制御工学Ⅱ

科目基礎情報

学校	大分工業高等専門学校	開講年度	令和04年度 (2022年度)
授業科目	制御工学Ⅱ
科目番号	R04M524	科目区分	専門 / 選択
授業形態	授業	単位の種別と単位数	履修単位: 1
開設学科	機械工学科	対象学年	5
開設期	後期	週時間数	2
教科書/教材	豊橋技術科学大学高等専門学校制御工学教育連携プロジェクト，制御工学―技術者のための、理論・設計から実装まで，実教出版
担当教員	中野 壽彦

到達目標

(1) フィードバック制御の構成と特性について，理論的に理解する（定期試験と課題）
(2) システムの時間応答（過渡応答，定常応答）の導出について理解する．
(3) 閉ループ系に基づいた制御系の設計について理解する（定期試験と課題）
(4) 周波数応答に基づいた安定性評価の方法について理解する．（定期試験と課題）
(5) 開ループ系に基づいた制御系の設計方法について理解する．（定期試験と課題）
(6) 演習問題によって自主的・継続的な学習を十分に行うことができる（課題）

ルーブリック

	理想的な到達レベルの目安	標準的な到達レベルの目安	未到達レベルの目安
目的・到達目標(1)の評価指標	フィードバック制御系の構成とその特性について，理論的な観点から十分に理解し，正確に説明できる．	フィードバック制御系の構成とその特性について，理論的な観点から基本的な部分に理解し，おおよそ説明できる．	フィードバック制御系の構成とその特性について，理論的から理解できず，正確に説明できない．
目的・到達目標(2)の評価指標	システムの時間応答（過渡応答，定常応答）の導出について十分に理解し，様々なシステムの時間応答の評価を行うことができる．	システムの時間応答（過渡応答，定常応答）の導出についての基本を理解し，基本的なシステムの時間応答の評価を行うことができる．	システムの時間応答（過渡応答，定常応答）の導出について理解できず，システムの時間応答の評価を行うことができない．
目的・到達目標(3)の評価指標	閉ループ系の応答特性に基づいた制御系の設計方法について十分に理解し，適切な制御系を正確に設計することができる．	閉ループ系の応答特性に基づいた制御系の設計方法について基本を理解し，基本的なシステムに対して制御系を設計することができる．	閉ループ系の応答特性に基づいた制御系の設計方法について理解できず，制御系を設計することができない．
目的・到達目標(4)の評価指標	ナイキストの安定判別と安定余裕について十分に理解し，様々なシステムに対して安定性を評価できる．	ナイキストの安定判別と安定余裕について基本を理解し，基本的なシステムに対して安定性を評価できる．	ナイキストの安定判別と安定余裕について理解できず，システムに対して安定性を評価できない．
目的・到達目標(5)の評価指標	ループ整形法に基づいた制御系の設計について十分に理解し，適切な制御系を設計することができる．	ループ整形法に基づいた制御系の設計について基本を理解し，基本的なシステムに対して適切な制御系を設計することができる．	ループ整形法に基づいた制御系の設計について理解できず，適切な制御系を設計することができない．
目的・到達目標(6)の評価指標	演習問題によって自主的・継続的な学習を十分に行い，授業について十分深く理解することができる．	演習問題によって自主的・継続的な学習を最低限行い，授業について最低限理解することができる．	演習問題によって自主的・継続的な学習を行うことができず，授業について理解することができない．

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (B2) （情報技術、専門工学の基礎を身につける）

JABEE 1.2(d)(1) （分野別要件－専門工学（工学（融合複合・新領域）における専門工学の内容は申請高等教育機関が規定するものとする）の知識と能力）

教育方法等

概要:

制御工学Ⅰで学習した内容を踏まえて，古典制御理論をより理解するための講義を行う．ナイキスト安定判別法と安定余裕，フィードバック制御系の特性評価（過渡特性，定常特性），制御系の設計方法（極配置，位相進み遅れ補償器，PID制御）を学ぶ．制御工学Ⅰと本講義を通じて，古典制御理論の基礎知識を習得できる。

（科目情報）
教育プログラム第２学年　〇科目

授業の進め方・方法:

黒板あるいはプロジェクター投影による板書での講義形式を基本とする．受講状況によってはゼミ形式での授業を行うこともある．数値シミュレーションの実演を適宜見せながら進める．記入用のプリントや補足資料を適宜配布する．1～2回程度，レポート課題を出す．レポート課題や練習問題はMoodleを用いて配布・回収をする．
（事前学習）
制御工学Ⅰの内容を前提とするため，よく復習しておくこと．

注意点:

（履修上の注意）
講義中であっても，分からない箇所は適宜質問すること．配布プリントを無くさないようにすること．
（自学上の注意）
レポート課題や適宜配布する練習問題にしっかり取り組むことを期待する．

評価

(総合評価)
総合評価＝（ 定期試験の平均×0.8 ）+ ( 課題の平均×0.2 )とする．
(単位修得の条件)
総合評価が60点以上の場合に合格とする．
(再試験について)
再試験は、総合評価が60点未満で、課題を全て提出したものに対して実施する．

授業の属性・履修上の区分

ICT 利用

遠隔授業対応

授業計画

		週	授業内容	週ごとの到達目標
後期
	3rdQ
		1週	制御工学Ⅰの復習	フィードバック制御の概念，伝達関数，過渡応答，周波数応答，安定性など，4年の自動制御で学んだ内容を復習する．
		2週	フィードバック制御系の構成と考え方（１）	フィードバック制御系の基本構成，感度関数と相補感度関数について学び，フィードバック制御の効果について理解する．
		3週	フィードバック制御系の構成と考え方（２）	フィードバック制御系の基本構成，感度関数と相補感度関数について学び，フィードバック制御の効果について理解する．
		4週	フィードバック制御系の特性の評価(1)	フィードバック制御系の過渡特性・定常特性の評価の方法と導出について理解する．
		5週	フィードバック制御系の特性の評価(2)	フィードバック制御系の過渡特性・定常特性の評価の方法と導出について理解する．
		6週	閉ループ系に基づいた制御系設計(1)	極配置・PID制御による制御系の設計について理解する．
		7週	閉ループ系に基づいた制御系設計(2)	極配置・PID制御による制御系の設計について理解する．
		8週	周波数応答に基づいた安定性解析(1)	ナイキストの安定判別と，安定余裕について理解する．
	4thQ
		9週	前期中間試験
		10週	前期中間試験の解答と解説 周波数応答に基づいた安定性解析(2)	分からなかった部分について理解できる ナイキストの安定判別と，安定余裕について理解する．
		11週	周波数応答に基づいた安定性解析(3)	ナイキストの安定判別と，安定余裕について理解する．
		12週	開ループ系に基づいた制御系設計(1)	ループ整形法（位相進み・遅れ補償器）による制御系の設計方法について理解する．
		13週	開ループ系に基づいた制御系設計(2)	ループ整形法（位相進み・遅れ補償器）による制御系の設計方法について理解する．
		14週	開ループ系に基づいた制御系設計(3)	PID制御をループ整形法の観点から理解する．
		15週	前期期末試験
		16週	前期期末試験の解答と解説	分からなかった部分について理解できる

評価割合

	試験	課題	合計
総合評価割合	80	20	100
基礎的能力	20	10	30
専門的能力	60	10	70
分野横断的能力	0	0	0