機械工作法Ⅰ

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 機械工作法Ⅰ
科目番号 30M211 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 尾崎龍夫ほか著,「基礎機械工学シリーズ5 機械製作法Ⅰ」,朝倉書店.有浦泰常ほか著,「基礎機械工学シリーズ11 機械製作法Ⅱ」,朝倉書店.
担当教員 山本 通

到達目標

(1) 各種機械や,その構成部品を高精度かつ低コストで製造するための手順と方法を理解する. (定期試験と課題)
(2) 設計,製作の基礎となる主要な加工方法の原理と活用についての知識を蓄える.(定期試験と課題)
(3) 加工の問題に関する的確な解決・判断能力を築き上げる.(定期試験と課題)
(4) 課題を通して加工法選択の指針を自ら導き出せる能力を継続的に築き上げる.(課題)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1鋳造加工の基本的な加工原理、加工方法を理解し説明できる鋳造加工の基本的な加工原理、加工方法を理解できる鋳造加工の基本的な加工原理、加工方法を理解できない
評価項目2塑性加工の基本的な加工原理、加工方法を理解し説明できる塑性加工の基本的な加工原理、加工方法を理解できる塑性加工の基本的な加工原理、加工方法を理解できない
評価項目3溶接の基本的な加工原理、加工方法を理解し説明できる溶接の基本的な加工原理、加工方法を理解できる溶接の基本的な加工原理、加工方法を理解できない
評価項目4切削の基本的な加工原理、加工方法を理解し説明できる切削の基本的な加工原理、加工方法を理解できる切削の基本的な加工原理、加工方法を理解できない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (B2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
「機械工作」は製品の形状創成に関する技術を扱うが,要求される形状,強度,精度,性能,コストなどを考慮する必要があり,多くの加工法から最適なものを常に選択する必要がある.本講義では,鋳造,溶接などの非除去加工法および切削加工(研削を除く)理論を説明し,機械工作の基礎を身につけることを目的とする.

関連科目:材料と加工,機械工作法Ⅱ,材料学Ⅰ,材料学Ⅱ
授業の進め方・方法:
講義と課題(自己学習)

到達目標の(1)~(4)について計4回の定期試験と課題で評価する.
総合評価=0.8×(4回の定期試験の平均)+0.2×(課題点)
注意点:
再試験の受験資格は,課題を全て提出した者に与える.

最近の材料や加工に関する話題も様々な手段で敏感に感じとること.
授業で配布した資料は自宅で整理し,別ファイルにその要点を纏める.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス 工作法の概要が理解できる.
2週 鋳造1 大仏の製作方法が説明できる.
3週 鋳造2 砂型鋳造,ろう型法について説明できる.
4週 鋳造3 ダイカストについて説明できる.
5週 鋳造4 注湯時に上型にかかる力を算出できる.
6週 鋳造5 鋳造欠陥について説明できる.
7週 鋳造6 情報演習室を利用し資料作成ができる.
8週 前期中間試験 上記1~7(前期)
2ndQ
9週 前期中間試験の解答と解説
塑性加工1
理解が不十分な箇所を把握し復習する.
延性・脆性材料について説明できる.
10週 塑性加工2 公称ひずみと真ひずみの算出ができる.
11週 鉄—炭素平衡図 鉄—炭素平衡図について説明できる.
12週 塑性加工3 加工硬化,圧延について説明できる.
13週 塑性加工4 体積一定の法則を使った計算ができる.
14週 塑性加工5 飲料缶の製作方法について説明できる.
15週 前期期末試験 上記9~14(前期)
16週 前期期末試験の解答と解説 理解が不十分な箇所を把握し復習する.
後期
3rdQ
1週 溶接1 アーク溶接について説明できる.
2週 溶接2 アーク溶接時の発熱量が計算できる.
3週 溶接3 さまざまな融接法の説明ができる.
4週 溶接4 さまざまな圧接法の説明ができる.
5週 溶接5 さまざまなろう接法の説明ができる.
6週 残留応力と熱応力 熱応力の算出ができる.
7週 溶接6 溶接欠陥や検査法について説明できる.
8週 後期中間試験 上記1~7(後期)
4thQ
9週 後期中間試験の解答と解説
切削1
理解が不十分な箇所を把握し復習する.
切ると削るの違いについて説明できる.
10週 切削2 切削速度の算出ができる.
11週 切削3 せん断角について説明できる.
12週 切削4 切削面の理論粗さが算出できる.
13週 切削5 切削抵抗について説明できる.
14週 切削6 工具材料について説明できる.
15週 後期期末試験 上記9~14(後期)
16週 後期期末試験の解答と解説 理解が不十分な箇所を把握し復習する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野工作鋳物の作り方、鋳型の要件、構造および種類を説明できる。4前2,前3,前8
精密鋳造法、ダイカスト法およびその他の鋳造法における鋳物の作り方を説明できる。4前4,前8
鋳物の欠陥について説明できる。4前5,前6,前8
溶接法を分類できる。4後5,後8
ガス溶接の接合方法とその特徴、ガスとガス溶接装置、ガス溶接棒とフラックスを説明できる。4後3,後8
アーク溶接の接合方法とその特徴、アーク溶接の種類、アーク溶接棒を説明できる。4後2,後3,後8
サブマージアーク溶接、イナートガスアーク溶接、炭酸ガスアーク溶接で用いられる装置と溶接のしくみを説明できる。4後3,後8
塑性加工の各加工法の特徴を説明できる。4前10,前12,前13,前14,前15
降伏、加工硬化、降伏条件式、相当応力、及び体積一定則の塑性力学の基本概念が説明できる。4前12,前13
切削加工の原理、切削工具、工作機械の運動を説明できる。4後11,後15
バイトの種類と各部の名称、旋盤の種類と構造を説明できる。4後13
フライスの種類と各部の名称、フライス盤の種類と構造を説明できる。4
ドリルの種類と各部の名称、ボール盤の種類と構造を説明できる。4
切削工具材料の条件と種類を説明できる。4後14,後15
切削速度、送り量、切込みなどの切削条件を選定できる。4後10,後15
切削のしくみと切りくずの形態、切削による熱の発生、構成刃先を説明できる。4後13,後15
研削加工の原理、円筒研削と平面研削の研削方式を説明できる。4
砥石の三要素、構成、選定、修正のしかたを説明できる。4
ホーニング、超仕上げ、ラッピングなどの研削加工を説明できる。4

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力2010000030
専門的能力6010000070
分野横断的能力0000000