エネルギー変換工学

科目基礎情報

学校	大分工業高等専門学校	開講年度	令和05年度 (2023年度)
授業科目	エネルギー変換工学
科目番号	R05M523	科目区分	専門 / 選択
授業形態	授業	単位の種別と単位数	学修単位: 2
開設学科	機械工学科	対象学年	5
開設期	前期	週時間数	2
教科書/教材	（教科書）なし （参考図書）ターボ機械協会編「ターボ機械－入門編－」日本工業出版，小山敏行著「熱力学きほんの「き」」森北出版
担当教員	稲垣 歩

到達目標

(1) ターボ機械の分類や特徴，作動原理について理解し，説明できる．（定期試験と課題）
(2) ターボ機械の構成要素と内部流れについて理解し，説明できる．（定期試験と課題）
(3) 内燃機関の位置付け,エンジンの種類,エンジンの構造と役割,エンジンの作動原理,エンジンの課題を理解し，説明できる．（定期試験と課題）
(4) エンジン以外のモーターや燃料電池など輸送機器に関する原理や構造について理解し，説明できる．（定期試験と課題）

ルーブリック

	理想的な到達レベルの目安	標準的な到達レベルの目安	未到達レベルの目安
到達目標(1)の評価指標	ターボ機械の分類や特徴，作動原理について深く理解し，詳しく説明できる．	ターボ機械の分類や特徴，作動原理について理解し，説明できる．	ターボ機械の分類や特徴，作動原理について理解し，説明できない．
到達目標(2)の評価指標	ターボ機械の構成要素と内部流れについて深く理解し，詳しく説明できる．	ターボ機械の構成要素と内部流れについて理解し，説明できる．	ターボ機械の構成要素と内部流れについて理解し，説明できない．
到達目標(3)の評価指標	熱機関の位置付け,エンジンの種類,エンジンの構造と役割,エンジンの作動原理,エンジンの課題を理解し，詳しく説明できる．	熱機関の位置付け,エンジンの種類,エンジンの構造と役割,エンジンの作動原理,エンジンの課題を理解し，説明できる．	熱機関の位置付け,エンジンの種類,エンジンの構造と役割,エンジンの作動原理,エンジンの課題を理解し，説明できない．
到達目標(4)の評価指標	エンジン以外のモーターや燃料電池など輸送機器に関する原理や構造について理解し，詳しく説明できる．	エンジン以外のモーターや燃料電池など輸送機器に関する原理や構造について理解し，説明できる．	エンジン以外のモーターや燃料電池など輸送機器に関する原理や構造について理解し，説明できない．

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (B2) （情報技術、専門工学の基礎を身につける）

JABEE 1.2(d)(1) （分野別要件－専門工学（工学（融合複合・新領域）における専門工学の内容は申請高等教育機関が規定するものとする）の知識と能力）

教育方法等

概要:

（実践的教育科目）この科目は企業で自動車の設計，車両開発を担当していた教員がその経験を活かし，燃機関など最新のエネルギー利用について講義形式で授業を行うものである．
前半は，「水力学」を学んだ学生を対象として「流体機械」に関する講義を行う．具体的には，ターボ機械の分類，作動原理，性能などの一般的知識と理論，運転特性や運転時に発生する現象について解説する．機械技術者として，メーカーまたはユーザーとして流体機械を取り扱う際に必要な基礎知識を学ぶ．
後半は，「熱力学」を学んだ学生を対象として「熱機関」に関する講義を行う．具体的には，熱力学で学んだ基本的なサイクルに対して，現在のエンジンがどの点を工夫して効率を向上させているのかを理解するとともに，エンジン以外のモーターや燃料電池など輸送機器についての原理や構造に関する内容も学ぶ．

（科目情報）
教育プログラム　第２学年　〇科目
関連科目　水力学、熱力学、伝熱工学、流体力学（専攻科）、熱物質移動論（専攻科）

授業の進め方・方法:

前半は，テキストに沿って講義形式で進めるが，適宜補足説明と課題プリントを解きながら理解を深めるようにする．
後半は，最新の技術資料を配布し内容を解説する講義形式で進める．関連技術の調査といった課題も行う．

（事前学習）
流れ学および熱力学の内容を理解していること．

注意点:

（履修上の注意）
本科目は学修単位であり，２単位の修得には授業時間外の学修等とあわせて90単位時間の学修が必要な科目である．本科目では授業時間外の学修として課題を課す．
・教科書・電卓・ノートを必ず持参すること．水力学，熱力学などの内容を理解しておくこと．

（自学上の注意）
・本科目は学修単位科目であり，事前に授業内容の予習を行う事．また，授業中は確認シートやノートに要点を纏め，授業後は課題を自力で解いて力をつける事．

評価

（総合評価）
・総合評価＝0.5×（流体機械）＋0.5×（熱機関）
・流体機械については　評価＝0.5×（試験）＋0.5×（課題）で評価する．
・熱機関については　評価＝0.5×（試験）＋0.5×（課題）で評価する．

（単位習得の条件について）
全課題の60％以上の提出を単位取得の条件とする．

（再試験について）
原則再試験は行わない．

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング

遠隔授業対応

実務経験のある教員による授業

授業計画

		週	授業内容	週ごとの到達目標
前期
	1stQ
		1週	流体機械１ 流体エネルギー利用とターボ機械	流体エネルギーの利用方法とターボ機械の定義や分類について説明できる．
		2週	流体機械2 流体エネルギーと動力	流体機械の流体エネルギーと動力について説明できる．
		3週	流体機械3 流体と羽根車の間のエネルギー変換1	流体機械におけるエネルギー変換が理解できる．
		4週	流体機械4 流体と羽根車の間のエネルギー変換2	流体機械におけるエネルギー変換が計算できる．
		5週	流体機械5 変換されるエネルギー成分	流体機械におけるエネルギー変換成分が理解できる．
		6週	流体機械6 羽根車の形状と入口・出口の流れ	流体機械における羽根車の形状と入口・出口の流れが理解できる．
		7週	流体機械7 損失と効率	流体機械の損失と効率が計算できる．
		8週	流体機械8 キャビテーションとサージング	流体機械のキャビテーションとサージングについて理解できる．
	2ndQ
		9週	前期中間試験	到達目標(1)(2)
		10週	熱機関1 内燃機関の現状	内燃機関の現状について理解できる． 熱効率やダウンサイジング，ライトサイジングについてなど
		11週	熱機関2 過給器	過給器の技術と課題について理解できる．
		12週	熱機関3 ディーゼルエンジン	ディーゼルエンジンの技術と課題について理解できる．
		13週	熱機関4 変速機	変速機（MT，AMT，DSG，AT，CVT）の技術と課題について理解できる．
		14週	熱機関5 ハイブリット	HEVやEV，モーターの技術と課題について理解できる．
		15週	熱機関6 燃料とバッテリー	燃料とバッテリーの技術と課題について理解できる．
		16週	前期期末試験	到達目標(3)(4)

評価割合

	試験と課題（流体機械）	試験と課題（熱機関）	合計
総合評価割合	50	50	100
基礎的能力	0	0	0
専門的能力	50	50	100
分野横断的能力	0	0	0