応用物理Ⅰ

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 応用物理Ⅰ
科目番号 31E309 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 配布プリント
担当教員 牧野 伸義

到達目標

(1) 運動方程式を理解するとともに,運動方程式から保存則を導くことができる.(定期試験・課題)
(2) 力学の典型的で簡単な演習問題を,解くことができる.(定期試験・課題)
(3) 実験を通して,教科書で習ったことをより深く理解し,実験レポートの書き方を身につける.(実験レポート)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1運動方程式を理解するとともに,運動方程式から保存則を導くことができ,保存則を用いて問題を解くことができる.運動方程式を理解するとともに,運動方程式から保存則を導くことができる運動方程式を理解するとともに,運動方程式から保存則を導くことができない.
評価項目2力学の典型的で簡単な演習問題を,複数の解法で解くことができる.力学の典型的で簡単な演習問題を解くことができる力学の典型的で簡単な演習問題を解くことができない.
評価項目3実験を通して実験レポートを作成する際に,これまでの学習内容を踏まえて適切な考察をすることができる.実験を通して,教科書で習ったことをより深く理解し,実験レポートを書くことができる.実験を通して,教科書で習ったことをより深く理解し,実験レポートを書くことができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (B1) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
微分積分学を用いたニュートン力学を学ぶ.微分を用いた質点の運動方程式を立て,解くことについて学習する.また、大きさがある物体の運動方程式についても学び,慣性モーメントが計算できるようになることを目的としている.
(科目情報)
授業時間:46.5時間
関連科目:物理Ⅱ,応用物理Ⅱ,物理学特論,宇宙地球科学
授業の進め方・方法:
空気抵抗のある物体の投げ上げ運動や、単振り子などの単振動など基本的な運動について、実際に微分を用いた質点の運動方程式を立て解くことを実践し、解法を解説する。後半では剛体の運動について学習し、多重積分を用いた慣性モーメントの計算などを身につける。
以上について、レポート課題を通じて学習ができ、自ら解析し問題を解く力を養う。

(実験レポートについて)
実験レポート点が6割以上であることを,単位取得の条件とする.

(再試験について)
再試験は再試験期間に1回のみ実施する.
注意点:
(履修上の注意)
微分積分学は,一般的な運動の記述のために必要不可欠な道具である.数学と物理学の知識を総動員し,物理現象の「微分積分を用いた数学的記述」に慣れるようにする.そのためにも微分積分学の復習は不可欠である.

(自学上の注意)
課題は自力で解いた後,自己採点し提出する.自己学習を通じ学習意欲と取組姿勢の分かるレポートの作成を心がける.間違ったところは,間違えた理由を明記した上で,必ずやり直す.ただし課題は,期限を過ぎ解答を配った後も受け取るが,無効とする。つまり評価点は0になる.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 質点と座標系 質点と座標系について理解できる
2週 変位・速度・加速度 変位・速度・加速度の定義を理解できる
3週 変位・速度・加速度 変位・速度・加速度の定義を理解できる
4週 ニュートンの運動の法則 微分を用いたニュートンの運動方程式について理解できる
5週 簡単な運動 斜方投射、斜面を滑る拘束系の運動など,一定の力が働いているときの質点について,ニュートンの運動方程式を立てて解くことができる
6週 簡単な運動 空気抵抗などがある質点の運動について,ニュートンの運動方程式を立てて解くことができる
7週 単振動 単振り子の運動方程式をたてて,解くことができる.
8週 単振動 調和振動子の運動方程式を立てて,解くことができる.
2ndQ
9週 前期中間試験
10週 前期中間試験の解答と解説
分からなかった部分を把握し,理解できる.
11週 仕事 エネルギーと仕事の概念を理解する
12週 保存力と位置エネルギー ポテンシャルエネルギーの定義と保存力について,理解できる.
13週 運動エネルギー 運動エネルギーについて理解し,仕事と運動エネルギーの変化の関係を導くことができる.
14週 力学的エネルギー保存則 力学的エネルギー保存則を理解し,ニュートンの運動方程式から導くことができる.
15週 前期期末試験
16週 前期期末試験の解答と解説
分からなかった部分を把握し理解できる.
後期
3rdQ
1週 実験の説明 実験の説明を行う.
2週 実験第一回
直線電流による磁界,比電荷の測定,
コンデンサー,ニュートン環,
ボルダの振り子,
地磁気の水平分力,光の波長.
3週 実験第二回 直線電流による磁界,比電荷の測定,
コンデンサー,ニュートン環,
ボルダの振り子,
地磁気の水平分力,光の波長.
4週 実験第三回
直線電流による磁界,比電荷の測定,
コンデンサー,ニュートン環,
ボルダの振り子,
地磁気の水平分力,光の波長.
5週 運動量と力積
運動量の力積の定義について理解できる.
6週 運動量保存 運動方程式から運動量保存則を導くことができる.
7週 質点系の運動 質点系の運動方程式について理解できる.
8週 力のモーメント 力のモーメントの定義を,外積を用いて理解できる.
4thQ
9週 角運動量 角運動量の定義を,外積を用いて理解できる.
10週 回転運動の方程式 質点の回転を,回転の運動方程式を使って記述できることを理解する.
11週 剛体のつりあい 剛体のつりあい状態を調べ,理解する.
12週 剛体のつりあい 剛体のつりあい状態を調べ,理解する.
13週 慣性モーメント 慣性モーメントを理解し,計算する.
14週 慣性モーメント 慣性モーメントを理解し,計算する.
15週 後期期末試験
16週 後期期末試験の解答と解説 分からなかった部分を把握し理解できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3
力のモーメントを求めることができる。3
角運動量を求めることができる。3
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3
重心に関する計算ができる。3
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3
物理実験物理実験実験報告書を決められた形式で作成できる。3
有効数字を考慮して、データを集計することができる。3
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
電磁気に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
電子・原子に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3

評価割合

試験実験レポートおよび課題合計
総合評価割合6535100
基礎的能力6535100
専門的能力000