到達目標
(1) 生物がもつ共通性と多様性を理解し,生命活動に必要なエネルギーの変換・獲得経路について理解できる(定期試験と課題).
(2) 遺伝子の構造やその役割について理解できる(定期試験と課題).
(3) 生物の体内環境の維持について理解できる(定期試験と課題).
(4) 地球環境とバイオーム,生態系とその保全について理解できる(定期試験と課題).
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 生物がもつ共通性と多様性を理解し,生命活動に必要なエネルギーの変換・獲得経路について理解でき,的確な例が挙げられる.
| 生物がもつ共通性と多様性を理解し,生命活動に必要なエネルギーの変換・獲得経路について理解できる.
| 生物がもつ共通性と多様性を理解ができない.生命活動に必要なエネルギーの変換・獲得経路について理解できない.
|
評価項目2 | 遺伝子の構造やその役割について理解でき,遺伝に関するさまざまな事象が説明できる.
| 遺伝子の構造やその役割について理解できる.
| 遺伝子や染色体などの基礎的な概念が把握できない.
|
評価項目3 | 生物の体内環境の維持のしくみについて理解でき,体に起こるさまざまな事象と関連づけて説明ができる.
| 生物の体内環境の維持のしくみについて理解できる.
| 生物の体内環境の維持のしくみについて理解できない.
|
評価項目4 | 地球環境とバイオーム,生態系とその保全について理解でき,現在生じている問題と関連が指摘できる.
| 地球環境とバイオーム,生態系とその保全について理解できる.
| 地球環境とバイオーム,生態系などの重要性が理解できない.
|
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
近年,生命科学は著しく進展し,その研究成果は医療や農業分野へ応用され,私たちの健康や生活にも密接に関係してきている.また,環境保全への人々の関心が高まり,生態系の保全や生物多様性の理解が重要となってきている.これらのことを理解するには,生物学の基礎的な知識が必要である.本講義では,生物の多様性・共通性,遺伝子の働き,体内環境の維持および生態系の構造や保全等を網羅的に学習する.
授業の進め方・方法:
生物では,基本的な重要事項を理解し,全体の流れを把握することに努める.平易な参考図書を用いて予習と復習をしっかりして,授業内容のつながりを大切にする.
(事前学習)
教科書を読んでおくこと.特に重要事項には目を通しておくこと.
注意点:
(履修上の注意)
講義の途中でもわからなくなったらすぐに質問すること.
(自学上の注意)
受講後は,十分時間をかけて復習すること.
評価
(総合評価)
総合評価=定期試験の平均×0.80+課題点×0.20
(単位修得の条件について)
総合評価が60点以上であることを,単位取得の条件とする.
(再試験について)
再試験は,総合評価が60点に満たない者に対して行う.
授業の属性・履修上の区分
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
多様な生物に見られる共通性
|
多様な地球環境とそれに適応した生物の特徴や進化について理解する.
|
2週 |
生物の共通性としての細胞
|
生物の共通した特徴と細胞について理解する.また,原核細胞と真核細胞の構造上の違いについても理解する.
|
3週 |
エネルギーと代謝
|
生体内の化学反応である代謝や生命活動に使われるエネルギーについて理解する.
|
4週 |
代謝を進める酵素
|
酵素の構造とはたらきについて理解する.
|
5週 |
生体内におけるエネルギー変換(光合成)
|
無機物から有機物をつくる炭酸同化と光エネルギーを用いた光合成について理解する.また,葉緑体のはたらきについても理解する.
|
6週 |
生体内におけるエネルギー変換(呼吸)
|
細胞呼吸とミトコンドリアのはたらきについて理解する.
|
7週 |
ミトコンドリアと葉緑体の起源
|
ミトコンドリアと葉緑体の起源とされる細胞内共生説について理解する.
|
8週 |
遺伝情報とDNA
|
遺伝と形質,遺伝子とDNAの構造について理解する.
|
2ndQ |
9週 |
前期中間試験
|
|
10週 |
前期中間試験の解答と解説
|
わからなかった部分を把握し,理解できるようにする.
|
11週 |
細胞分裂およびゲノムと遺伝情報
|
細胞分裂と遺伝情報の配分について理解する.また,ゲノムと遺伝情報との関連についても理解する.
|
12週 |
タンパク質の構造と役割
|
タンパク質の構造と役割について理解する.
|
13週 |
転写と翻訳
|
遺伝情報からタンパク質が形成される転写と翻訳の過程について理解する.
|
14週 |
遺伝子の発現と生命現象
|
遺伝子の発現と生命現象との関係を理解する.
|
15週 |
前期期末試験 |
|
16週 |
前期期末試験の解答と解説
|
わからなかった部分を把握し,理解できるようにする.
|
後期 |
3rdQ |
1週 |
体内環境の特徴
|
体内環境の特徴と体液のはたらきについて理解する.また,心臓と血液循環についても理解する.
|
2週 |
体内環境を調節する器官
|
体内環境を調節する器官である肝臓と腎臓のはたらきについて理解する.
|
3週 |
自律神経系による調節
|
体内環境の調節と自律神経のはたらきについて理解する.
|
4週 |
内分泌系による調節
|
体内環境の調節と内分泌系のはたらきについて理解する.
|
5週 |
自律神経と内分泌系の協同調節
|
血糖値や体温の調節など,自律神経と内分泌系が協同で調節にあたる事例について理解する.
|
6週 |
生体防御と免疫
|
病原体の種類とそれらから体を守るしくみについて理解する.
|
7週 |
自然免疫
|
自然免疫の機構と生体防御にはたらく細胞について理解する.
|
8週 |
適応免疫
|
適応免疫の機構と生体防御にはたらく細胞について理解する.
|
4thQ |
9週 |
後期中間試験
|
|
10週 |
後期中間試験の解答と解説
|
わからなかった部分を把握し,理解できるようにする.
|
11週 |
植生とその環境
|
植生が環境に与える作用や影響について理解する.
|
12週 |
気候とバイオーム
|
バイオームの種類と代表的な植物および気候や環境との関係について理解する.
|
13週 |
生態系のしくみと物質循環
|
生態系のしくみについて理解する.また,炭素や窒素などが生態系内で循環し,環境に与える影響についても理解する.
|
14週 |
生物多様性の保全
|
生物多様性の意義と必要性および生物や環境の保全について理解する.
|
15週 |
後期期末試験
|
|
16週 |
後期期末試験の解答と解説
|
わからなかった部分を把握し,理解できるようにする.
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | ライフサイエンス/アースサイエンス | ライフサイエンス/アースサイエンス | 地球上の生物の多様性について説明できる。 | 3 | |
生物の共通性と進化の関係について説明できる。 | 3 | |
生物に共通する性質について説明できる。 | 3 | |
植生の遷移について説明でき、そのしくみについて説明できる。 | 3 | |
世界のバイオームとその分布について説明できる。 | 3 | |
日本のバイオームの水平分布、垂直分布について説明できる。 | 3 | |
生態系の構成要素(生産者、消費者、分解者、非生物的環境)とその関係について説明できる。 | 3 | |
生態ピラミッドについて説明できる。 | 3 | |
生態系における炭素の循環とエネルギーの流れについて説明できる。 | 3 | |
熱帯林の減少と生物多様性の喪失について説明できる。 | 3 | |
有害物質の生物濃縮について説明できる。 | 3 | |
地球温暖化の問題点、原因と対策について説明できる。 | 3 | |
評価割合
| 試験 | 課題 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 80 | 20 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 |