電子回路

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 電子回路
科目番号 R04E315 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 (教科書) 配布テキスト/
担当教員 佐藤 秀則

到達目標

(1) 基本的な電子回路素子の働きを理解する.(定期試験)
(2) 電子回路をバイアス回路と信号回路に分けて考える考え方を理解する.(定期試験)
(3) 各種の増幅回路,発振回路,電源回路についてその基本を理解する.(定期試験)
(4) 自主的,継続的に学習できる能力を身につける.(課題)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
目的・到達目標(1)の評価指標基本的な電子回路素子の働きをよく理解できる基本的な電子回路素子の働きを理解できる基本的な電子回路素子の働きを理解できない
目的・到達目標(2)の評価指標増幅回路をバイアス回路と信号回路に分けて考える考え方をよく理解できる増幅回路をバイアス回路と信号回路に分けて考える考え方を理解できる増幅回路をバイアス回路と信号回路に分けて考える考え方を理解できない
目的・到達目標(3)の評価指標各種の増幅回路,発振回路,電源回路についてその基本をよく理解できる.各種の増幅回路,発振回路,電源回路についてその基本を理解できる.各種の増幅回路,発振回路,電源回路についてその基本を理解できない.
目的・到達目標(4)の評価指標多くの課題に対して継続的な学習をし自力で解を導くことができる多くの課題に対して継続的な学習をし解法を説明できる課題に応えることができない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (B2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
(授業の概要)
通信やコンピュータの他,ロボットや電力の制御など多くの電子機器はトランジスタ技術に支えられており,この授業ではこのトランジスタを用いた基礎的な電子回路について学ぶ.
授業の進め方・方法:
(授業の進め方)
配布テキストに沿って授業する.板書した内容をノートする必要はないが,講義を聴きながら消去可能なカラーボールペンを使って,テキストの重要な点にマークをいれたり,必要事項を書き加えたりするとよい.
(事前学習)
電気回路Ⅰ,Ⅱが修得できていれば十分.未修得の学生は,各回で学ぶ授業内容を見て関連する事項を復習しておくとよい.
毎回の予習では,①その回で学ぶ授業内容をテキストでざっと眺めておく,②その回の到達目標を確かめる,③新規の用語にチェックをいれる,などをしておくとよい.
(課題)
毎回ではないが多くの回で課題を出すので締め切りまでに所定の場所に提出すること.
(定期試験)
定期試験の試験範囲はその期に学んだ内容を主とするが,以前に学んだ内容も含める.
注意点:
(履修上の注意)
◯授業中でも疑問な点があればすぐに質問してよい.
◯課題があるときは課題に応えることで復習し,課題がない時はテキストに付されている過去の定期試験の問題と解答を参考に復習しておくとよい.
(自学上の注意)
◯週ごとの到達目標を意識して自習するとよい.
◯回路シミュレータに親しんでおくとより深く学ぶことができる.
◯図書館などを利用して関連の図書や雑誌に親しんでおくとよい.
◯わからないことがあったら放課後などを利用して担当教員に質問するとよい.

評価

(各期の成績)
成績=(それまでの定期試験の素点を1:2:3:4の比率で加重平均)×0.8+(課題点)×0.2
(総合評価)
後期期末の成績を総合評価とする.
(再試験)
前記した総合評価が60点に満たず40点以上の者に対しては一回のみの再試験を受験できる.再試験の結果が60点以上の者は総合評価を60点に更新する.
(追認試験)
未修得のまま進級した者は,追認試験を受験できる.追認試験の結果が60点以上の者は総合評価を60点に更新する.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 01 ラジオ ラジオを例に電子回路にまつわる基礎概念を理解できる
2週 02 共振回路 直列共振回路の働きについて理解できる
3週 03 波形整形回路 ダイオードを用いた波形整形回路の動作を理解できる
4週 04 ダイオード ダイオードの整流作用を理解できる
5週 05 RC回路の過渡現象 RC回路の過渡現象を理解できる
6週 06 トランジスタの増幅作用と特性 トランジスタの増幅作用を理解できる
7週 07 トランジスタのスイッチング作用 トランジスタのスイッチング作用を理解できる
8週 08 増幅回路の基礎 増幅作用をトランジスタの特性から理解できる
2ndQ
9週 前期中間試験
10週 09 増幅回路(固定バイアス回路) 固定バイアス増幅回路の各所の電圧・電流の変化を理解でき
11週 10 信号に対する等価回路 増幅回路の信号に対する等価回路を理解できる
12週 11 増幅回路(電流帰還バイアス回路) 電流帰還バイアス増幅回路の各所の電圧・電流の変化を理解できる
13週 12 FET(電界効果トランジスタ) FETの動作とFETを用いた増幅回路を理解できる
14週 13 等価回路と各種パラメータ 増幅回路の各種のパラメータを求めることができる
15週 前期期末試験
16週 前期期末試験の解答と解説
後期
3rdQ
1週 14 増幅回路の周波数特性 増幅回路の周波数特性を理解できる
2週 15 負帰還増幅回路Ⅰ 負帰還回路の原理が理解できる
3週 16 オペアンプ(演算増幅器)Ⅰ 演算増幅回路の働きを理解できる
4週 17 オペアンプ(演算増幅器)Ⅱ  演算増幅回路の応用を理解できる
5週 18 発振回路Ⅰ  ウイーンブリッジ発振回路を例に発振回路の動作原理を理解できる
6週 19 電力増幅回路Ⅰ A級電力増幅回路の原理を理解できる
7週 20 バイアス回路 直流電源と交流電源の両方を含む回路の解析ができ,バイアス法を理解できる
8週 後期中間試験
4thQ
9週 後期中間試験の解答と解説
21 電子回路の応用例
電子工作に用いられる電子回路例を理解できる
10週 22 負帰還増幅回路Ⅱ 負帰還回路の特徴を理解できる
11週 23 発振回路Ⅱ  コルピッツ発振回路,水晶発振回路の原理を理解できる
12週 24 電力増幅回路Ⅱ B級電力増幅回路の原理を理解できる
13週 25 高周波増幅回路 高周波増幅回路の原理を理解できる
14週 26 電源回路 電源回路の原理を理解できる
15週 後期期末試験
16週 後期期末試験の解答と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。4前2,後13
電子回路ダイオードの特徴を説明できる。4前3,前4
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。4前6,前7,前8,前10,前11
FETの特徴と等価回路を説明できる。4前13,前14
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。4前10,前11,前13,前14,後1
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。4前10,前12,後7
演算増幅器の特性を説明できる。4後3,後4
演算増幅器を用いた基本的な回路の動作を説明できる。4後3,後4,後5
発振回路の特性、動作原理を説明できる。4後5,後11

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力8020100