物理Ⅰ

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 物理Ⅰ
科目番号 R03E108 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 電気電子工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:4
教科書/教材 (教科書)改訂版「総合物理1(力と運動・熱)」数研出版/(参考図書)「リードα物理基礎・物理」数研出版
担当教員 藤本 教寛

到達目標

(1)物体の運動・力に関する定義や法則を理解し,数式で適切に表すことができる.(定期試験と課題)
(2)運動量・力学的エネルギーを理解し,それらの保存則を物理現象に使うことができる.(定期試験と課題)
(3)直線上の運動だけでなく,平面・空間での運動についても数式で表すことができる.(定期試験と課題)
(4)物理的な見方,考え方を理解するとともに,問題集を使って自主的に学習することができる.(定期試験と課題)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1物体の運動・力に関する定義や法則を正しく数式で理解して物理量を計算でき,答えの妥当さを判断することができる.物体の運動・力に関する定義や法則を正しく理解し,数式で適切に表して解くことができる.物体の運動・力に関する定義や法則を正しく理解しておらず,数式を用いて問題を解くことができない.
評価項目2運動量・力学的エネルギーを適切に理解し,それらの保存則を宇宙や日常生活の諸物理現象に適用して,物理量を計算することができる.運動量・力学的エネルギーを理解し,それらの保存則を用いて問題を解き,答えを計算することができる.運動量・力学的エネルギーの概念を理解しておらず,それらの保存則を用いて問題を解くことができない.
評価項目3直線上の運動を含め,平面・空間での運動について理解しながら数式で適切に表すことができ,答えの妥当さを判断することができる.直線上の運動を含め,平面・空間での運動について数式で適切に表し,問題を解くことができる.直線上の運動を含め,平面・空間での運動について理解しておらず,数式でそれらを表して問題を解くことができない.
評価項目4物理的な見方,考え方を理解しを身につけるとともに,問題集を使って自主的に学習し,応用問題などにも取り組むことができる.物理的な見方,考え方を身につけ,問題集を使って自主的に学習することができる.物理的な見方,考え方を身につけることができず,問題集を使った自主的な学習ができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (B1) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
専門科目を学ぶ上で,基礎となる物理の力を身につける.力や運動に関する物理現象を数式で表わすことに慣れる事に力点を置く.
授業の進め方・方法:
教科書を中心教材として,板書による授業を行う.教科書だけではどうしても理解が深まらないので,問題集を利用して適宜課題を課し,授業で解説するなどを行う.
(事前学習)
教科書を読み予習してくることを前提として講義を進める.シラバスを参考に,予習をしっかり行うこと.
注意点:
(履修上の注意)
教科書と教材,板書ノートを持参して授業に臨むこと.
授業中の態度などにより,10%を上限として総合点を減点することがある.
(自学上の注意)
課題用ノートを板書ノートとは別に作成し,課題に随時取り組むこと.
また,わからないところなどはメモを残すなどし,教員に質問することで必ず問題解決を図ること.

評価

(総合評価)
新型コロナウイルスの影響により,web 授業を授業期間の1/4以上ほど行った場合,web授業の内容を書いた板書ノートの提出を求め,課題点として総合評価の1割とする.
・総合評価【Web授業なし】=(定期試験の平均点)×0.70+(課題の平均点)×0.30
・総合評価<Web授業あり>=(定期試験の平均点)×0.50+(Web小テスト)×0.10+(課題の平均点)×0.30+(ノート提出)×0.10
(単位修得の条件について)
総合評価が60 点以上を合格とする.
(再試験について)
再試験は総合評価が60点に満たないものに対して年度末の再試験期間に1回のみ実施するが,課題を 70%以上提出している事を受験資格の条件とする.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 物理Iへの導入 物理を学ぶ上で必要な文字式や用語の扱いなどを理解し,おおよそ説明することができる.
2週 運動の表し方① 速さの定義を理解し,説明ができる.瞬間ならびに平均の速さが求められ,等速直線運動を説明することができる.
3週 運動の表し方② ベクトルを用いた変位・速度の表し方を理解し,それらを図示できる.それを踏まえ,平均の速度と瞬間の速度を理解し,説明することができる.
4週 運動の表し方③ 速度の合成と分解を理解して図示できる.相対速度を理解し,2物体の運動に対して使うことができる.
5週 運動の表し方④ 加速度運動を理解し,加速度の向き,瞬間の加速度を求めることができる.
6週 運動の表し方⑤ 等加速度直線運動の基本を理解し,変位や速度などの量を求めることができる.
7週 運動の表し方⑥ 自由落下,鉛直投げ上げ,水平投射における物体の運動について理解し,物理量を計算して求めることができる.
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 前期中間試験の解答と解説 分からなかった問題を把握し,理解することができる.
10週 運動の表し方⑦ 斜方投射について理解し,物理量を計算して求めることができる.
11週 運動の法則① 重力や,フックの法則による弾性力などの表し方について正しく理解し,物体に作用する力を図示できる.また,力のつりあいの式をたてることができる.
12週 運動の法則② 力の作用と反作用の関係,慣性の法則について説明できる.ニュートンの運動の法則を理解した上で,運動方程式を立てることができる.
13週 運動の法則③ 斜面上の物体や力を及ぼしあう物体間に働く力を理解し,力を図示できる.力のつりあいの式,運動方程式をたてて解くことができる.
14週 運動の法則④ 摩擦が働くときの物体の運動について,静止摩擦力と動摩擦力を説明でき,最大摩擦力および動摩擦力に関する計算ができる.
15週 前期期末試験
16週 前期期末試験の解答と解説 分からなかった問題を把握し,理解することができる.
後期
3rdQ
1週 流体や剛体に働く力① 圧力や大気圧,水圧について理解し,圧力に関する計算ができる.
2週 流体や剛体に働く力② 空気の抵抗力について学び,終端速度を説明できる.また,浮力について理解し,浮力を求めることができるようになる.
3週 流体や剛体に働く力③ 剛体の運動を学び,力のモーメントを説明できる.剛体のつりあいの条件を理解し,静止する剛体に働く力や重心などを求めることができる.
4週 力学的エネルギー① 力と仕事の関係を理解し,計算して求めることができる.
5週 力学的エネルギー② 運動エネルギー,位置エネルギー(重力,弾性力の位置エネルギー)を学び,仕事やエネルギーなどを計算することができる.
6週 力学的エネルギー③ 力学的エネルギー保存の法則を理解して,力学の現象に適用できる.
7週 運動量① 力積と運動量の関係を理解し,運動に伴う物理量を計算して求めることができる.
8週 運動量② 運動量保存則を理解し,運動に伴う物理量を計算して求めることができる.
4thQ
9週 後期中間試験
10週 後期中間試験の解答と解説 分からなかった問題を把握し,理解することができる.
11週 運動量③ 反発係数について理解し,運動量保存則とともに物体との衝突後の速度などの量を計算して求めることができる.
12週 平面・空間での運動① 等速円運動について,さまざまな物理量を計算して求めることができる.慣性力,遠心力を説明できる.
13週 平面・空間での運動② 単振動,ばね振り子,単振り子を理解し,変位,速度,加速度,周期などを求めることができる.
14週 平面・空間での運動③ 惑星の運動を理解し,ケプラーの法則を説明できる.万有引力の法則を学び,万有引力および万有引力による位置エネルギーを理解して,計算に用いることができる.
15週 後期期末試験
16週 後期期末試験の解答と解説 分からなかった問題を把握し,理解することができる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3前2,前3,前5
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3前4
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3前6,前8
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3前3,前4
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。3前2,前3
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前7
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前8
物体に作用する力を図示することができる。3前11
力の合成と分解をすることができる。3前13
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3前11,後1,後2
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3前11
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。3前11
慣性の法則について説明できる。3前12
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3前12
運動方程式を用いた計算ができる。3前12,前13
運動の法則について説明できる。3前13
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3前14
最大摩擦力に関する計算ができる。3前14
動摩擦力に関する計算ができる。3前14
仕事と仕事率に関する計算ができる。3後4
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3後4,後5
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3後5
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3後5
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3後6
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3後7
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3後7
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3後8,後11
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3後12
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3後13
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3後12,後13
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.3後14
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。3後14

評価割合

定期試験課題点合計
総合評価割合7030100
基礎的能力7030100
専門的能力000
分野横断的能力000