電磁気学Ⅰ

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電磁気学Ⅰ
科目番号 R03E312 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 電気電子工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 (教科書)山口昌一郎「基礎電磁気学」電気学会
担当教員 高橋 徹

到達目標

(1)電磁気現象を電場と磁場で把握する電磁気学の方法を理解する.(定期試験)
(2)簡単な電磁気的状況を電磁気学のモデルを用いて分析あるいは計算できる.(定期試験)
(3)静電場,導体と誘電体,静電容量,電流と磁場,電磁力,電磁誘導,インダクタンス,磁性体に関連する現象や法則について説明でき計算できる.(定期試験)
(4)演習問題を通して理解を深めるとともに,継続的な学習ができるようになる.(課題)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 電磁気現象を電場と磁場で把握する電磁気学の方法を理解する.深く理解し,自ら考えを広げることができる.理解している.理解していない.
評価項目2 簡単な電磁気的状況を電磁気学のモデルを用いて分析あるいは計算できる.新しい問題を自ら分析し計算できる.問題を分析し計算できる.計算できない.
評価項目3 演習問題を通して理解を深めるとともに,継続的な学習ができるようにする.自ら進んで方向を定めて継続的に学習できる.継続的に学習できる.学習習慣が身についていない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (B2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電気電子工学の基礎学問の一つとして電磁気学を学習する.まず,電荷,クーロン力,電場,ガウスの法則,電位,静電容量,誘電体について学ぶ.続いて電流,電流による磁場,電磁力,電磁誘導,インダクタンス,磁性体について学ぶ.最後にMaxwellの方程式について学び,電磁気現象を統括して把握する.
(科目情報)
必修 4単位 (前期2コマ,後期2コマ)
授業の進め方・方法:
講義と課題により授業を進める.
(事前学習)
前回までの授業を復習し,教科書を読んでわからない点を確認しておくと良い.
(参考図書):山田直平,桂井誠「電気磁気学」電気学会; 後藤憲一,山崎修一郎「詳解電磁気学演習」共立出版
注意点:
(履修上の注意)
テキストの例題および章末の演習,課題を必ず行うこと.
(自学上の注意)
教科書の例題,章末問題,課題を自分で解くこと.

評価

(総合評価方法) 
到達目標の(1)~(4)について4回の定期試験と課題で評価する.
総合評価=0.8×(4回の定期試験の平均)+0.2×(課題点).
総合評価が60点以上を合格とする.
(再試験について)
再試験は定期試験の平均が30点以上で課題を提出している者に対して行う.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 [1]電荷と電気力 [1]電荷の間に働く電気力(クーロン力)について学ぶ.摩擦電気,電荷,導体と絶縁体,静電誘導について理解する.
2週 [2]電場とガウスの法則 [2]電磁気学の中心的概念の一つである電場の概念を導入し,ガウスの法則を学ぶ.電場の合成,電気力線について理解する.
3週 同上 同上
4週 [3]電位 [3] 単位電荷あたりのエネルギーに対応する電位の概念を導入する.電場と電位との関係を理解し,その計算法を学ぶ.連続的な電荷分布による電位・電場を理解し計算する.
5週 同上 同上
6週 [4]種々の帯電体 [4] 種々の帯電体によって生じる電場と電位を考察する.導体と電場,電気双極子について理解する.
7週 同上 同上
8週 [5]静電容量 [5]電場が蓄える電気エネルギーについて学ぶ.静電容量の概念を理解し,様々の状況における静電容量と電位,電場との関係を導出する.
2ndQ
9週 中間試験
10週 静電容量 同上
11週 同上 同上
12週 [6]誘電体 [6]誘電体について学び,誘電率,境界条件について理解する.真電荷,分極電荷,電束密度,電束について理解する.
13週 同上 同上
14週 同上 同上
15週 前期期末試験
16週 試験解説
学習の到達状況を把握する.
後期
3rdQ
1週 [7]電流 [7]電流密度と電荷密度との関係を理解する.抵抗率,導電率,抵抗温度係数,オームの法則について理解し計算する.
2週 同上 同上
3週 [8]電流と磁場 [8]電流のまわりに生じる磁場について学ぶ.磁場はビオ・サバールの法則によって求められ,アンペアの法則と磁場に関するガウスの法則によって基礎づけられる.磁場の計算を学ぶ.
4週 同上 同上
5週 [9]電磁力 [9] 電流および運動する電荷が磁場から受ける電磁力(ローレンツ力)を理解し計算する.
6週 [10]電磁誘導 [10] 磁場の時間的な変動や,導体の磁場中での運動によって生じる電磁誘導現象をファラデーの法則により定式化する.
7週 同上 同上
8週 [11]インダクタンス [11] 磁場が蓄える磁気エネルギーについて学ぶ.自己インダクタンスと相互インダクタンスの概念を理解する.導線やコイルの様々の配置に対する磁場,磁束,誘導起電力を導出する.
4thQ
9週 後期中間試験
10週 同上 同上
11週 [12]磁性体 [12]磁性体について学び,透磁率,強磁性体の磁化に伴うヒステリシス現象,磁気回路,境界条件について理解する.
12週 同上 同上
13週 [13]Maxwellの方程式 [13] 変位電流を導入してアンペアの法則を修正し,電磁場現象を記述するMaxwellの方程式について理解する.
14週 同上 同上
15週 後期期末試験
16週 試験解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。4前1,後1
電場・電位について説明できる。4前2,前3,前4,前5
クーロンの法則が説明できる。4前2,前3
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。4前2,前3
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。3
電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。4前1,前2
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。4前2,前3,前4,前5
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。4前2,前3,前4,前5
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。4前6,前7,前8
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。4前12,前13,前14
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。4前8,前10,前11,前12
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。4前8,前10,前11,前12
静電エネルギーを説明できる。4前10,前11,前12
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。4後11,後12
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則を用いて計算できる。4後3,後4
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。4後3,後4
磁界中の電流に作用する力を説明できる。4後5,後6
ローレンツ力を説明できる。4後5,後6
磁気エネルギーを説明できる。4後8,後10
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。4後7
自己誘導と相互誘導を説明できる。4後7,後8,後10
自己インダクタンス及び相互インダクタンスを求めることができる。4後7,後8,後10

評価割合

試験課題合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力0000000
専門的能力80200000100
分野横断的能力0000000