応用物理Ⅰ

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 応用物理Ⅰ
科目番号 R05M311 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 (教科書)改訂版「総合物理2(波・電気と磁気・原子)」
(参考図書)数研出版「リードα物理基礎・物理」
担当教員 上杉 美穂子

到達目標

(1) 電気と電界の関わる現象について,「場」の考え方を理解し基本的な現象を理解することができる.(定期試験と課題)
(2) 磁気と磁界の関わる現象について,「場」の考え方を理解し基本的な現象を理解することができる.(定期試験と課題)
(3) 実験を通して,教科書で習ったことをより深く理解し,実験レポートの書き方を身につける.(実験レポート)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標(1)の評価指標電界を通じて場の考え方が理解でき,様々な現象について計算ができる.電界について力の法則やエネルギーの法則を通じて場の考え方が理解できる.電界などの場の概念と,法則が理解できない.
到達目標(2)の評価指標磁界や電磁誘導など,力やエネルギーの法則を通じて場の考え方が理解でき,様々な現象について計算ができる.磁界や電磁誘導など,力の法則 やエネルギーの法則を通じて場の 考え方が理解できる.磁界などの場の概念と,法則が理解できない.
到達目標(3)の評価指標実験を通して,教科書で習ったことをより深く理解し,実験レポートの書き方を身につけられ,実験以外の物理現象と関連を付けることができる.実験を通して,教科書で習ったこ とをより深く理解し,実験レポー トの書き方が身につけられる.実験を行っても,教科書で習った ことが理解できず,実験レポート がうまく書けない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (B1) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
物理学の基礎である電磁気学を学習する.電気と磁気の性質を理解する.さらに,電気と磁気が一見別のものに見えるが,電磁気としてまとめられることを理解する.後期には応用物理実験を行い,電磁気だけでなくこれまでに学習した物理現象のいくつかを実験によって実際に確かめ,理解を深める.また,報告書の書き方を修得する.
授業の進め方・方法:
電気と磁気について学習し,授業中に重要事項を説明し問題集の問題を解くことにより,理解を深めさせる.後期の初めには応用物理実験を行い実験レポートを書くことにより,実験レポートの書き方を習得,科学レポートの基礎を身につける.
(事前学習)
応用物理実験は,必ず事前に実験書に目を通し予習してから挑むこと.
注意点:
(履修上の注意)
教科書だけではどうしても理解が深まらないので,問題集の問題を適宜解く.予習,復習を行うこと.
実験レポートは,不適切なのものは書き直してもらい,実験レポートが不備がなければ合格とする.実験レポート3回のうち2回以上不合格のまま点検期間を過ぎた場合は未修得とする.
(自学上の注意)
問題集専用ノートをつくり,自ら進んで問題を解く.

評価

(総合評価)
総合評価=(定期試験の平均点)×0.65+(応物実験レポート+課題点)×0.35
(単位修得の条件について)
総合評価が60 点以上を合格とする.
(再試験について)
再試験は総合評価が60点に満たないものに対して年度末の再試験期間に1回のみ実施するが,応物実験レポートが2回以上合格している事を,受験資格の条件とする.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 静電気力 電気のもとである電荷の存在を知り,電荷間に作用するクーロン力を理解できる.
2週 静電気力 電気のもとである電荷の存在を知り,電荷間に作用するクーロン力を理解できる.
3週 電場と電位の性質 電場を定義し場の考え方を身につけることができる.
4週 電場と電位の性質 電位によって位置エネルギーの概念を再確認できる.
5週 電場と電位の性質 物質中の電場や電位について考え方を身につけることができる.
6週 コンデンサーの性質 電気容量の概念を身につけ簡単な計算問題が解くことができる.
7週 コンデンサーの性質 電気容量の概念を身につけ簡単な計算問題が解くことができる.
8週 前期中間試験 到達目標(1)
2ndQ
9週 前期中間試験の解答と解説 わからなかった部分を把握し理解できる.
10週 オームの法則 電流が電荷の流れであることを理解し,妨げるものとしての抵抗を確認する.オームの法則を理解できる.
11週 直流回路 抵抗の直列接続,並列接続における合成抵抗が計算できる.
12週 直流回路 キルヒホッフの法則を理解できる.
13週 直流回路 コンデンサーを含む簡単な直流回路の計算ができる.
14週 半導体と半導体素子 半導体となる物質にどのようなものがあるか,そして素子としてのダイオードとトランジスタを理解できる.(MCC II-A)
15週 前期末試験 到達目標(1)
16週 前期末試験の解答と解説 わからなかった部分を把握し理解できる.
後期
3rdQ
1週 応用物理実験の説明 実験の方法を理解し,誤差計算ができる.
2週 実験第一回 直線電流による磁界,比電荷の測定,コンデンサー,ニュ ートン環,ボルダの振り子,光の波長測定から1テ ーマを行う.
3週 実験第二回 直線電流による磁界,比電荷の測定,コンデンサー,ニュ ートン環,ボルダの振り子,光の波長測定から1テ ーマを行う.
4週 実験第三回 直線電流による磁界,比電荷の測定,コンデンサー,ニュ ートン環,ボルダの振り子,光の波長測定から1テ ーマを行う.
5週 磁気力 磁石の周りの磁界と,その間にはたらく力を理解できる.
6週 電流のつくる磁場 電流の周りに磁界が発生することを理解できる.
7週 電流のつくる磁場 電流の周りに磁界が発生することを理解できる.
8週 電流が磁界から受ける力 さまざまな形の電流が磁界から受ける力を理解できる.
4thQ
9週 電流が磁界から受ける力 さまざまな形の電流が磁界から受ける力を理解できる.
10週 ローレンツ力 磁場中で荷電粒子が受けるローレンツ力を理解できる.
11週 電磁誘導 磁界の変化によって電流が発生することを理解できる.
12週 電磁誘導 磁界の変化によって電流が発生することを理解できる.
13週 自己誘導と相互誘導 コイルに発生する磁界が電流に及ぼす影響を理解できる.
14週 自己誘導と相互誘導 コイルに発生する磁界が電流に及ぼす影響を理解できる.
15週 後期末試験 到達目標(2)
16週 後期末試験の解答と解説 わからなかった部分を把握し理解できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学2次元のデータを整理して散布図を作成し、相関係数・回帰直線を求めることができる。3後1
自然科学物理電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。3前1
電場・電位について説明できる。3前3,前4,前5
クーロンの法則が説明できる。3前2
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。3前2
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3前10
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3前11,前12,前13
ジュール熱や電力を求めることができる。3前13
物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。3後1
安全を確保して、実験を行うことができる。3後1
実験報告書を決められた形式で作成できる。3後1
有効数字を考慮して、データを集計することができる。3後1
力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3後2,後3,後4
熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3後2,後3,後4
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3後2,後3,後4
電磁気に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3後2,後3,後4
電子・原子に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3後2,後3,後4
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3後1
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3後1
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3後1
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3後1
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3後1
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3後1
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3後1
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3後1
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3後1
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3後1
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3後1

評価割合

定期試験応物実験レポート+課題点合計
総合評価割合6535100
基礎的能力6535100
専門的能力000
分野横断的能力000