到達目標
(1)ラプラス変換を理解し,微分方程式や積分方程式を解くことができる.(定期試験)
(2)フーリエ解析の基礎が理解でき,偏微分方程式に適用することができる.(定期試験)
(3)複素関数論の基礎を理解し,積分の解法に適用することができる.(定期試験)
(4)演習問題を通して理解を深めるとともに,継続的な学習をできるようにする.(課題)
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | ラプラス変換の性質から公式を自分で求めることができる.また,たたみこみの性質等を利用して,複雑な計算もできる. | ラプラス変換の性質を理解し,公式等を用いて数値計算ができる. | ラプラス変換の基本的な計算ができない. |
評価項目2 | フーリエ級数・フーリエ変換の性質から公式を自分で求めることができる.また,これらの性質を利用して,複雑な計算もできる. | フーリエ級数・フーリエ変換の性質を理解し,公式等を用いて数値計算ができる. | フーリエ級数・フーリエ変換の基本的な計算ができない. |
評価項目3 | 複素数の概念を理解し,複素関数上の(偏)微分等の性質を利用することができる. | 複素数を理解し,複素関数の基本的な計算ができる. | 複素数の概念の理解が曖昧であり,複素関数の基本的な計算ができない. |
評価項目4 | 複素関数上の積分を計算でき,複素関数の性質を利用して,複雑な複素積分の計算ができる. | 複素積分の公式を理解し,基本的な計算ができる. | 複素積分の概念を理解せず,基本的な計算ができない. |
学科の到達目標項目との関係
数学及び自然科学に関する知識とそれらを応用する能力 JABEE基準1(2)(c)
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自主的,継続的に学習する能力 JABEE基準1(2)(g)
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数学、自然科学の力を身につける 大分高専学習教育目標(B1)
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教育方法等
概要:
3年生まで学んだ数学を基礎として,工学でよく使用されるラプラス変換,フーリエ級数,フーリエ変換および複素関数論を学ぶ.これらの理論を理解するとともに,微分方程式,積分方程式,偏微分方程式の初期値や境界値問題の各種解法を身に着ける.通常の方法では値を求めることの困難な実積分を複素積分を利用して求める.
関連科目:微分積分I・II,線形代数,微分方程式,数学特論
授業の進め方・方法:
黒板を用いた対面授業の手法をとる.ラプラス変換・フーリエ変換の概念を理解し数値計算ができるようにする.また複素数平面の基本的な知識を理解し、その応用として、複素積分の計算をできるようにする.
注意点:
これまでの数学の内容をよく復習し,課題のプリントで必ず自宅学習に励む.また,授業内容,演習問題,課題など要点を整理したノートを必ず取る.
総合評価は到達目標(1)~(4)について,4回の定期試験と課題で評価する.
総合評価=0.8×(4回の定期試験の平均点)+0.2×(課題)
総合評価が60点以上で,かつ全課題の60%以上を提出したものを合格とする.再試験は,総合評価が40点以上の者で,かつ授業や課題の取り組み状況によって実施する.
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ラプラス変換の定義と性質 |
ラプラス変換の基本的な概念を理解し,具体的な数値計算ができる.
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2週 |
相似性と移動法則 |
ラプラス変換の性質を利用して,相似性と移動法則の計算ができる.
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3週 |
微分法則と積分法則 |
ラプラス変換の性質を利用して,微分法則と積分法則の公式を理解し,計算できるようにする.
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4週 |
逆ラプラス変換 |
逆ラプラス変換の基本的な概念を理解し,具体的な数値計算ができる.
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5週 |
微分方程式への応用 |
逆ラプラス変換を用いて,微分方程式を解くことができる.
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6週 |
たたみこみ |
たたみこみの性質を理解する.
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7週 |
線形システムの伝達関数とデルタ関数 |
線形システムの伝達関数とデルタ関数の基礎を理解する.
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8週 |
前期中間試験 |
試験で理解度を測り,誤った点を復習する.
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2ndQ |
9週 |
周期2πのフーリエ級数 |
フーリエ級数の基礎の計算ができる.
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10週 |
一般の周期関数のフーリエ級数 |
フーリエ級数の周期の一般化を理解する.
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11週 |
複素フーリエ級数 |
複素フーリエ級数の概念を理解する.
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12週 |
複素フーリエ級数 |
複素フーリエ級数の基本的な計算を理解する.
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13週 |
フーリエ変換と積分定理 |
フーリエ変換の性質を利用し,積分定理を理解する.
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14週 |
フーリエ変換の性質と公式 |
フーリエ変換の性質から誘導される様々な公式を学び,数値計算できるようにする.
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15週 |
スペクトル |
スペクトルの概念を理解する.
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16週 |
前期期末試験 |
試験で理解度を測り,誤った点を復習する.
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後期 |
3rdQ |
1週 |
複素数と極形式 |
複素数の基本を理解する.
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2週 |
絶対値と偏角 |
複素数の性質で代表される回転等の概念を学ぶ.
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3週 |
複素関数 |
複素関数の基礎を学ぶ.
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4週 |
正則関数 |
正則関数の定義を理解し,その具体例に触れる.
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5週 |
コーシー・リーマンの関係式 |
コーシー・リーマンの関係式を理解する.
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6週 |
正則関数による写像 |
正則関数による写像の等角性を理解する.
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7週 |
逆関数 |
複素関数による逆関数の性質に触れる.
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8週 |
後期中間試験 |
試験で理解度を測り,誤った点を復習する.
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4thQ |
9週 |
複素積分の基礎 |
複素積分の基本的な性質を理解する.
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10週 |
コーシーの積分定理 |
コーシーの積分定理を理解し,数値計算ができるようにする.
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11週 |
コーシーの積分表示 |
コーシーの積分表示を利用して、複素積分を解くことができる.
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12週 |
関数の展開 |
複素関数の級数展開を利用して,数値計算ができる.
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13週 |
孤立特異点と留数 |
孤立特異点と留数の性質を利用して,数値計算ができる.
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14週 |
留数定理 |
留数定理を利用して,複素積分の計算ができる.
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15週 |
演習 |
複素積分の応用問題を解くことができる.
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16週 |
学年末試験 |
試験で理解度を測り,誤った点を復習する.
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 定期試験 | 課題 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 30 | 5 | 35 |
専門的能力 | 30 | 10 | 40 |
分野横断的能力 | 20 | 5 | 25 |