概要:
本教科の内容は以下の3点である.①機械を製作する際に必須の知識である「金属材料」・「材料強度」・「加工技術」・「機構学(機械要素の運動)」について実験し,工学的考察および評価を行いレポートとしてまとめる.②技術文書を作成することで,論文・履歴書等,社会に通用する書類作製能力を養成する.③加工技術の集大成としてスターリングエンジンを作成し,動作させる.以上により,機械工学に関する深い知識と実行力を備えた人材を育成する.
(科目情報)
関連科目 機械実習Ⅰ,Ⅱ, PBL, 工学実験Ⅱ,Ⅲ, 卒業研究, エンジニアリングデザイン,プロジェクト実験Ⅰ,Ⅱ(専攻科)
授業の進め方・方法:
「金属材料」・「材料強度」・「加工技術」・「機構学」・「技術文書」について実験および実習を行う.
クラスを10人程度で構成するグループに分け,プロジェクトで実施する.
達成目標の(1)~(4)について,テーマ別にレポート・取組状況(実験スキル評価シート,授業態度)で評価する.各テーマ点はレポート70%,取組状況30%として100点満点で採点し,各テーマ点が全て60点以上である場合を合格とする.
(事前学習)
各テーマで配布される指導書を熟読し,実験に備える.
注意点:
(履修上の注意)
実験を正当な理由なしに欠席した場合,テーマのレポートのみの提出は認めない.すなわち,当該テーマに対する得点は0点とする.
(自学上の注意)
レポートは,第三者が読んで理解できるように書くこと.自分で参考図書等で調べた情報を入れると良い.
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
オリエンテーション・安全教育 |
各テーマの概要について個々のテーマごとに説明を受け,概要を理解できる. 実験器具・装置類,工作機械等の取り扱いに関する安全対策について理解できる.
|
2週 |
スターリングエンジン製作(A,B) |
各種工作機械を使ってスターリングエンジンを製作し,完成したエンジンの評価ができる.
|
3週 |
スターリングエンジン製作(A,B) |
各種工作機械を使ってスターリングエンジンを製作し,完成したエンジンの評価ができる.
|
4週 |
スターリングエンジン製作(A,B) |
各種工作機械を使ってスターリングエンジンを製作し,完成したエンジンの評価ができる.
|
5週 |
スターリングエンジン製作(A,B) |
各種工作機械を使ってスターリングエンジンを製作し,完成したエンジンの評価ができる.
|
6週 |
スターリングエンジン製作(A,B) |
各種工作機械を使ってスターリングエンジンを製作し,完成したエンジンの評価ができる.
|
7週 |
スターリングエンジン製作(A,B) |
各種工作機械を使ってスターリングエンジンを製作し,完成したエンジンの評価ができる.
|
8週 |
(前期中間試験) |
|
2ndQ |
9週 |
工作法(ワイヤーカット・型彫り放電加工) |
CNCプログラミング後にワイヤーカット放電加工による実加工を行い,寸法精度を評価することができる.
|
10週 |
工作法(ワイヤーカット・型彫り放電加工) |
型彫り放電加工機電極の消耗量に対する電極形状,ワーク材質の影響を理解することができる.
|
11週 |
工作法(ワイヤーカット・型彫り放電加工) |
型彫り放電加工機電極の消耗量に対する電極形状,ワーク材質の影響を理解することができる.
|
12週 |
3Dプリンタ |
3Dモデリングと3Dスキャナについて理解し,正しく使用することができる.
|
13週 |
3Dプリンタ |
FFF式3Dプリンタについて理解し,正しく使用することができる.
|
14週 |
3Dプリンタ |
光造形式3Dプリンタについて理解し,正しく使用することができる.
|
15週 |
(前期末試験) |
|
16週 |
(前期末試験の解答と解説) |
|
後期 |
3rdQ |
1週 |
金属材料 |
光学顕微鏡で標準組織を観察し,各組織の特徴を理解することができる.
|
2週 |
金属材料 |
熱処理に関する実験を行い,さらに硬さ試験により,組織と硬さの関係を理解することができる.
|
3週 |
金属材料 |
熱処理に関する実験を行い,さらに硬さ試験により,組織と硬さの関係を理解することができる.
|
4週 |
材料試験 |
鋳鉄・軟鋼試験片の引張り試験,ねじり試験,衝撃試験,圧縮試験を行い,レポートして結果をまとめることができる.
|
5週 |
材料試験 |
鋳鉄・軟鋼試験片の引張り試験,ねじり試験,衝撃試験,圧縮試験を行い,レポートして結果をまとめることができる.
|
6週 |
材料試験 |
鋳鉄・軟鋼試験片の引張り試験,ねじり試験,衝撃試験,圧縮試験を行い,レポートして結果をまとめることができる.
|
7週 |
機構学実験 |
自動工場の模型を観察し,用いられている機構について理解できる.空圧機器について理解できる.
|
8週 |
(後期中間試験) |
|
4thQ |
9週 |
機構学実験 |
各種機械要素の分類および使用方法について理解できる.
|
10週 |
機構学実験 |
機械要素の速度変化を変位計測および図式微分法によりグラフ化し,ポテンショメータにより計測したグラフと比較することで,機械要素の動特性および図式微分法を理解できる.
|
11週 |
マシニング |
マシニングの基礎であるCAD/CAMソフトを使いNC言語のプログラミング作成,製品加工を行うことができる.
|
12週 |
マシニング |
マシニングの基礎であるCAD/CAMソフトを使いNC言語のプログラミング作成,製品加工を行うことができる.
|
13週 |
マシニング |
マシニングの基礎であるCAD/CAMソフトを使いNC言語のプログラミング作成,製品加工を行うことができる.
|
14週 |
工場見学 |
地域の工場見学を行い,感想を書くことで,工業がどのように応用されているかを理解できる.オンラインで実施する場合もある.
|
15週 |
(学年末試験) |
|
16週 |
(学年末試験の解答と解説) |
|
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の工学実験・実習能力 | 機械系分野【実験・実習能力】 | 機械系【実験実習】 | 実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。 | 3 | |
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。 | 3 | |
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。 | 3 | |
ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。 | 3 | |
マイクロメータの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。 | 3 | |
ダイヤルゲージ、ハイトゲージ、デプスゲージなどの使い方を理解し、計測できる。 | 3 | |
けがき工具を用いてけがき線をかくことができる。 | 3 | |
やすりを用いて平面仕上げができる。 | 3 | |
ねじ立て工具を用いてねじを切ることができる。 | 3 | |
アーク溶接の原理を理解し、アーク溶接機、アーク溶接器具、アーク溶接棒の扱い方を理解し、実践できる。 | 3 | |
アーク溶接の基本作業ができる。 | 3 | |
旋盤主要部の構造と機能を説明できる。 | 3 | 前2,前3,前4,前5,前6,前7 |
旋盤の基本操作を習得し、外丸削り、端面削り、段付削り、ねじ切り、テ―パ削り、穴あけ、中ぐりなどの作業ができる。 | 3 | 前2,前3,前4,前5,前6,前7 |
フライス盤主要部の構造と機能を説明できる。 | 3 | 前2,前3,前4,前5,前6,前7 |
フライス盤の基本操作を習得し、平面削りや側面削りなどの作業ができる。 | 3 | 前2,前3,前4,前5,前6,前7 |
ボール盤の基本操作を習得し、穴あけなどの作業ができる。 | 3 | 前2,前3,前4,前5,前6,前7 |
NC工作機械の特徴と種類、制御の原理、NCの方式、プログラミングの流れを説明できる。 | 3 | 前8,前9,前10 |
少なくとも一つのNC工作機械について、各部の名称と機能、作業の基本的な流れと操作を理解し、プログラミングと基本作業ができる。 | 3 | 前8,前9,前10 |
加工学実験、機械力学実験、材料学実験、材料力学実験、熱力学実験、流体力学実験、制御工学実験などを行い、実験の準備、実験装置の操作、実験結果の整理と考察ができる。 | 3 | 後1,後2,後3 |
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。 | 3 | 後1,後2,後3 |
分野横断的能力 | 態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | 企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。 | 3 | 前11,後1,後2,後3 |
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。 | 3 | 前12,後1,後2,後3 |
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。 | 3 | 前11 |
企業には社会的責任があることを認識している。 | 3 | 前11,後1,後2,後3 |
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。 | 3 | 前11,前12 |
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。 | 3 | 前12,後1,後2,後3 |
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。 | 3 | 前11,後1,後2,後3 |
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。 | 3 | 前11,前13,後1,後2,後3 |
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。 | 3 | 前11,後1,後2,後3 |
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。 | 3 | 後1,後2,後3 |
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。 | 3 | 後1,後2,後3 |
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。 | 3 | 後1,後2,後3 |