工学実験Ⅰ

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 工学実験Ⅰ
科目番号 30E214 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 電気電子工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 (教科書)電気電子工学科作成実験指導書/(参考図書)汎用ロジック・デバイス規格表CQ出版,電気回路の教科書
担当教員 山口 貴之,辻 繁樹,木本 智幸,上野 崇寿

到達目標

(1) 実験の目的を理解し、実験を楽しむことができる(実験,レポート)
(2) 指導書を読む力を身につけ、実験を計画的に遂行できる(実験,レポート)
(3) 安全性を十分考慮して、測定器を操作できる(実験,レポート)
(4) 回路図の通りに配線し、目的の動作をさせることができる(実験,レポート,実地テスト)
(5) 回路の動作原理を理解することができる(実験,レポート,実地テスト,筆記テスト)
(6) データの収集,解析ができる(実験,レポート)
(7) レポートの書き方を身につけ、把握したこと、理解したことを報告できる(レポート)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1実験の目的を理解するとともに、指導書を読む力を身につけ、実験を計画的に遂行できる。実験の目的を理解するとともに、指導書を読む力を身につける。実験の目的を理解をただしく理解できない。
評価項目2安全性を十分考慮して、測定器を操作し、回路図の通りに配線し、目的の動作をさせることができる。回路図の通りに配線できるが、測定器を操作できない。回路図の通りに配線できない。
評価項目3回路の動作原理を理解し、データの収集、解析ができる。回路の動作原理を理解し、データの収集できるが,解析ができない。回路の動作原理が理解できない。
評価項目4 レポートの書き方を身につけ、把握したこと、理解したことを報告できる。 レポートの書き方を身につることができる。 レポートの書き方が理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (D1) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (D2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
前期はテスタの製作とディジタルICを用いた電子回路の試作を行う。電気を感じ楽しむこと、自ら学ぶ力をつけることを最大の目標としている。後期は電圧計、電流計、オシロスコープなどの測定器を使った実験を行い、「電気回路」の基礎を確実にし、将来学ぶ「電気計測」の動機付けとする。また、レポートの書き方を身につける。

(科目情報)
授業時間 58.5時間
関連科目 電気回路Ⅰ,電気回路Ⅱ,工学実験Ⅱ,ディジタル回路Ⅰ,電磁気学Ⅰ,電子回路,電気計測
授業の進め方・方法:
前期は、レポートの記述内容と筆記テストと回路製作テストによって70点分、実験の取り組み状況によって30点分を評価する。

後期は、レポートの記述内容で80点分、実験の取り組み状況によって20点分を評価する。後期の実験レポートについては、レポート提出締切日に担当教員が内容を確認して不備があれば赤書きして当日中に返却する。返却後1週間以内に修正して再提出すること。なお、再提出レポートに不備があっても2度目の返却は行わずに採点を行うので留意すること。

総合評価は、前期と後期の単純平均とする。実験の取り組み状況は担当者の話し合いによって決める。再試験は実施しない。
注意点:
データの整理やレポート作成、考察などに役立てるために、実験ノートを各自一冊作り、実験で得たデータや知見をメモすること。後期の実験は、電気回路を充分理解した上で取り組むこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 テスタ製作 電気工具を利用して工作を行う.
2週 テスタによる測定 製作したテスタの使用方法を習得する.
3週 LEDとゲート素子(NOT) IC7414を使用してLEDを点灯.
4週 ゲート素子(AND,OR)と組合せ回路 IC7408,7411,7432の使用法を習得する.
5週 ゲート素子(NAND,NOR)と組合せ回路 IC7408,7414,7400の使用法を習得する.
6週 発振回路とその応用 LEDが点滅する回路を作成する.
7週 発振回路とゲート回路 擬似サイレン(救急車)の発生回路.
8週 小テスト (実技テスト&筆記テスト)
2ndQ
9週 (前期中間試験)
10週 シフトレジスタとリングカウンタ クリスマスツリーの電飾に応用する.
11週 リングカウンタとデコーダ LEDの点滅の仕方を自由に制御する.
12週 自動車模型のシーケンス制御 自動車模型のシーケンス制御を行う.
13週 2n進カウンタ 2進数でカウントアップする回路を作成する.
14週 小テスト (筆記テスト)
15週
16週
後期
3rdQ
1週 実験指導書の説明 実験手法の基礎と注意点を確認する.
2週 オームの法則に関する実験 オームの法則に関する実験を行い,電圧計と電流計の測定方法を身に着け,グラフ化する方法を習得する.
3週 レポートの書き方 実験データを元に,レポートのまとめ方の基本を習得する.
4週 オシロスコープの取り扱い オシロスコープの操作を修得する.
5週 交流回路の基礎実験Ⅰ RC回路の振幅特性を調べ,交流回路の理解を深めるとともにオシロスコープの取り扱い方もより深く習得する.
6週 交流回路の基礎実験Ⅱ RC回路の位相特性を調べ,交流回路の理解を深めるとともにオシロスコープの取り扱い方もより深く習得する.
7週 交流回路の基礎実験Ⅲ RL回路の振幅・位相特性を調べ,交流回路の理解を深めるとともにオシロスコープの取り扱い方もより深く習得する.
8週 交流回路の基礎実験Ⅳ RLC回路の振幅・位相特性を調べ,交流回路の理解を深めるとともにオシロスコープの取り扱い方もより深く習得する.
4thQ
9週
10週 液体抵抗と接地抵抗の測定および屋内配線における接地の役割 液体抵抗や接地抵抗の測定法を習得し、接地を意識した屋内配線の実技を行い配線法を習得する.
11週 倍率器,分流器の実験 電圧計,電流計を製作して、その構造を理解する.
12週 最大電力供給の定理に関する実験 内部抵抗を持つ電源を負荷に接続した場合において,負荷に最大電力を供給する条件を調べ,最大電力供給の定理を理解する.
13週 フェーザ軌跡に関する実験 電圧計でフェーザを測定する方法を学び,位相の概念を身に着ける.
14週 単相交流電力の測定 単相電力計の取り扱いを習得すると共に,力率などの理論計算の力を身に着ける.
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3前1,後2,後5,後6,後7,後8,後10,後11,後12,後13,後14
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3前1,後2,後5,後6,後7,後8,後10,後11,後12,後13,後14
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3前1,後2,後5,後6,後7,後8,後10,後11,後12,後13,後14
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3前3,後3,後5,後6,後7,後8,後10,後11,後12,後13,後14
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3前3,後3,後5,後6,後7,後8,後10,後11,後12,後13,後14
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3前3,後3,後5,後6,後7,後8,後10,後11,後12,後13,後14
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3前3,後3,後5,後6,後7,後8,後10,後11,後12,後13,後14
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3前3,後2,後4,後5,後7,後8,後10,後11,後12,後13,後14
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3前3,後2,後4,後5,後7,後8,後10,後11,後12,後13,後14
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3前3,後2,後4,後5,後7,後8,後10,後11,後12,後13,後14
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3前3,後3,後4,後5,後7,後8,後10,後11,後12,後13,後14
専門的能力分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。4後2,後4,後5,後6,後7,後8,後10,後11,後12,後13,後14
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。4後2,後4,後5,後6,後7,後8,後10,後11,後12,後13,後14
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。4後4,後5,後6,後7,後8,後11,後12,後13,後14
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。4後2,後4,後5,後6,後7,後8,後10,後11,後12,後13,後14
分流・分圧の関係を適用し、実験結果を考察できる。4後10,後11,後13,後14
論理回路の動作について実験結果を考察できる。4前3,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,前14
ディジタルICの使用方法を習得する。4前3,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,前14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ報告書合計
総合評価割合50025070100
基礎的能力0000000
専門的能力50025070100
分野横断的能力0000000