到達目標
熱分野は、熱の基本法則、熱的諸量の求め方、伝熱現象などについて理解し、熱機器を設計・製造・使用するさいに必要な能力を養うことを目標とする。熱機関工学に関する事物・現象に関わり,工学的な見方・考え方を働かせ,見通しをもって学習することなどを通して,熱機関工学に係わる事物・現象を工学的に探究するために必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す.
(1) 熱機関工学の事物・現象についての理解を深め,工学的に探究するために必要な計算・解析などに関する基本的な技能を身に付けるようにする.
(2) 計算などを行い,工学的に探究する力を養う.
(3) 熱機関工学の事物・現象に進んで関わり,工学的に探究する態度を養う.
(4) 自然環境の保全と科学技術の利用の在り方について工学的に考察することを通して,持続可能な社会をつくることが重要であることを認識力を養う。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 総合評価80点以上 | 標準的な到達レベルの目安 総合評価60点以上 | 未到達レベルの目安 総合評価60点未満 |
評価項目1
総論 | 教員の説明で以下の項目が自力でできる。内燃機関の位置付け,エンジンの種類,エンジンの構造と役割,エンジンの作動原理,エンジンの課題を理解できる. | 教員追加指導や学習支援者の指導で左記ができる | 左記の目標が達成できない。 |
評価項目2
エンジンの熱力学 | 教員の説明で以下の項目が自力でできる。 | 教員追加指導や学習支援者の指導で左記ができる | 左記の目標が達成できない。 |
評価項目3
出力と効率 | 教員の説明で以下の項目が自力でできる。 | 教員追加指導や学習支援者の指導で左記ができる | 左記の目標が達成できない。 |
評価項目4
燃料と燃焼 | 教員の説明で以下の項目が自力でできる。エンジンに使用される燃料,燃料の製造方法,必要とされる燃料の特性,石油に変わる燃料について理解できる.燃焼反応と発熱量,混合比,理論燃焼温度を理解できる. | 教員追加指導や学習支援者の指導で左記ができる | 左記の目標が達成できない。 |
評価項目5
吸排気 | 教員の説明で以下の項目が自力でできる。エンジンの吸排気,4サイクルエンジンの吸排気,2サイクルエンジンの掃気と排気,ガス交換の重要性,過給装置を理解できる. | 教員追加指導や学習支援者の指導で左記ができる | 左記の目標が達成できない。 |
評価項目5
ガソリンエンジンとディーゼルエンジン | 教員の説明で以下の項目が自力でできる。エンジンについて,エンジンの燃焼,エンジンの燃料供給,エンジンの燃焼室を理解できる. | 教員追加指導や学習支援者の指導で左記ができる | 左記の目標が達成できない。 |
評価項目6
冷却と潤滑 | 教員の説明で以下の項目が自力でできる。エンジンの冷却,エンジンの潤滑を理解できる. | 教員追加指導や学習支援者の指導で左記ができる | 左記の目標が達成できない。 |
評価項目7
エンジンの計測と評価 | 教員の説明で以下の項目が自力でできる。エンジンにおける計測,エンジンの評価項目,エンジンの燃費対策と将来性を理解できる. | 教員追加指導や学習支援者の指導で左記ができる | 左記の目標が達成できない。 |
学科の到達目標項目との関係
(分野別要件(工学(融合複合・新領域))基礎工学の知識・能力 JABEE基準2.1(1)
説明
閉じる
情報技術、専門工学の基礎を身につける 大分高専学習教育目標(B2)
説明
閉じる
教育方法等
概要:
機械工学科は,機械工学を中心とした幅広い学問と豊富な実験実習により,先端技術を含んだ多分野に対応できる人材の養成を目的とする。この目的を達成するために本科目は,④熱やエネルギーを利用する技術を中心とした学問・技術を教授し,これらを統合して社会に役立つものを設計・製作できる能力を培う。熱機関工学という授業科目は,その装置の原理や構造を学ぶだけではなく熱力学,伝熱工学,燃焼工学などの熱工学関係の内容と共に,ほかの専門科目との関係や各種の工学分野へ学生の興味を引き出すことができる工学系の総合教育としてもっとも活用できる科目でもある. 応用技術としての熱機関工学は,エネルギーや環境の問題が重要視されている現在では,出力の大きさや熱効率ばかりではなく,低公害性や用途に応じた利用,使用燃料の種類などを基準にして総合的に評価しなければならない.このような応用的な立場から総合的な判断力を養うことも,機械工学の教育および機械工学技術者の素養として重要である.本講義では,熱力学の基本的な部分,作動原理などを理解しやすくするために直接見る機会のない内燃機関の構造に関する説明,内容を理解しやすくするために使用する用語の説明,数式の導出,例題を通して授業における内容の理解度が上がるように工夫している.
授業の進め方・方法:
1. 原則として1コマ完結型とした講義を展開する
2. 教科書と併用して,思考を整理したり促したり,思考の過程を振り返ることができる,到達目標達成評価課題(以下「課題」)を使用する
3. 主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)を創造する学習を導入する
注意点:
1. 学生は本講義の受講に際して「学問的誠実性に対する約束」に署名して担当教員に提出すること
2. 「課題」は原則として講義終了時に提出すること
3. 総合評価は課題および試験で行う
4. 講義を欠席した場合,未到達レベルの目安(不可)の場合は,その講義の到達目標を達成するために補講および課題を行うこと
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
第1章 総論 pp.1-19 |
内燃機関の位置付け,エンジンの種類,エンジンの構造と役割,エンジンの作動原理,エンジンの課題を理解できる.
|
2週 |
第2章 エンジンの熱力学 pp.20-45 |
熱力学の基礎,エンジンの熱力学的サイクル,各サイクルの効率の比較,燃料空気サイクルおよび実際のサイクルを理解できる.
|
3週 |
第3章 出力と効率 その1 pp.46-52 |
出力とトルク,エンジンの仕事と出力の表し方,熱効率の表し方を理解できる.
|
4週 |
第3章 出力と効率 その2 pp.53-58 |
体積効率と充てん効率を理解できる.
|
5週 |
第4章 燃料 pp.59-77 |
エンジンに使用される燃料,燃料の製造方法,必要とされる燃料の特性,石油に変わる燃料について理解できる.
|
6週 |
第5章 燃焼 pp.78-87 |
燃焼反応と発熱量,混合比,理論燃焼温度を理解できる.
|
7週 |
アクティブラーニング1
|
課題解決的な学習、既習事項を活用する学習 自分の考えを発表・交流する機会
|
8週 |
中間試験 |
第1章〜第5章の範囲から出題する
|
2ndQ |
9週 |
前期中間試験の解答と解説 第6章 吸排気 pp.88-104 |
第1章〜第5章の範囲の試験の解答と解説をする エンジンの吸排気,4サイクルエンジンの吸排気,2サイクルエンジンの掃気と排気,ガス交換の重要性,過給装置を理解できる.
|
10週 |
第7章 ガソリンエンジン pp.105-122 |
ガソリンエンジンについて,ガソリンエンジンの燃焼,ガソリンエンジンの燃料供給,ガソリンエンジンの燃焼室を理解できる.
|
11週 |
第8章 ディーゼルエンジン pp.123-134 |
ディーゼルエンジンについて,ディーゼルエンジンの燃焼,ディーゼルエンジンの燃料供給,ディーゼルエンジンの燃焼室を理解できる.
|
12週 |
第9章 冷却と潤滑 pp.135-145 |
エンジンの冷却,エンジンの潤滑を理解できる.
|
13週 |
第10章 エンジンの計測と評価 pp.146-166 |
エンジンにおける計測,エンジンの評価項目,エンジンの燃費対策と将来性を理解できる.
|
14週 |
アクティブラーニング2 |
「できたこと」「わかったこと」の振り返り,日常生活、社会生活への広がり
|
15週 |
期末試験 |
第6章〜第10章の範囲から出題する
|
16週 |
期末試験の解答と解説 |
第6章〜第10章の範囲の試験の解答と解説をする
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 課題 | 試験 | 合計 |
総合評価割合 | 0 | 100 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 0 | 100 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 |