制御工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 制御工学Ⅰ
科目番号 R06M516 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 (教科書)豊橋技術科学大学高等専門学校制御工学教育連携プロジェクト,制御工学―技術者のための、理論・設計から実装まで,実教出版
(参考図書)適宜,プリントを配布
担当教員 中野 壽彦

到達目標

(1) 自動制御およびフィードバック制御の概念と構成要素について説明できる.(定期試験と課題)
(2) 微分方程式・伝達関数・ブロック線図によってシステムのモデル化が出来る.(定期試験と課題)
(3) システムの時間応答(過渡応答,定常応答)と周波数応答について理解し,応答特性を評価することができる.(定期試験と課題)
(4) システムの安定性について概念を理解し,安定判別法を用いて安定性を評価することができる.(定期試験と課題)
(5) 演習問題によって自主的・継続的な学習ができる.(課題)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標(1)の評価指標自動制御とフィードバック制御について十分理解し,概念と構成要素を正確に説明できる.自動制御とフィードバック制御について理解し,概念と構成要素をおおよそ説明できる.自動制御とフィードバック制御について理解できず,概念と構成要素を説明できない.
到達目標(2)の評価指標電気系・機械系などの基本的あるいは応用的なシステムについて,微分方程式・伝達関数・ブロック線図を用いて正確にモデル化ができる.電気系・機械系などの基本的なシステムについて,微分方程式・伝達関数・ブロック線図を用いてモデル化ができる.電気系・機械系などの基本的なシステムについて,微分方程式・伝達関数・ブロック線図を用いてモデル化ができない.
到達目標(3)の評価指標時間応答(過渡応答,定常応答)と周波数応答について十分理解し,応答の導出と特性評価を正確に行うことができる.時間応答(過渡応答,定常応答)と周波数応答について基礎を理解し,応答の導出と特性評価を行うことができる.時間応答(過渡応答,定常応答)と周波数応答について基礎を理解できず,応答の導出と特性評価を行うことができない.
到達目標(4)の評価指標安定条件と各種安定判別法を十分理解し、様々なシステムの評価ができる。安定条件と各種安定判別法の基礎を理解し、基本的なシステムの評価ができる。安定条件と各種安定判別法の理解が不十分で、システムの評価ができない。
到達目標(5)の評価指標演習問題によって自主的・継続的な学習を十分に行い,授業について十分深く理解できる.演習問題によって自主的・継続的な学習を最低限行い,授業について最低限理解できる.演習問題によって自主的・継続的な学習を行うことができず,授業について理解できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (B2) 説明 閉じる
JABEE 1.2(d)(1) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
安全で正確なシステムを設計することにおいて,制御理論は不可欠な学問となる.制御理論は一般的に伝達関数による入出力関係から系を分析する古典制御理論と,システム内部の状態方程式から系を分析する現在制御理論に分けられる.本科目では古典制御理論を主に取り扱い,システムのモデル化,応答特性の解析,および安定化条件について基礎を学び理解する.
(科目情報)
教育プログラム第1学年 ◎科目
授業の進め方・方法:
板書による講義形式を基本とする.必要に応じて,参考資料を配布したり,参考動画を見せることがある.
数回のレポート課題を課す.課題の出題・提出・管理はMoodle・Teamsを利用する.提出されたレポート毎に評価を行い,合格水準を満たしていないと判断した場合は再提出を要求することがある.

(事前学習)
応用数学で学習した複素数、ラプラス変換について復習しておくこと.
注意点:
(履修上の注意)
複素数とラプラス変換は制御工学を学ぶ上で必要不可欠な基礎知識なので,しっかり復習しておくこと.
(自学上の注意)
科目の性質上,内容の理解のためには演習問題を繰り返し解くプロセスが必須と考える.レポート課題や練習問題を各自しっかり取り組むことを望む.

評価

(総合評価)
総合評価=( 2回の定期試験の平均 )×0.8+ ( 課題の平均 )×0.2とする.
(単位修得の条件について)
総合評価が60点以上の場合に合格とする.
(再試験について)
再試験は、課題を全て提出・合格した者に対して受験を許可する.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 制御の目的と制御系の基本構成 制御の定義と種類について理解する.フィードバック制御の概念と構成を理解する.
2週 モデリング 機械系・電気系などのシステムの数学モデルの導出について理解する.
3週 伝達関数 伝達関数によるシステムのモデル化について理解する.
4週 ブロック線図 ブロック線図の基本法則と,システムのモデルをブロック線図で表わす方法について理解する.
5週 時間応答 標準入力に対する過渡応答の算出方法と各種評価パラメータについて理解する.
6週 定常応答 最終値の定理に基づく定常応答の解析方法について理解する.
7週 周波数応答の概要 伝達関数から周波数伝達関数の求め方を理解する.
8週 ベクトル軌跡 周波数応答の図式表示について理解し,伝達関数から作成できる.
2ndQ
9週 中間試験 到達目標(1),到達目標(2), 到達目標(3)
10週 中間試験の解答と解説 分からないところについて理解する
11週 ボード線図 周波数応答の図式表示について理解し,伝達関数から作成できる.
12週 システムの安定性 安定性に関する基礎概念と,特性方程式による安定条件について理解する.
13週 安定判別法(1) 各種安定判別法について学び,それらの利用方法を理解する.
14週 安定判別法(2) 各種安定判別法について学び,それらの利用方法を理解する.
15週 後期期末試験 到達目標(3), 到達目標(4)
16週 後期期末試験の解答と解説 分からないところについて理解する

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御自動制御の定義と種類を説明できる。4前1
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。4前1
基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる。4前3
ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる。4前3
伝達関数を説明できる。4前3
ブロック線図を用いて制御系を表現できる。4前4
制御系の過渡特性について説明できる。4前5
制御系の定常特性について説明できる。4前6
制御系の周波数特性について説明できる。4前7,前8,前11
安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。4前12,前13,前14

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000