機構学

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 機構学
科目番号 R05M317 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 (教科書)稲田重雄,森田鈞,長瀬亮,原田孝 共著,「大学課程 機構学 改訂2版」,オーム社.
担当教員 軽部 周

到達目標

(1) 機械を構成する要素の種類および役割を説明できる.(定期試験と課題)
(2) 瞬間中心の考え方を理解し,機構の速度・加速度の導出方法がわかる.(定期試験と課題)
(3) 図式微分法を用いて速度・加速度を求めることができる.(定期試験と課題)
(4) 様々なリンク機構の動きを理解し,速度・加速度を求めることができる.(定期試験と課題)
(5) カム・摩擦伝動について理解し,基礎的な計算ができる.(定期試験と課題)
(6) 歯車について理解し,歯車列に関する基礎的な計算ができる.(定期試験と課題)
(7) 演習問題を通して理解を深めるとともに,継続的な学習ができる.(課題)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標(1)の評価指標機械を構成する要素の種類および役割について理解し,新しい機械装置を構築することができる.機械を構成する要素の種類および役割を説明することができる.機械を構成する要素の種類および役割を説明できない.
到達目標(2)の評価指標瞬間中心の考え方を理解し,機構の速度・加速度を計算し,設計に適用できる.瞬間中心の考え方を理解し,機構の速度・加速度を計算することができる.瞬間中心の考え方を理解し,機構の速度・加速度を計算することができない.
到達目標(3)の評価指標図式微分法を用いて速度・加速度を求めることができ,設計に適用できる.図式微分法を用いて速度・加速度を求めることができる.図式微分法を用いて速度・加速度を求めることができない.
到達目標(4)の評価指標 様々なリンク機構の動きを理解し,速度・加速度を求めることができ,設計に適用できる. 様々なリンク機構の動きを理解し,速度・加速度を求めることができる. 様々なリンク機構の動きを理解し,速度・加速度を求めることができない.
到達目標(5)の評価指標カム・摩擦伝動について理解し,適切な設計をすることができる.カム・摩擦伝動について理解し,基礎的な計算ができる.カム・摩擦伝動について理解し,基礎的な計算をすることができない.
到達目標(6)の評価指標歯車について理解し,歯車列を用いた適切な設計をすることができる.歯車について理解し,歯車列に関する基礎的な計算ができる.歯車について理解し,歯車列に関する基礎的な計算をすることができない.
到達目標(7)の評価指標演習問題を通して理解を深め,身の回りにある機構に応用するなど,具体的かつ継続的な学習をすることができる.演習問題を通して理解を深めるとともに,継続的な学習をすることができる.演習問題を通して理解を深めること,継続的な学習をすることができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (B2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械を構成する機械要素の種類・動作について体系的に学び,機械設計を行うための基礎力を養う.講義前半では,機構の速度・加速度の導出法など,機構解析の基礎について数学・図学を用いて学ぶ.講義後半では,リンク,カム,摩擦伝動装置,歯車の設計法・実用例について学ぶ.以上より,数学・図学を駆使した機構解析の手法を身につける.

関連科目 機械製図Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ,設計製図Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ,機械設計法Ⅰ・Ⅱ,計測工学,機械数学
授業の進め方・方法:
授業は教科書に沿って行う.作図が必要な問題に関しては適宜プリントを配布し,作図をしながら理解できるようにする.
(事前学習)
教科書の該当する箇所を予習しておくこと.
注意点:
(履修上の注意)
分からない箇所は適宜質問すること.作図による機構解析を行うため,三角定規,コンパス,電卓を用意すること.
(自学上の注意)
継続的な学習に取り組むと共に,授業で配布する課題を自力で解けるよう努めること.

評価

(総合評価)
総合評価 = (4回の定期試験の平均点)× 0.8 + (レポート・課題の平均点)× 0.2
(単位修得の条件について)
総合評価60点以上を単位修得の条件とする.
(再試験について)
総合評価60点未満の者に対して実施する.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 機械の定義を説明できる.実際の機械とスケルトンの関係を理解できる.
2週 機構の種類 種々の機構の使用例,利点,欠点について理解できる.
3週 回転中心と瞬間中心 回転中心,瞬間中心について理解できる.回転中心の作図ができる.
4週 瞬間中心の作図法 リンク機構の瞬間中心を作図により求めることができる.
5週 不等速回転運動1 不等速回転運動の速度,加速度,角速度を微積分を用いて求めることができる.
6週 不等速回転運動2 不等速回転運動の速度,加速度,角速度を作図により求めることができる.
7週 機構の速度の求め方 四節リンク機構上の速度を,移送法・連接法・分解法・写像法の各手法で作図により求めることができる.
8週 機構の加速度の求め方 リンク機構の加速度を作図により求めることができる.相対速度,相対加速度について理解できる.
2ndQ
9週 前期中間試験 到達目標(1)(2)
10週 前期中間試験の解答と解説 分からなかった部分を把握し理解できる
11週 図式微分法 図式微分法を用いた速度・加速度のグラフ作成ができる.
12週 四節回転連鎖の種類 四節回転連鎖の種類および使用例を説明できる.倍力機構について理解できる.
13週 てこクランク機構の設計 てこクランク機構の設計ができる.扇風機の首振り機構について理解できる.
14週 往復スライダクランク機構 往復スライダクランク機構の変位・速度を計算することができる.二項定理による近似法について理解できる.
15週 前期期末試験 到達目標(3)(4)
16週 前期期末試験の解答と解説 分からなかった部分を把握し理解できる.
後期
3rdQ
1週 揺動スライダクランク機構(早戻り機構) 早戻り機構について理解できる.往復で速度が違うことを作図により説明できる.
2週 両スライダクランク機構 スコッチヨーク,楕円コンパス,オルダム継手の機構および用途を理解できる.
3週 その他のリンク機構1 ラプソンの舵取り機構,スコットラッセル機構について理解できる.
4週 その他のリンク機構2 テオヤンセンのリンク機構について理解できる.
5週 カムの種類 カムの種類,使用例について説明できる.確動カムについて理解できる.
6週 カム線図 カム線図からカムの輪郭曲線を作図することができる.
7週 摩擦伝動装置 摩擦車の伝達動力の計算ができる.円すい車の設計ができる.
8週 後期中間試験 到達目標(4)(5)
4thQ
9週 後期中間試験の解答と解説 分からなかった部分を把握し理解できる.
10週 歯車の基礎 歯車の種類を説明できる,歯車の各部名称を説明できる,モジュールを理解できる.歯車の基礎的な計算ができる.
11週 歯車列の計算1 歯車列の速比が理解できる.歯車列の回転数など基礎的な計算ができる.歯車の組み合わせで簡単な時計を設計できる.
12週 歯車列の計算2 遊星歯車について理解し,計算することができる.
13週 歯車列の計算3 遊星歯車の計算ができる.ディファレンシャルギアの計算を行い,仕組みを理解できる.
14週 歯車加工 ラック歯切り,ホブ歯切りについて理解できる.
15週 後期期末試験 到達目標(6)
16週 後期期末試験の解答と解説 分からなかった部分を把握し理解できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野機械設計歯車の種類、各部の名称、歯型曲線、歯の大きさの表し方を説明できる。4後10
歯車列の速度伝達比を計算できる。4後11,後12,後13
リンク装置の機構を理解し、その運動を説明できる。4前4,前7,前8,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4
代表的なリンク装置の、変位、速度、加速度を求めることができる。4前7,前8,前11,前12,前13,前14,後1
カム装置の機構を理解し、その運動を説明できる。4後5
主な基礎曲線のカム線図を求めることができる。4後6

評価割合

試験課題合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力0000000
専門的能力80200000100
分野横断的能力0000000