通信工学Ⅱ

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 通信工学Ⅱ
科目番号 31E527 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気電子工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 (教科書)三輪進他,「アンテナおよび電波伝搬」,東京電機大学出版局
担当教員 木本 智幸

到達目標

(1) マクスウェル電磁方程式の解析から電磁波の放射特性について理解し,ヘルツダイポール および半波長アンテナの利得,指向性と実行長,実効面積,放射抵抗など,電磁波の放射,伝播,受信などの技術に関わる基本事項の計算ができる.(定期試験,課題)
(2) アンテナの特性を理解し,使用用途の違いによってどのアンテナが適切であるかを推定できる.(定期試験)
(3) 電離層内など媒質変化のある空間における電磁波の伝播特性について理解し,説明できる.(定期試験)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1マクスウェル電磁方程式の解析から電磁波の放射特性について理解し,ヘルツダイポール および半波長アンテナの利得,指向性と実行長,実効面積,放射抵抗など,電磁波の放射,伝播,受信などの技術に関わる基本事項の計算ができる.マクスウェル電磁方程式の解析から電磁波の放射特性について理解し,ヘルツダイポール および半波長アンテナの利得,指向性と実行長,実効面積,放射抵抗など,電磁波の放射,伝播,受信などの技術に関わる基本事項が理解できる.マクスウェル電磁方程式の解析から電磁波の放射特性について理解し,ヘルツダイポール および半波長アンテナの利得,指向性と実行長,実効面積,放射抵抗など,電磁波の放射,伝播,受信などの技術に関わる基本事項が理解できない.
評価項目2アンテナの特性を理解し,使用用途の違いによってどのアンテナが適切であるかを推定できる.アンテナ毎の特性を理解し,利用条件を理解できる.アンテナ毎の特性を理解できるが,利用条件が理解できない.
評価項目3電離層内など媒質変化のある空間における電磁波の伝播特性について理解し,説明できる.電離層内など媒質変化のある空間における電磁波の伝播特性について理解できる.電離層内など媒質変化のある空間における電磁波の伝播特性について理解できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (B2) 説明 閉じる
JABEE 1(2)(g) 説明 閉じる
JABEE 2.1(1)② 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電磁気学Ⅱで学んだヘルツダイポールアンテナの電磁波の式を元にアンテナ全般の基礎となる半波長アンテナについて解析を行う.さらに,各種アンテナの実例と動作原理および特徴について学ぶ.また,電波伝搬の性質を説明し,地上波,対流圏波,電離層波の特質を学ぶ.

(科目情報)
教育プログラム 第2学年 ○科目
授業時間 23.25時間
関連科目 通信工学Ⅰ,電磁気学Ⅱ
授業の進め方・方法:
身近にあるアンテナの特性を十分理解させるだけでなく,通信を行う環境条件(移動体通信、地上放送、衛星放送)によって,適切なアンテナが存在することを理解できるように進める.実際のアンテナを見学に行くことができないので,スライドで様々なアンテナを見せたり,電磁波の伝搬の様子をコンピュータグラフィックスで紹介したりして,理解が深まるように工夫しながら授業を進める.

(再試実施条件)
総合評価が50点以上60点未満の学生には再試験を行い,60点以上取得で合格とする.正当な理由なく定期試験を欠席した者や不正行為により不合格となった者には再試験は行わない.
注意点:
(履修上の注意)
電気回路Ⅴで学んだ分布定数線路と電磁気学Ⅱで学んだマクスウェル方程式・ヘルツダイポールアンテナは通信工学Ⅱの中核を成す基礎となるため,必ず理解しておくこと.電磁波は波であり,時間的にも空間的にも変化するため,教科書の記述だけでは理解することが難しい.計算機シミュレーションで教科書を補うなどの工夫をするが,理解できないときは質問をすること.

(自学上の注意)
授業では,多くの数式計算が使われるが,理論の説明に焦点を当て,細かな計算の説明は行わない.一方,定期試験では計算も含めて出題するので自宅では,その日の授業の復習をするとともに,計算を自分で行い,理解に努めること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 マクスウェル方程式と電磁波 ヘルツダイポールアンテナの放射電磁波をマクスウェル方程式を用いて解いた場合の,電磁波の式を理解し説明できる.
2週 ヘルツダイポールアンテナの指向性 ヘルツダイポールアンテナから放射される電磁場の指向性を理解し、求めることができる.
3週 ヘルツダイポールアンテナの放射抵抗 ヘルツダイポールアンテナの放射抵抗を理解し、求めることができる.
4週 半波長ダイポールアンテナの放射電界 半波長ダイポールアンテナから放射される電磁場の指向性を理解し、求めることができる.
5週 半波長ダイポールアンテナの放射インピーダンスと入力インピーダンス 半波長ダイポールアンテナの放射インピーダンスと入力インピーダンスを理解し、求めることができる.
6週 任意波長のダイポールアンテナの指向性 任意波長のダイポールアンテナから放射される電磁場の指向性を理解し、求めることができる.
7週 アンテナの実効長と実効面積 アンテナの利得を計算するための準備として,実効長の計算法を学ぶ.アンテナの実効面積を理解し,求めることができる.
8週 アンテナの利得 アンテナの利得とは何かを知り,仕様が与えられた場合にそれを満足するのに必要なアンテナの利得を計算できる.
2ndQ
9週 前期中間試験
10週 様々なアンテナⅠ 各種アンテナ(半波長折り返しアンテナ,八木アンテナ,フェーズトアレー,任意長ダイポールアンテナ,パラボラ,中波送信アンテナ,超短波用垂直アンテナ,ターンスタイルアンテナ,ヘリカルアンテナ,ダイバーシチーアンテナ)の性質を学び,説明できる.※実際のアンテナのスライドを見る.
11週 様々なアンテナⅡ 同上
12週 電磁波の反射と屈折Ⅰ 異なる媒質を通過する際に,電磁波が反射と屈折を生じることを理解できる.反射係数と透過係数を導出する方法を理解できる.
13週 電磁波の反射と屈折Ⅰ 反射係数と透過係数を利用して,全反射と全透過が生じる条件を導出できる.
14週 電波伝搬 電離気体中での電気的性質と電磁波の屈折,電離層反射,フェージングについて学ぶ
15週 前期期末試験
16週 試験解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合90000010100
基礎的能力0000000
専門的能力90000010100
分野横断的能力0000000