工学実験Ⅱ

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 工学実験Ⅱ
科目番号 R02E316 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 電気電子工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 本校教員作成の実験指導書/電気回路,電磁気学,電子回路のテキスト
担当教員 木本 智幸,石川 誠司,佐藤 秀則,田中 大輔

到達目標

(1) 測定器や部品を扱うことで,座学で習った理論に対して現実的なイメージを持つ.(実験の取り組み状況)
(2) オシロスコープなどの基本的な測定器の操作法を身に付ける.(実験の取り組み状況とレポート)
(3) 回路図を元に,実際の配線が組めるようになる.(実験の取り組み状況とレポート)
(4) 身体および測定器にとって,安全な実験法を習得する.(実験の取り組み状況とレポート)
(5) データ処理法を身に付ける.(レポート)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
測定器や部品を扱うことで,座学で習った理論に対して現実的なイメージを持つ.測定器や部品を扱うことで,座学で習った理論に対して現実的なイメージできること測定器や部品を扱うことで,座学で習った理論に対して基本的な現実的なイメージできること測定器や部品を扱うことで,座学で習った理論に対して基本的な現実的なイメージできない
オシロスコープなどの基本的な測定器の操作法を身に付ける.オシロスコープなどの基本的な測定器を使って,複数の観測したい信号の大きさ,周波数,位相を確認できること.オシロスコープなどの基本的な測定器を使って,観測したい信号を確認できること.オシロスコープなどの基本的な測定器を使って,観測したい信号を確認できない
回路図を元に,実際の配線が組めるようになる.回路図を元に,実際の配線が効率的に組めること回路図を元に,実際の配線が組めること回路図を元に,実際の配線が組めない
身体および測定器にとって,安全な実験法を習得する.身体および測定器にとって,常に安全な実験ができること.身体および測定器にとって,基本的に安全な実験ができること.身体および測定器にとって,基本的に安全な実験ができない
データ処理法を身に付ける.他者にもわかりやすく,考察に繋がるデータ処理法ができる.考察に繋がるデータ処理法ができる.考察に繋がるデータ処理法ができない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (D1) 説明 閉じる
学習・教育目標 (D2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電子回路,電気回路,電気計測,電気機器の理論を実験を通して習得し理解する.具体的な機器の取り扱い方法の習得,配線の訓練,安全な実験法の習得,データの処理法,レポートのまとめ方について学ぶ.
授業の進め方・方法:
各サイクルの始めの時間に,安全教育を行う.本実験は,高電圧やモータなどを使う場合があるため,転倒防止のため靴を履き,巻き込み防止のため体にフィットした学科指定の服装を着るなど十分安全に配慮すること.予習を行い,実験のモチベーションを十分理解して実験に望むこと.レポートの提出期限は厳守すること.
注意点:
(総合評価)
各実験の評価=レポート(70点分)+実験スキル評価および取り組み状況(30点分).
ただし,第1サイクルの実験レポートについては,レポート提出締切日に担当教員が内容を確認して不備があれば赤書きして当日中に返却する.返却後1週間以内に修正して再提出すること.再提出レポートに不備があっても2度目の返却は行わずに採点を行うので留意すること.
総合評価は,各実験の評価の単純平均とし,60点以上を合格とする.

(単位修得の条件)
総合評価が60点以上を合格とする.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 安全教育
第1サイクル:ガイダンス
感電等の事故を起こさないことや測定器を破損してけがをしないための器具の安全な取扱い方および実験手法を習得する.また,第1サイクルの実験内容に関する画院ダンスを行う.
2週 第1サイクル:ガイダンス 第1サイクルの実験内容に関する画院ダンスを行う.
3週 第2サイクル:トランジスタ回路ガイダンス 電子回路の各種部品を知り,その性質を理解する.
4週 第1サイクル 予習とレポートの作成 第1サイクルの1回目の実験の予習を行うと共に,実験レポートの作成を行う
5週 第1サイクル 予習とレポートの作成 第1サイクルの1回目の実験の予習を行うと共に,実験レポートの作成を行う
6週 第1サイクル:ダイオードの静特性 シリコンダイオードとゲルマニウムダイオードの電圧電流特性の測定を行い,特性を理解する.
7週 第1サイクル:電磁誘導と相互誘導回路 二つのインダクタを使って,電磁誘導と相互誘導回路の原理を理解する.
8週 第1サイクル:変成器と理想変成器 相互インダクタンスの鉄芯の有無における性質の違いを測定し,理想変成器を理解する.
2ndQ
9週 第1サイクル:キャンベルブリッジとケリーフォスタブリッジ キャンベルブリッジとケリーフォスターブリッジを使って,周波数やインダクタンスが測定できる原理を理解する.
10週 第1サイクル:キルヒホッフの法則の検証 キルヒホッフの検証実験を通して,実験の有効桁および有効桁の数値処理方法を理解する.
11週 第1サイクル:電位分布の測定 水槽に張った水に交流電圧をかけて,電位分布を測定し,平行平板電極や点電極間の電位分布を理解する.また,電界シールドについて理解する.
12週 第2サイクル:お風呂センサーの作成 お風呂センサを題材とし,トランジスタでの直流増幅について理解する.
13週 第2サイクル:A級小信号アンプの作成 トランジスタを使って,交流増幅を実現する方法を理解する.
14週
15週
16週
後期
3rdQ
1週 第3サイクル ガイダンス
第4サイクル ガイダンス
第3サイクル
電気回路、電磁気学、電子回路で学んだ理論を実験を通して実際に経験する.併せて測定器の使用法を習得する.
第4サイクル
電気機器工学と電気回路で学んだ理論および技術を実験を通して経験し,技術を修得する.
2週 第3サイクル 増幅回路特性測定 第3サイクル
電気回路、電磁気学、電子回路で学んだ理論を実験を通して実際に経験する.併せて測定器の使用法を習得する.
3週 第3サイクル 増幅回路特性測定 第3サイクル
電気回路、電磁気学、電子回路で学んだ理論を実験を通して実際に経験する.併せて測定器の使用法を習得する.
4週 第3サイクル 過渡現象 第3サイクル
電気回路、電磁気学、電子回路で学んだ理論を実験を通して実際に経験する.併せて測定器の使用法を習得する.
5週 第3サイクル 鉄心のヒステリシス特性 第3サイクル
電気回路、電磁気学、電子回路で学んだ理論を実験を通して実際に経験する.併せて測定器の使用法を習得する.
6週 第3サイクル 共振回路 第3サイクル
電気回路、電磁気学、電子回路で学んだ理論を実験を通して実際に経験する.併せて測定器の使用法を習得する.
7週 第3サイクル Qメータ 第3サイクル
電気回路、電磁気学、電子回路で学んだ理論を実験を通して実際に経験する.併せて測定器の使用法を習得する.
8週 第4サイクル 直流機無負荷特性 第4サイクル
電気機器工学と電気回路で学んだ理論および技術を実験を通して経験し,技術を修得する.
4thQ
9週 第4サイクル 直流機の外部特性 第4サイクル
電気機器工学と電気回路で学んだ理論および技術を実験を通して経験し,技術を修得する.
10週 第4サイクル 直流機の特性試験 第4サイクル
電気機器工学と電気回路で学んだ理論および技術を実験を通して経験し,技術を修得する.
11週 第4サイクル 三相電力の測定 第4サイクル
電気機器工学と電気回路で学んだ理論および技術を実験を通して経験し,技術を修得する.
12週 第4サイクル 単相変圧器の特性 第4サイクル
電気機器工学と電気回路で学んだ理論および技術を実験を通して経験し,技術を修得する.
13週 第4サイクル 単相変圧器の三相結線 第4サイクル
電気機器工学と電気回路で学んだ理論および技術を実験を通して経験し,技術を修得する.
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3前1,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3前1,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3前6,前7,前8,前9,前10,前11,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3前1,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3前1,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3前1,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3前1,後8,後9,後10,後11,後12,後13
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3前1,後8
専門的能力分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。4前1,前6,前7,前8,前9,前10,前11
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。4前1,前7,前8,前9,前10,後13
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。4前1,前13,後13
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。4前1,前3,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,後13
キルヒホッフの法則を適用し、実験結果を考察できる。4前10
分流・分圧の関係を適用し、実験結果を考察できる。4
ブリッジ回路の平衡条件を適用し、実験結果を考察できる。4前9
重ねの理を適用し、実験結果を考察できる。4後6
インピーダンスの周波数特性を考慮し、実験結果を考察できる。4後3,後6,後7
共振について、実験結果を考察できる。4後6,後7
増幅回路等(トランジスタ、オペアンプ)の動作に関する実験結果を考察できる。4前12,前13,後2,後3
ダイオードの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。4前6
トランジスタの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。4後2,後3

評価割合

レポート取り組み状況合計
総合評価割合7030100
基礎的能力351550
専門的能力351550
分野横断的能力000