高電圧工学

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 高電圧工学
科目番号 R06E522 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気電子工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 (教科書)高木浩一, 金澤誠司 編著,「高電圧パルスパワー工学」,理工図書
担当教員 金澤 誠司

到達目標

(1) 気体放電の物理現象を説明できる.(定期試験)
(2) 高電圧の発生,測定の方法を説明できる.(定期試験)
(3) 高電圧技術を理解し,問題を解決するために自分で工夫する基礎を作る.(定期試験)
(4) 演習問題を通して理解を深め,継続的な学習ができる.(定期試験)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1気体放電の物理現象を理解し,説明できる.気体放電の物理現象を理解している.気体放電の物理現象を説明できない.
評価項目2高電圧の発生,測定の方法に加え,利用環境を考えることができる.高電圧の発生,測定の方法を説明できる.高電圧の発生,測定の方法を説明できない.
評価項目3高電圧技術を理解し,その応用について自ら調べることができる.高電圧技術を理解している.高電圧技術を理解してないない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (B2) 説明 閉じる
JABEE 1.2(d)(1) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
(実践的教育科目)
この科目は,企業にて高電圧受電設備の保守並びに点検,改善提案を担当していた教員が,その経験を活かし高電圧現象や高電圧利用に伴う設備,安全対策などについて講義形式で授業を行うものである.
高電圧工学とは,電圧が上昇することによって現れる物理現象と,それらを発生・制御する技術を取り扱う学問である.本講義では,気体~固体の放電現象といった基礎的な物理現象を学習し,高電圧を測定するための技術及び発生装置について学ぶ.
(科目情報)
教育プログラム第2学年 ○科目
実践的教育科目
授業の進め方・方法:
板書として,工学実験Ⅳを踏まえながら講義を進めていく.
(事前学習)
予め,高電圧と思われる現象について興味深く観察し,可能であればWeb等で調査しておくこと.
注意点:
(履修上の注意)
板書を行うこと.
(自学上の注意)
高電圧工学では,電気回路,電気磁気学に加え,物性についての基礎知識も必要となる.講義の理解のために,演習問題等の課題だけではなく,これら関連科目の自主学習も行っておくこと.

評価

(総合評価)
2回の定期試験(平均)にて評価を行う.
(単位習得の条件について)
総合評価が60点以上を単位習得の条件とする.
(再試験について)
原則として再試験は実施しない.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 高電圧の概要 高電圧に関わる技術体系,応用分野について説明できる.
2週 気体放電の基礎1 荷電粒子,励起と電離,電離過程といった基礎的な放電に関する物理現象について説明できる.
3週 気体放電の基礎2 電子付着,再結合,荷電粒子の運動といった基礎的な放電に関する物理現象について説明できる.
4週 気体放電1 衝突電離係数,タウンゼント理論を学び放電開始条件について説明できる.
5週 気体放電2 ストリーマ理論を学び,タウンゼント理論との比較,両理論の成立範囲について説明できる.
6週 気体放電3 パッシェンの法則,各種電極配置の火花電圧について説明できる.
7週 液体・固体の放電1 電子破壊理論と気泡破壊理論について,媒質効果・厚み効果の説明ができる.
8週 後期中間試験
2ndQ
9週 液体・固体の放電2 固体誘電体について,高電圧印加時の損失及び放電現象の説明ができる.
10週 高電圧の発生 交流高電圧,直流高電圧の発生の方法について原理を説明できる.
11週 高電圧の測定 高電圧値・大電流値を測定するために,高電圧測定の原理や問題点について説明ができる
12週 高電圧機器1 現代社会で用いられている高電圧機器について動作原理が説明できる.
13週 高電圧機器2 身の回りの高電圧機器について動作原理が説明できる.
14週 高電圧と応用 高電圧の応用分野について理解し,簡単な説明ができる.
15週 後期期末試
16週 後期期末試験の解答と解説 後期期末試験にて理解が不足していた箇所を理解する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電力三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。4
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。4
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。4
直流機の原理と構造を説明できる。4
誘導機の原理と構造を説明できる。4
同期機の原理と構造を説明できる。4
変圧器の原理、構造、特性を説明でき、その等価回路を説明できる。4
半導体電力変換装置の原理と働きについて説明できる。4
電力システムの構成およびその構成要素について説明できる。4
交流および直流送配電方式について、それぞれの特徴を説明できる。4
電力品質の定義およびその維持に必要な手段について知っている。4
電力システムの経済的運用について説明できる。4
水力発電の原理について理解し、水力発電の主要設備を説明できる。4
火力発電の原理について理解し、火力発電の主要設備を説明できる。4
原子力発電の原理について理解し、原子力発電の主要設備を説明できる。4
その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を説明できる。4
電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000