到達目標
(1) 力を正しく図示でき,力のつりあいの式をたて,力の大きさを求めることができる.(定期試験・課題)
(2) 簡単な物体の重心が計算できる.(定期試験・課題)
(3) 剛体に力が働いた場合の運動を論じることができる.(定期試験・課題)
(4) 仕事の概念を理解し,力学的エネルギー保存則から運動を論ずることができる.(定期試験・課題)
(5) 運動量保存則を用いて運動を論ずることができる.(定期試験・課題)
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 力を正しく図示でき,力のつりあいの式をたて,力の大きさを求めることができる. | 基礎的な問題において,力を正しく図示でき,力のつりあいの式をたて,力の大きさを求めることができる. | 力のつりあい式が理解できない. |
評価項目2 | 簡単な物体の重心が計算でき,重心を用い回転体の体積や表面積を計算できる. | 簡単な物体の重心が計算できる. | 重心を求めることが出来ない. |
評価項目3 | 剛体に力が働いた場合の運動を論じることができる. | 質点に力が働いた場合の速度,加速度,変位を計算することが出来る. | 運動の法則を理解できていない. |
評価項目4 | 仕事の概念を理解し,力学的エネルギー保存則から運動を論ずることができる. | 位置エネルギー,運動エネルギー,ひずみエネルギーの公式を理解できている. | 仕事とエネルギーの関係が理解できていない. |
評価項目5 | 運動量保存則を用いて運動を論ずることができる | 運動量とは何かが理解できる. | 運動量の意味が理解できない |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
機械工学を学ぶ者にとって,力や運動について理解することは必要不可欠である.これについては1年,2年次に物理学のなかで学ぶが,より実際に近い問題をとりあげる事によって,機械工学に必要な力学的センスを養う事を講義の目的にしている.
必修 2単位 (前期1コマ,後期1コマ) 関連科目 機械力学,材料力学
授業の進め方・方法:
授業は教科書に沿って行い,授業の後半に毎回小テストを行うことで,理解度の確認を行う.また,ほぼ毎回学生ごとに答えの違う課題提出を要求し,答えが合うまで繰返し提出する.
注意点:
(履修上の注意)
授業の最後にその日の重要なところを確認する小テストを行うので,重要なところはその日に覚える.
(自学上の注意)
課題をすべて合格するように自学する.
評価
(総合評価)
達成目標の(1)~(5)について4回の定期試験と課題で評価する.定期試験は100点満点とし,課題点は20点満点とする.総合評価60点以上を合格とする.総合評価は前期評価と後期評価の平均点であり,前期および後期評価はそれぞれ(前期中間試験+期末試験)/2×0.8+課題点・
(中間試験+期末試験)/2×0.8+課題点 で算出する.
(再試験について)
前期評価が60点に満たないものに対して,後期の最初に再試験を行うことがある.その場合前期の評価は,再試験と前期評価の平均点とする.ただし平均点が60点を超えた場合の評価は60点とする.総合評価30~59点の学生に対して再試験を行い,75点以上を合格とする。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
力とその表示 |
工学単位とSI単位の使い分け
|
2週 |
力の合成と分解 |
2力および多数力の合成ができるようにする.
|
3週 |
力のモーメント |
力のモーメントを理解し,力の置き換えを理解する.
|
4週 |
力のモーメントⅡ 力のつりあい |
力のモーメントを理解し,力の置き換えを理解する. 力のモーメントのつり合いを理解することができる.
|
5週 |
力のつりあいⅡ |
物体の接触点,支点に働く力を図示し,力のモーメントおよび力のつりあい式を作ることができる.
|
6週 |
平面トラス |
トラスの部材力および支点反力を求めることができるようにする.
|
7週 |
平面トラスⅡ |
接点法によりトラスの部材力および支点反力を求めることができるようにする.
|
8週 |
平面トラスⅢ |
切断法によりトラスの部材力および支点反力を求めることができるようにする.
|
2ndQ |
9週 |
前期中間試験 |
到達目標(1)
|
10週 |
重心 |
細い線,平面図形,立体の重心を計算できる.
|
11週 |
回転体と重心 物体のすわり |
パップスの定理を用い,回転体表面積体積を求める.転倒することの意味を理解し,安定なすわりについて考える.
|
12週 |
滑り摩擦,転がり摩擦 |
摩擦係数および摩擦角の意味を理解する
|
13週 |
摩擦を使った機械 |
ブレーキおよびベルト駆動における摩擦力計算ができる.
|
14週 |
簡単な機械 |
てこ,滑車,くさび,ねじなどの力学的な計算が出来るようにする.
|
15週 |
前期末試験 |
到達目標(2)
|
16週 |
前期末試験の解答と解説 |
解けなかった問題を理解し解けるようになる.
|
後期 |
3rdQ |
1週 |
点の運動 |
速度,加速度が位置関数の微分系で求められることを理解し,落体の運動,放物運動,円運動を理解する.
|
2週 |
運動と力 |
ニュートンの運動法則を理解できる.
|
3週 |
運動と力Ⅱ |
物体に力が働いた場合の運動を論じることが出来るようにする.また,慣性力,遠心力を理解する
|
4週 |
剛体の運動 慣性モーメント |
簡単な慣性モーメントの計算ができるようにする.
|
5週 |
慣性モーメントⅡ |
棒、直方体、円柱、球などの慣性モーメントが計算できる.
|
6週 |
剛体の平面運動の方程式 |
慣性モーメントを理解し,剛体の運動を論じることが出来るようにする.
|
7週 |
仕事,エネルギー |
仕事の概念を理解し,力学的エネルギー保存則から運動を論ずることが出来るようにする.
|
8週 |
動力 |
動力の概念を理解する
|
4thQ |
9週 |
後期中間試験 |
到達目標(3)(4)
|
10週 |
力学的エネルギー保存則 |
力学的エネルギー保存則を使って様々な問題を解く.
|
11週 |
衝突 運動量保存の法則 |
運動量保存則を用いて衝突を含めた運動を論ずることが出来るようにする.
|
12週 |
大学入試共通試験 物理 |
大学入試共通試験の問題を解けるようにする.
|
13週 |
演習問題 |
色々な身近なことに工業力学を利用することができる.
|
14週 |
演習問題Ⅱ |
身近な問題に工業力学を応用することができる.
|
15週 |
後期末試験 |
到達目標(4)(5)
|
16週 |
後期末試験の解答と解説 |
解けなかった問題を理解し解けるようになる
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 力学 | 力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。 | 4 | 前1 |
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。 | 4 | 前1,前6 |
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。 | 4 | 前2,前6,前7 |
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。 | 4 | 前3 |
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。 | 4 | 前3 |
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。 | 4 | 前4,前5,前6,前7 |
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。 | 4 | 前10,前11 |
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。 | 4 | 後1 |
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。 | 4 | 後1 |
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。 | 4 | 後2 |
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。 | 4 | 後2,後3 |
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。 | 4 | 前4,後2 |
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。 | 4 | 後1 |
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。 | 4 | 後1,後3 |
仕事の意味を理解し、計算できる。 | 4 | 後6 |
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。 | 4 | 前13,前14 |
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。 | 4 | 後6 |
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。 | 4 | 後6 |
動力の意味を理解し、計算できる。 | 4 | 後7 |
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。 | 4 | 前12,前13 |
運動量および運動量保存の法則を説明できる。 | 4 | 後12 |
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。 | 4 | 後4,後5 |
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。 | 4 | 後4 |
評価割合
| 試験 | 課題 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 80 | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |