電磁気学Ⅰ

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電磁気学Ⅰ
科目番号 10018 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 電気電子工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 (教科書)山口昌一郎「基礎電磁気学」電気学会 (参考図書):山田直平,桂井誠「電気磁気学」電気学会 後藤憲一,山崎修一郎「詳解電磁気学演習」共立出版
担当教員 高橋 徹

到達目標

(1)電磁気現象を電場と磁場で把握する電磁気学の方法を理解する.(定期試験)
(2)簡単な電磁気的状況を電磁気学のモデルを用いて分析あるいは計算できる.(定期試験)
(3)演習問題を通して理解を深めるとともに,継続的な学習ができるようにする.(課題)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 電磁気現象を電場と磁場で把握する電磁気学の方法を理解する.深く理解し,自ら考えを広げることができる.理解している.理解していない.
評価項目2 簡単な電磁気的状況を電磁気学のモデルを用いて分析あるいは計算できる.新しい問題に自ら分析し計算できる.問題を分析し計算できる.計算できない.
評価項目3 演習問題を通して理解を深めるとともに,継続的な学習ができるようにする.自ら進んで方向を定めて継続的に学習できる.継続的に学習できる.学習習慣が身についていない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電気電子工学の基礎学問の一つとして電磁気学を学習する.まず,電荷,クーロン力,電場,ガウスの法則,電位,静電容量,誘電体について学ぶ.続いて電流,電流による磁場,電磁力,電磁誘導,インダクタンス,磁性体について学ぶ.最後にMaxwellの方程式について学び,電磁気現象を統括して把握する.
(科目情報)
必修 4単位 (前期2コマ,後期2コマ,授業時間85.5時間)
(関連科目)
基礎数学Ⅰ,Ⅱ,微分積分Ⅰ,Ⅱ,電気回路Ⅰ,Ⅱを基礎とし,電磁気学Ⅱに発展し,電気機器,電子工学,通信工学等の専門科目の基礎となる.
授業の進め方・方法:
講義と課題
(再試験について)
再試験は定期試験の平均が30点以上で課題を提出している者に対して行う.
注意点:
(履修上の注意)
テキストの例題および章末の演習を必ず行うこと.
(自学上の注意)
教科書の例題,章末問題を自分で解くこと.
(総合評価方法) 
達成目標の(1)~(3)について4回の定期試験と課題で評価する.
総合評価=0.8×(4回の定期試験の平均)+0.2×(課題点).
総合評価が60点以上を合格とする.再試験は定期試験の平均が30点以上で課題を提出している者に対して行う.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 [1]電荷と電気力 [1]電荷の間に働く電気力(クーロン力)について学ぶ.摩擦電気,電荷,導体と絶縁体,静電誘導について理解する.
2週 [2]電場とガウスの法則 [2]電磁気学の中心的概念の一つである電場の概念を導入し,ガウスの法則を学ぶ.電場の合成,電気力線について理解する.
3週 同上 同上
4週 [3]電位 [3] 単位電荷あたりのエネルギーに対応する電位の概念を導入する.電場と電位との関係を理解し,その計算法を学ぶ.連続的な電荷分布による電位・電場を理解し計算する.
5週 同上 同上
6週 [4]種々の帯電体 [4] 種々の帯電体によって生じる電場と電位を考察する.導体と電場,電気双極子について理解する.
7週 同上 同上
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 [5]静電容量 [5]電場が蓄える電気エネルギーについて学ぶ.静電容量の概念を理解し,様々の状況における静電容量と電位,電場との関係を導出する.
10週 同上 同上
11週 同上 同上
12週 [6]誘電体 [6]誘電体について学び,誘電率,境界条件について理解する.
13週 同上 同上
14週 同上 同上
15週 前期期末試験
16週 試験解説
後期
3rdQ
1週 [7]電流 [7]電流密度と電荷密度との関係を理解する.抵抗率,導電率,抵抗温度係数,オームの法則について理解し計算する.
2週 同上 同上
3週 [8]電流と磁場 [8]電流のまわりに生じる磁場について学ぶ.磁場はビオ・サバールの法則によって求められ,アンペアの法則と磁場に関するガウスの法則によって基礎づけられる.磁場の計算を学ぶ.
4週 同上 同上
5週 [9]電磁力 [9] 電流および運動する電荷が磁場から受ける電磁力(ローレンツ力)を理解し計算する.
6週 同上 同上
7週 [10]電磁誘導 [10] 磁場の時間的な変動や,導体の磁場中での運動によって生じる電磁誘導現象をファラデーの法則により定式化する.
8週 後期中間試験
4thQ
9週 [11]インダクタンス [11] 磁場が蓄える磁気エネルギーについて学ぶ.自己インダクタンスと相互インダクタンスの概念を理解する.導線やコイルの様々の配置に対する磁場,磁束,誘導起電力を導出する.
10週 同上 同上
11週 [12]磁性体 [12]磁性体について学び,透磁率,強磁性体の磁化に伴うヒステリシス現象,磁気回路,境界条件について理解する.
12週 同上 同上
13週 [13]Maxwellの
方程式
[13] 変位電流を導入してアンペアの法則を修正し,電磁場現象を記述するMaxwellの方程式について理解する.
14週 同上 同上
15週 後期期末試験
16週 試験解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。4前1,前2
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。4前3
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。4前2,前3
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。4前9
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。4前12
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。4前12
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。4前12
静電エネルギーを説明できる。4前12
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則およびアンペールの法則を用いて説明でき、簡単な磁界の計算に用いることができる。4後3
電流に作用する力やローレンツ力を説明できる。4後3
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。4後11
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。4後7
自己誘導と相互誘導を説明でき、自己インダクタンス及び相互インダクタンスに関する計算ができる。4後9
磁気エネルギーを説明できる。4後9

評価割合

試験課題合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力0000000
専門的能力80200000100
分野横断的能力0000000