電気計測

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電気計測
科目番号 10033 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 広瀬 明著,「電気電子計測」,数理工学社
担当教員 上野 崇寿

到達目標

(1) 単位法等の測定の基礎について説明できる.(定期試験)
(2) 測定誤差の原因について理解し,その除去が出来るようになる.(定期試験)
(3) 有効数字の扱い及び統計処理が出来るようになる.(定期試験)
(4) 各種計器の測定原理について理解する.(定期試験)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1単位法等の測定の基礎について理解し,扱えるようになる.単位法等の測定の基礎について理解する.単位法等の測定の基礎について理解していない.
評価項目2測定誤差の原因について理解し,その除去が出来るようになる.測定誤差の原因について理解する.測定誤差の原因について理解していない.
評価項目3各種計器の測定原理について理解し,適当な環境に合わせた計測方法を考えることができる.各種計器の測定原理について理解する.各種計器の測定原理について理解していない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
計測技術は,近年大きな進歩を遂げ,現代の産業基盤を担う必要不可欠な技術の1つである.電気回路の電圧電流測定を行う場合,計器の接続により被測定回路へ影響を与えることになる.その影響を最小又は補償することが電気計測の本質である.ここでは,各種計測の原理を理解し,工学実験等において知識を活かせるよう学習を行う.
授業の進め方・方法:
板書を基本として適宜演習を行う.優れた参考書が多数ある.電気主任技術者試験問題等を参考に演習を繰り返し行うと良い.また再試は実施しない.
注意点:
工学実験等にて,実機をもって復習をしておくこと.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.測定の基礎
 測定と計測の関係
測定と計測の違いについて説明できる.
2週 1.測定の基礎
 単位
国際単位系について,その歴史を踏まえ書き方を含め説明できる.
3週 1.測定の基礎
 誤差
有効数字について,誤差を踏まえながら説明できる.誤差の原因である,系統誤差,偶然誤差について説明できる.
4週 1.測定の基礎
  統計処理
統計処理について理解し,その処理ができる.
5週 2.直流計器
  可動コイル型
指示計器ついて理解し,測定方法について説明できる.
6週 2.直流計器
  電圧計,電流計,内部抵抗
電圧計電流計の内部抵抗を理解し,計測時にどのような影響を及ぼすかについて学ぶ.
7週 3.電位差計法
  差動電圧,電位差計
電位差計法を理解し,計測時にどのような影響を及ぼすかについて説明できる.
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 4.直流ブリッジ
  ホイートストンブリッジ
直流ブリッジについて理解し説明できる.
10週 5.積算計器,記録計器 可動鉄片形,電流力計形計器について説明できる.
11週 6.交流計器
  整流計器,熱電形
整流計器,静電形計器について説明できる.
12週 7.抵抗の測定
  抵抗器 
各種抵抗の測定方法についてまとめ,環境に応じた測定について説明できる
13週 7.抵抗の測定
  四端子測定法
四端子抵抗,三端子抵抗の場合の計測方法について説明できる
14週 8.高抵抗の測定,特殊な抵抗の測定 高抵抗の測定,特殊な抵抗の測定について説明できる.
15週 前期期末試験
16週 前期期末試験の解答と解説 前期期末試験での理解不足を理解する.
後期
3rdQ
1週 9.インピーダンス素子の測定
交流ブリッジ
インピーダンス素子を零位法で精確に測定する方法(ブリッジ,Qメータ)について説明できる.
2週 10.電力の測定 無効電力,有効電力についてその意味を踏まえながら説明でき,電力量する方法を説明できる.
3週 11.計器用増幅器
  OPアンプ
負荷のエネルギー消費について,交流直流の場合に分けて説明できる.
4週 11.計器用増幅器
  負帰還増幅
測定すべき小さい信号を増幅器で拡大して測る方法について説明できる.
5週 12.陰極線オシロスコープ
  二現象観測 
オシロスコープの動作原理について,その測定原理を踏まえながら説明できる.
6週 12.陰極線オシロスコープ
  リサジュー波形
リサジュー波形について説明できる.
7週 後期中間試験
8週 13.ディジタル計測 ディジタル表現の利点と欠点及び量子化について説明できる.
4thQ
9週 13.ディジタル計測
  コンバータ
A/D及びD/Aコンバータの原理について説明できる.
10週 14.波形とスペクトル スペクトルについて説明できる.
11週 15.カウンタ パルス発生の仕組みとカウンタの原理について説明できる.
12週 17.信号とノイズ
ノイズ,信号検出法
正弦波では無い波形の性質を調べ,その測定方法について説明できる.
13週 18.計測システムと変換器 各種測定器の原理,それに付随する知識について説明できる
14週 19.計測とは何か. これまでの学習を踏まえ,計測すべき対象と環境について説明できる,
15週 後期期末試験
16週 後期期末試験の解答と解説 後期期末試験での理解不足を理解する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。4前1,後14
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。4前3
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。4前2
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。4前2
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。4前1,前5
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。4前6
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。4後8,後9
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。4前7
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。4前9
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。4後2
電力量の測定原理を説明できる。4後2
オシロスコープの動作原理を説明できる。4後5,後6

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力300000030
専門的能力700000070
分野横断的能力0000000