工学実験Ⅲ

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 工学実験Ⅲ
科目番号 R03E425 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 電気電子工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材
担当教員 山口 貴之,上野 崇寿,石川 誠司,常安 翔太

到達目標

(1) 回路図の通りに配線し,目的の動作をさせることができる.(M,P,Cの取組みと報告書,Cの実地評価)
(2) 安全性を十分考慮して,電気機器や工具を操作する技術を身につける.(M,Pの取組み)
(3) 実験に必要な新たな知識を身につけることができる.(M,P,Cの報告書,Cの理解度テスト)
(4) データの収集,解析ができ,さらにそれらを考察,説明できる.(M,Cの報告書)
(5) 目的のために創造性を発揮し,協力して遂行することができる.(Gの取組みの様子と報告書)
(6) 多くの人の前でプレゼンテーションできる.(Gの発表)
(7) 実験やものづくりを楽しむことができる.(M,P,C,Gの取組み) 
(8) センサ等を駆使した回路製作により、農業分野へ役立てることができる.(Aの取組み) 

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1回路図の通りに配線し,目的の動作を理解した上でさせることができる回路図の通りに配線し,目的の動作をさせることができる回路図の通りに配線し,目的の動作をさせることができない
評価項目2安全性を十分考慮して,電気機器や工具を操作でき、班員にも指導できる安全性を十分考慮して,電気機器や工具を操作することができる安全性を十分考慮して,電気機器や工具を操作することができない
評価項目3他者と協力して 実験に必要な新たな知識を身につけることができる実験に必要な新たな知識を身につけることができる 実験に必要な新たな知識を身につけることができない
評価項目4データの収集,解析ができ,さらにそれらを考察,説明できるデータの収集,解析ができ,さらにそれらを考察できるデータの収集,解析ができ,さらにそれらを考察,説明できない
評価項目5 目的のために他者と協力しあい創造性を発揮し,協力して遂行することができる 目的のために創造性を発揮し,協力して遂行することができる 目的のために創造性を発揮し,協力して遂行することができない
評価項目6多くの人の前でプレゼンテーションできるだけでなく、情報収集・スライド作成もこなすことができる 多くの人の前でプレゼンテーションできる多くの人の前でプレゼンテーションできない
評価項目7他者と協力して実験やものづくりを楽しむことができる実験やものづくりを楽しむことができる実験やものづくりを楽しむことができない
評価項目8他者と協力しながらセンサ等を駆使した回路製作により、農業分野へ役立てることができるセンサ等を駆使した回路製作により、農業分野へ役立てることができるセンサ等を駆使した回路製作により、農業分野へ役立てることができない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (D1) 説明 閉じる
学習・教育目標 (D2) 説明 閉じる
JABEE 1(2)(d)(2) 説明 閉じる
JABEE 1(2)(i) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
(実践的教育科目)
この科目は,企業で画像処理装置のデジタル回路設計を担当していた教員が,その経験を活かし,PICやデジタルICを用いた回路の設計法等についての実習を行うものである。

この科目は電気機器実験編(M),製作実習編(P),電子通信実習編(C),グループ製作編(G),A.アグリ実験(A))で構成される.これまでの基礎的な工学実験を経験してきた学生を前提に多くの教科との関連を考慮しながら,実験や回路製作のスキルを身につけるとともに,創作,協力,発表の仕方などを体験的に学んでいく.なお,「A.アグリ実験」はAE教育対応の実験であり,農工連携実験を行う.
授業の進め方・方法:
(1) 回路図の通りに配線し,目的の動作をさせることができる.(M,P,Cの取組みと報告書,Cの実地評価)
(2) 安全性を十分考慮して,電気機器や工具を操作する技術を身につける.(M,Pの取組み)
(3) 実験に必要な新たな知識を身につけることができる.(M,P,Cの報告書,Cの理解度テスト)
(4) データの収集,解析ができ,さらにそれらを考察,説明できる.(M,Cの報告書)
(5) 目的のために創造性を発揮し,協力して遂行することができる.(Gの取組みの様子と報告書)
(6) 多くの人の前でプレゼンテーションできる.(Gの発表)
(7) 実験やものづくりを楽しむことができる.(M,P,C,Gの取組み) 
(8) センサ等を駆使した回路製作により、農業分野へ役立てることができる.(Aの取組み) 
(事前学習)
工学実験Ⅰ~Ⅲで実験した内容を復習し,実験を行える準備をしておくこと.
注意点:
各サイクルの始めの時間に,安全教育を行う.安全を考慮し身なりを整えること.電気工具やテスタ,乾電池など必要に応じて準備すること.単位取得には全てのレポートの提出(またはレポートに替わる評価)を必須とする.

評価

(総合評価)
実験カテゴリのM,P,(C+A),G で,それぞれ個別に実験態度を含む評価を行う
総合評価=M×0.25 + P×0.25 + (C+A)×0.25 + G×0.25
(単位修得の条件について)
総合評価が60点以上を単位修得の条件とする.ただし全てのレポートの提出(またはレポートに替わる評価)を単位修得の条件とする.
(再試験について)
再試験は行わない

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 M.1 普通かご形三相誘導電動機および発電機の特性 M.電気機器実験編
各種の発電機や電動機の動作試験で特性を理解する.この実験では特に安全性に留意しなければならない.
2週 M.2 三相交流発電機の特性試験(1) M.電気機器実験編
各種の発電機や電動機の動作試験で特性を理解する.この実験では特に安全性に留意しなければならない.
3週 M.3 三相交流発電機の特性試験(2) M.電気機器実験編
各種の発電機や電動機の動作試験で特性を理解する.この実験では特に安全性に留意しなければならない.
4週 M.4 同期電動機の特性試験 M.電気機器実験編
各種の発電機や電動機の動作試験で特性を理解する.この実験では特に安全性に留意しなければならない.
5週 M.5 小型モータの駆動実験 M.電気機器実験編
各種の発電機や電動機の動作試験で特性を理解する.この実験では特に安全性に留意しなければならない.
6週 M.6 PWMインバータによる誘導電動機の速度制御 M.電気機器実験編
各種の発電機や電動機の動作試験で特性を理解する.この実験では特に安全性に留意しなければならない.
7週 P.1 全般説明と配線図の作成 P.製作実習編(CPU搭載マイコンカーの製作)
PIC搭載のマイコンカーを各自で製作する.
8週 (前期中間試験)
2ndQ
9週 P.2 回路基盤の製作Ⅰ P.製作実習編(CPU搭載マイコンカーの製作)
PIC搭載のマイコンカーを各自で製作する.
10週 P.3 回路基盤の製作Ⅱ P.製作実習編(CPU搭載マイコンカーの製作)
PIC搭載のマイコンカーを各自で製作する.
11週 P.4 回路基盤の製作Ⅲと動作確認 P.製作実習編(CPU搭載マイコンカーの製作)
PIC搭載のマイコンカーを各自で製作する.
12週 A.1 アグリ実験 A.アグリ実習編
各種センサ類やCPUを用いた通信回路を作成し理解を深める.また,回路がうまく動かない場合にその対処法を身につける.
13週 A.2 アグリ実験 A.アグリ実習編
各種センサ類やCPUを用いた通信回路を作成し理解を深める.また,回路がうまく動かない場合にその対処法を身につける.
14週 C.1 オペアンプ C.電子通信実習編
赤外線シリアル通信回路やオペアンプを使った回路などをテストボード上で作成し理解を深める.また,回路がうまく動かない場合にその対処法を身につける.
15週 (前期期末試験)
16週 (前期期末試験解説)
後期
3rdQ
1週 P.5 台車の製作Ⅰ C.電子通信実習編
赤外線シリアル通信回路やオペアンプを使った回路などをテストボード上で作成し理解を深める.また,回路がうまく動かない場合にその対処法を身につける.
2週 P.6 台車の製作Ⅱ C.電子通信実習編
赤外線シリアル通信回路やオペアンプを使った回路などをテストボード上で作成し理解を深める.また,回路がうまく動かない場合にその対処法を身につける.
3週 P.7 台車の製作Ⅲ C.電子通信実習編
赤外線シリアル通信回路やオペアンプを使った回路などをテストボード上で作成し理解を深める.また,回路がうまく動かない場合にその対処法を身につける.
4週 P.8 台車の製作Ⅳと動作確認 C.電子通信実習編
赤外線シリアル通信回路やオペアンプを使った回路などをテストボード上で作成し理解を深める.また,回路がうまく動かない場合にその対処法を身につける.
5週 C.2 赤外線通信 C.電子通信実習編
赤外線シリアル通信回路やオペアンプを使った回路などをテストボード上で作成し理解を深める.また,回路がうまく動かない場合にその対処法を身につける.
6週 C.3 シリアル通信 C.電子通信実習編
赤外線シリアル通信回路やオペアンプを使った回路などをテストボード上で作成し理解を深める.また,回路がうまく動かない場合にその対処法を身につける.
7週 C.4 エンコーダとデコーダ C.電子通信実習編
赤外線シリアル通信回路やオペアンプを使った回路などをテストボード上で作成し理解を深める.また,回路がうまく動かない場合にその対処法を身につける.
8週 後期中間試験 アセンブリ言語の理解度試験を行う.
4thQ
9週 C.5 赤外線シリアル通信,実地評価 C.電子通信実習編
赤外線シリアル通信回路やオペアンプを使った回路などをテストボード上で作成し理解を深める.また,回路がうまく動かない場合にその対処法を身につける.
10週 G.1 グループ作業Ⅰ G.グループ製作編
「1年生に電子製作の喜びを伝える」という目的の下,グループで協力しながらPICを使った自由課題の製作品を創作する.
11週 G.2 グループ作業Ⅱ G.グループ製作編
「1年生に電子製作の喜びを伝える」という目的の下,グループで協力しながらPICを使った自由課題の製作品を創作する.
12週 G.3 グループ作業Ⅲ G.グループ製作編
「1年生に電子製作の喜びを伝える」という目的の下,グループで協力しながらPICを使った自由課題の製作品を創作する.
13週 G.4 グループ作業Ⅳ,スタッフによる評価 G.グループ製作編
「1年生に電子製作の喜びを伝える」という目的の下,グループで協力しながらPICを使った自由課題の製作品を創作する.
14週 G.5 発表会 G.グループ製作編
「1年生に電子製作の喜びを伝える」という目的の下,グループで協力しながらPICを使った自由課題の製作品を創作する.
15週 (学年末試験)
16週 (学年末試験解説)

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3後7,後8,後10,後11,後12
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3前12,前13,前14,後5,後6
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3後4
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3後14
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3後14
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3後14
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3後7,後8,後10,後11,後12
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3後7,後8,後10,後11,後12
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3後7,後8,後10,後11,後12
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3後14
専門的能力分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。4前12,前13,前14
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。4前12,前13,前14
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。4前12,前13,前14
増幅回路等(トランジスタ、オペアンプ)の動作に関する実験結果を考察できる。4前12
論理回路の動作について実験結果を考察できる。4前13,前14
ディジタルICの使用方法を習得する。4前12,前13,前14
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能他者の意見を聞き合意形成することができる。3後7
合意形成のために会話を成立させることができる。3後7
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3後7
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3後7
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3後7
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3後7
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3後13
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3後13
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3後13
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3後7
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3後7
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3後7
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3後7
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3後7
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3後7
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3後7
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3後7
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3後7
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3後14
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3後14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ実験合計
総合評価割合001030060100
基礎的能力000300030
専門的能力0010006070
分野横断的能力0000000