げ強さや歯面強さの強度計算および歯車の寸法・設計と歯車列の速度伝達比計算法を身に付けることができる.歯車の損傷について理解し,曲げ強さや歯面強さの強度計算および歯車の寸法・設計と歯車列の速度伝達比計算法を身に付けることができない.
評価項目5 ベルト,チェーン,クラッチベルト・チェーン・クラッチの種類と用途を理解し,これらの機械要素の選定や設計計算法を身に付け,応用することができる.ベルト・チェーン・クラッチの種類と用途を理解し,これらの機械要素の選定や設計計算法を身に付けることができる.ベルト・チェーン・クラッチの種類と用途を理解し,これらの機械要素の選定や設計計算法を身に付けることができない.
評価項目6 ブレーキ,つめ車ブレーキ,つめ車の種類と用途や設計方法を理解し,説明できる.ブレーキ,つめ車の種類と用途や設計方法を理解できる.ブレーキ,つめ車の種類と用途や設計方法を理解できない.
評価項目7 原価とコスト製品の原価やコストの概念を理解し,原価計算,コスト計算ができる.製品の原価やコストの概念を理解できる.製品の原価やコストの概念を理解できない.
評価項目8 自主的・継続的な学習機械設計の理解を深めるために,自主的・継続的に課題学習を行い,早期に課題解決ができる.機械設計の理解を深めるために,自主的・継続的に課題学習ができる.機械設計の理解を深めるために,自主的・継続的に課題学習ができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (B2) 説明 閉じる
JABEE 1.2(d)(1) 説明 閉じる
JABEE 1.2(g) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械・装置等を安全かつ合理的・経済的に設計できる基礎能力を養うことは重要である.本講義では,3年生で学んだ機械設計法Ⅰに続いて,軸・軸継手,軸受,歯車,ベルト・チェーン,クラッチ・ブレーキ・つめ車などの機械要素の機能,適用方法,設計方法を講義と課題を通して学ぶ.加えて,製品の設計・製造で必要となる原価計算やコスト計算ができる知識も修得する.
(科目情報)
教育プログラム 第1学年 ◎科目
関連科目 機械設計法Ⅰ,機構学,機械数学,設計製図Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ
授業の進め方・方法:
(授業の進め方)
基本的には,各授業の前半部分で授業内容についての説明,後半部分で演習や課題を行うスタイルを取る.
(事前学習)
・本科目は学修単位科目であり,事前・事後の学習が必要である.
・授業前に各自で教科書の内容を読むなど,授業内容の予習を行うこと.
注意点:
(履修上の注意)
本科目は学修単位であり,4単位の修得には授業時間外の学修等とあわせて180単位時間の学修が必要な科目である.本科目では授業時間外の学修として課題を課す.
・教科書・電卓・ノートを必ず持参すること.機械製図,機械設計法Ⅰ,工業力学,材料力学,材料学,機構学などの内容を理解しておくこと.
・確認シートや課題などの配布資料はファイリングして整理すること.
(自学上の注意)
・本科目は学修単位科目であり,事前・事後の学習が必要である.
・授業後に各自で復習ができるように,授業中は確認シートやノートに要点を纏めること.
・授業後は演習や課題を自力で解くこと.また,不明な点は担当教員やクラスメートに質問をして理解を深めること.

評価

(総合評価)
到達目標の(1)~(8)について,4回の定期試験と課題で評価する.
・総合評価=0.8×(4回の定期試験の平均)+0.2×(課題)
(単位修得の条件について)
・課題の提出が60%以上でかつ総合評価が60点以上を合格とする.
(再試験について)
・再試験は総合評価が60点未満の者に対して実施する.
・再試験受験資格は,全課題を提出して合格し,かつ,全ての定期試験を復習したレポートを事前提出した者とする.
・ただし,正当な理由なく定期試験を欠席した者には再試験は行わない.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 原価とコスト
軸の種類と用途
製品の原価やコストの概念を理解し,原価計算とコスト計算ができる.
軸の種類と用途を理解し,適用できる.
2週 軸の強度設計 ねじり,曲げを受ける軸の強度設計を理解し,計算できる.
3週 軸の剛性設計 軸のねじり剛性と曲げ剛性の強度設計を理解し,計算できる.
4週 軸の危険速度 軸の危険速度の設計を理解し,計算できる.
5週 軸と回転体の締結 キー・スプライン・セレーションの種類と用途,キーの強度設計を理解し,計算できる.
6週 軸継手 軸継手の種類と用途を理解できし,適用る.
7週 軸・軸継手のまとめ 軸・軸継手の適用,応用問題を理解し,計算できる.
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 前期中間試験の解答と解説
軸受の種類,転がり軸受
定期試験の分からなかった部分を把握し理解する.
軸受の種類と特徴,転がり軸受の構造や種類,予備番号を理解し,説明できる.
10週 転がり軸受 転がり軸受の寿命を理解し,計算できる.
11週 転がり軸受 転がり軸受の寿命計算,転がり軸受の使い方を理解し,計算できる.
12週 滑り軸受 滑り軸受の構造や種類を理解し,説明できる.
滑り軸受の強度設計を理解し,計算できる.
13週 滑り軸受 滑り軸受の強度設計を理解し,計算できる.
14週 軸受のまとめ 転がり軸受,滑り軸受の適用,応用問題を理解し,計算できる.
15週 前期期末試験
16週 前期期末試験の解答と解説 定期試験の分からなかった部分を把握し理解する.
後期
3rdQ
1週 歯車 歯車の種類,歯型曲線,平歯車の各部名称と歯の大きさを理解し,説明できる.
2週 歯車 平歯車の速度伝達比,かみあい率,すべり率を理解し,説明できる.
3週 歯車 歯の切下げ,最小歯数,転位歯車を理解し,説明できる.
4週 歯車 歯車の損傷,曲げ強さの強度設計を理解し,計算できる.
5週 歯車 歯車の損傷,歯面強さの強度設計を理解し,計算できる.
6週 歯車 歯車の寸法・設計と歯車列の速度伝達比を理解し,計算できる.
7週 歯車のまとめ 歯車の適用,応用問題を理解し,計算できる.
8週 後期中間試験
4thQ
9週 後期中間試験の解答と解説
ベルト伝動
定期試験の分からなかった部分を把握し理解する.
ベルト伝動の種類,用途を理解し,説明できる.
10週 ベルト伝動 ベルト伝動の設計方法を理解し,計算できる.
11週 チェーン伝動 チェーン伝動の設計方法を理解し,計算できる.
12週 クラッチ クラッチの種類,設計方法を理解し,計算できる.
13週 ブレーキ ブレーキの種類,設計方法を理解できる.
14週 つめ車 つめ車の用途,設計方法を理解できる.
15週 学年末試験
16週 学年末試験の解答と解説 定期試験の分からなかった部分を把握し理解する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野機械設計軸の種類と用途を理解し、適用できる。4前1
軸の強度、変形、危険速度を計算できる。4前2,前3,前4,前5
キーの強度を計算できる。4前5
軸継手の種類と用途を理解し、適用できる。4前6
滑り軸受の構造と種類を説明できる。4前12,前13
転がり軸受の構造、種類、寿命を説明できる。4前9,前10,前11
歯車の種類、各部の名称、歯型曲線、歯の大きさの表し方を説明できる。4後1
すべり率、歯の切下げ、かみあい率を説明できる。4後2,後3
標準平歯車と転位歯車の違いを説明できる。4後3
標準平歯車について、歯の曲げ強さおよび歯面強さを計算できる。4後4,後5
歯車列の速度伝達比を計算できる。4後6

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000