科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 倫理
科目番号 R04E203 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 (教科書)竹内整一ほか著『倫理』東京書籍 / (教科書)東京書籍編集部編『要点マスター倫理演習ノート』東京書籍 / (参考図書)適宜レジュメなどを配布することがあるほか,講義内で紹介する.
担当教員 小関 康平

到達目標

(1) 哲学・倫理学・思想史(法思想・政治思想を含む)・宗教学など見地から,古今東西の思想・宗教・文化等について,学修する.(定期試験等)
(2) 社会学・心理学などの見地から,青年期の諸課題について,学修する.(定期試験等)
(3) 倫理に関する現代的課題について,学修する.(定期試験等)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
目的・到達目標1哲学・倫理学・思想史(法思想・政治思想を含む)・宗教学など見地から,古今東西の思想・宗教・文化等について,十分に理解している.哲学・倫理学・思想史(法思想・政治思想を含む)・宗教学など見地から,古今東西の思想・宗教・文化等について,理解している.哲学・倫理学・思想史(法思想・政治思想を含む)・宗教学など見地から,古今東西の思想・宗教・文化等について,十分に理解していない.
目的・到達目標2社会学・心理学などの見地から,青年期の諸課題について,十分に理解している.社会学・心理学などの見地から,青年期の諸課題について,理解している.社会学・心理学などの見地から,青年期の諸課題について,理解していない.
目的・到達目標3倫理に関わる現代的課題について,十分に理解している.倫理に関わる現代的課題について,理解している.倫理に関わる現代的課題について,十分に理解していない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (A1) 説明 閉じる
学習・教育目標 (A2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
1.[1]古今東西の思想・宗教・文化等について学び,「人間とは何か」「より良く生きるためにはどうすればよいか」について考えていく.あわせて,法学・政治学上の思想史及び関連知識についても触れていく.[2]青年期の諸問題について社会学・心理学などの知見を用いて考えていく.[3]倫理に関わる現代的課題についても取り扱う.

2.本科目は,高校設置科目「倫理」における学習事項を一応の土台とし,履修者が高校在学相当の年齢であることを配慮しつつも,その一方で,高校「倫理」の範疇にとどまらずに,本校が(高校等の後期中等教育機関とは異なり[=すなわち,upper secondary schoolや,[senior] high schoolではないということ])学年を問わず高等教育研究機関であるとされていることに鑑みて,それに相応しい水準の内容と,科目担当者の専門性及び研究を活かした内容とをさらに充填することにより,一層充実した講義内容となるべく,設計されている.したがって,本科目は,「高度な普通教育」を目指すものではなくて,「深く専門の学芸を教授」するものとしての一般教育を施そうとするものであることに留意されたい.

3.本科目は,特に法哲学・法思想史,政治哲学・政治思想史,ギリシャ神話・日本神話,生命倫理などの領域を重視して講義を進行させていく.また,学問は,〈なまもの〉であり,常に〈発達途上〉にあるのものであるので,そういう意味から,そのときどきの学界や現実社会におけるアクチュアルな重要問題を補完的に取り扱うこともありうる.

4.さらに,一般教養科目としての本科目は,準学士として十分満足に相応しい水準の,①現実社会における最低限の生存戦略としての教養と,②人間的な人格・精神修養を促進するものとしての教養を授けることにより,あらゆる分野における基盤的な判断能力・読解能力,論理的思考能力,意思形成能力,伝達能力などのジェネリックスキルズの涵養に対しての一助を果たすことをも,併せてその目的と据えている.

(科目情報)
関連科目:現代社会,日本史,世界史. 
授業の進め方・方法:
哲学・倫理学・思想史及び社会学・心理学などの知見を用いて,「倫理」に関する諸問題を取り扱う.
基本的には講述の形式によるが,学生諸君の予習復習の程度が高い場合には,適宜,ソクラテス・メソッドにより講義を進行させることがある.
【事前学習】事前提示されている教材等を丹念に読み,知らない言葉の意味を調べ,予習ノートを作成するなどして,次回の講義の展開についてある程度の検討をつけておくこと.
注意点:
(履修上の注意)
講義における板書・講述内容等についてメモを取り,自宅でノート整理を行うこと.予習と復習をしっかりすること.上掲『要点マスター倫理演習ノート』は,講義内で取り組みの時間を設けることがあるので,常に携行すること.また,講義内においてDVD鑑賞を通じた学修機会を設けることがありうる.上掲の教科書は,あくまで補助的にのみ使用する.
(自学上の注意)
講義メモを基に自宅でノート整理を行うこと.上掲の教科書は,あくまで補助的にのみ使用する.

評価

【定期試験】目的・到達目標1/2/3につき4回の試験により評価します.
【総合評価及び単位取得の条件】原則として定期試験の平均を総合評価とし,それが60点以上である場合に合格とします.ただし,例外的におよそ10%程度を限度として,平常点を考慮することにより総合評価における評点を補正する場合がありえます.なお,その際の平常点の算定根拠は,適宜実施するリアクションペーパー,小テスト,任意のリポート等であり,これらを総合考慮して算定します.また,課題等を指定した場合は,これを提出することが評価の前提条件となることがあります.
  中間試験の評点×0.5+期末試験の評点×0.5=総合評価
【再試験】原則として実施しない.但し,定期試験の評点及び平常点等を総合的に審査した結果,再試験において及第する見込みがあると認められた者について,科目担当者における本科目及び他科目の運営並びにその他の業務遂行に支障をきたさない範囲で,極めて例外的に実施することがありうる.詳細は開講後に問合せに応じて適宜案内する.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 前期イントロダクション――いわゆる「倫理」の学問横断的射程 本科目の学修方法について理解し,本科目の全体像を概観できる.
2週 「人間」とは何か(1)――グループディスカッション・議論の整理・問答
設定されたテーマについての議論を行った上で,各見解を整理・発表し,批判的質問に適切に応答することができる.
3週 「人間」とは何か(2)――解説 前回のテーマについての解説を理解することができる.
4週 青年期をめぐる諸問題/心理学上の諸問題(1) 青年期の特徴,位置づけ,意義,課題等について理解できる.

[Key Words] 第二次性徴,自我,レヴィン,マージナルマン,ルソー『エミール』,アイデンティティ,ピーターパンシンドローム,マズローの欲求5段階説,フロイトの防衛機制,スーパーエゴ・エゴ・エス,パーソナリティ
5週 青年期をめぐる諸問題/心理学上の諸問題(2) 青年期の特徴,位置づけ,意義,課題等について理解できる.

[Key Words] 同上
6週 「自分」とは何か(1)――グループディスカッション・議論の整理・問答 設定されたテーマについての議論を行った上で,見解を整理・発表し,批判的質問に適切に応答することができる.
7週 「自分」とは何か(2)――解説
中間総括と補遺
前回のテーマについての解説を理解することができる.
8週 前期中間試験 前期中間試験までの学修内容を理解できる.
2ndQ
9週 前期中間試験 目的・到達目標1/2/3
10週 前期中間試験の解説
前期中間試験までの学修内容を理解できる.
11週 古代ギリシア哲学(1)――法の女神テミスとそれを取り巻く神々
法の女神テミスとそれを取り巻く神々について理解できる.
12週 古代ギリシア哲学(2)――ソクラテス以前の哲学 ソクラテス以前の哲学について理解できる.

[Key Words] Philosophy,Scholē(スコレー),自然哲学,アルケー,相対主義,ソフィスト,人間は万物の尺度
13週 古代ギリシア哲学(3・予備回)――ソクラテス以前の哲学
ソクラテス以前の哲学について理解できる.

[Key Words] 同上
14週 前期総括と補遺
前期までの学修内容を理解できる.
15週 前期期末試験 目的・到達目標1/2/3
16週 前期期末試験の解答と解説 前期までの学修内容を理解できる.
後期
3rdQ
1週 後期イントロダクション――前期の総括と後期への導入
本科目の前期における学修事項を振り返り,本科目の後期における全体像を概観することができる.
2週 古代ギリシア哲学(4)――ソクラテス
主としてソクラテス,プラトン,アリストテレスなどの古代ギリシャ思想を理解できる.

[Key Words]
ソクラテス:デルフォイの信託,問答法,汝自らを知れ,無知の知,
3週 古代ギリシア哲学(5)――ソクラテス
主としてソクラテス,プラトン,アリストテレスなどの古代ギリシャ思想を理解できる.

[Key Words]
ソクラテス:知徳合一,ソクラテスに対する死刑判決,悪法もまた法なり
プラトン:アカデメイア,初期対話篇,中期対話篇,後期対話篇
4週 古代ギリシア哲学(6)――プラトン 主としてソクラテス,プラトン,アリストテレスなどの古代ギリシャ思想を理解できる.

[Key Words]
プラトン:イデア論,三角形の比喩,アナムネーシス,洞窟の比喩,アンドロギュノス
5週 古代ギリシア哲学(7)――プラトン 主としてソクラテス,プラトン,アリストテレスなどの古代ギリシャ思想を理解できる.

[Key Words]
プラトン:四元徳,哲人王政,哲人王政の実践と挫折,『国家』→『政治家』→『法律』
6週 古代ギリシア哲学(8)――アリストテレス
主としてソクラテス,プラトン,アリストテレスなどの古代ギリシャ思想を理解できる.

[Key Words]
アリストテレス:四原因説,ヒュレー,エイドス,メソテース
7週 古代ギリシア哲学(9)――アリストテレス
主としてソクラテス,プラトン,アリストテレスなどの古代ギリシャ思想を理解できる.

[Key Words]
アリストテレス:ゾーン・ポリティコーン,正義論,国制論
8週 中間総括と補遺 後期中間試験までの学修内容を理解できる.
4thQ
9週 後期中間試験 目的・到達目標1/2/3
10週 後期中間試験の解答と解説
日本人の宗教観・倫理観:『古事記』における神々を探る(1)
主に日本神話を通じて日本人の宗教観・倫理観について理解することができる。
11週 日本人の宗教観・倫理観:『古事記』における神々を探る(2)
主に日本神話を通じて日本人の宗教観・倫理観について理解することができる。
12週 日本人の宗教観・倫理観:『古事記』における神々を探る(3) 主に日本神話を通じて日本人の宗教観・倫理観について理解することができる。
13週 日本人の宗教観・倫理観:『古事記』における神々を探る(4) 主に日本神話を通じて日本人の宗教観・倫理観について理解することができる。
14週 全体総括と補遺 後期期末試験までの学修内容を理解できる.
15週 後期期末試験 目的・到達目標1/2/3
16週 後期期末試験の解答と解説 後期期末試験までの学修内容を理解できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会公民的分野人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。3前1,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性法令やルールを遵守した行動をとれる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
基礎的能力100100
専門的能力00
分野横断的能力00