概要:
主に熱や波動に関する物理現象をどうやって数式で表わすかに力点を置く.できるだけ多くの物理現象に触れるようにするために,授業中に演示実験をたくさんする.なぜこのような理論がうまれてきたのかを考えることによって物理的なものの見方に慣れるようにする.教科書を読み予習してくることを前提として,講義を進める.
(科目情報)
授業時間:66時間
関連科目:物理Ⅰ,応用物理Ⅰ
授業の進め方・方法:
本講義は,前期が週2コマ,後期が週1コマとなっている.授業中に演示実験をすることで,できるだけ多くの物理現象に触れて理解を深められたい.
(評価について)
達成目標の(1)~(4)について 4 回の定期試験と課題,実験で評価する.
総合評価=0.7×(4 回の定期試験の平均)+0.3×(実験の点数+課題点).
授業中の態度などにより 10%を上限として減点する.総合評価が60 点以上を合格とする.
(再試験について)
再試験は年度末の再試験期間に1回のみ実施する.
受験資格は,課題等(ノート,プリント)を 70%以上提出した者.
注意点:
(履修上の注意)
教科書だけではどうしても理解が深まらないので,問題集を課し適宜宿題とする.自己採点後提出する.教室で解説することもある.
(自学上の注意)
題集専用ノートをつくり,自ら進んで問題集の基本例題を参考に,基本問題を解く.
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
温度と熱 |
温度と熱について学ぶ. 膨張率の定義を理解する.
|
2週 |
熱量 |
熱容量や比熱の定義を理解し,それらを利用できる.
|
3週 |
気体の分子運動 |
温度と気体の分子運動の関係を使える.
|
4週 |
気体の分子運動 |
温度と気体の分子運動の関係を使える.
|
5週 |
エネルギー保存の法則 |
気体の内部エネルギーを定義し,体積変化と仕事の関係など熱力学過程を表すことができる.
|
6週 |
エネルギー保存の法則 |
気体の内部エネルギーを定義し,体積変化と仕事の関係など熱力学過程を表すことができる.
|
7週 |
物理実験 (1) 運動量保存の法則 (2) 単振り子の周期 |
実験を行い,実験器具・実験操作に慣れると共に,物理現象・公式を確認し,測定と誤差について理解する
|
8週 |
物理実験 (3) 金属比熱の測定 (4) 力学的エネルギー保存の法則 |
実験を行い,実験器具・実験操作に慣れると共に,物理現象・公式を確認し,測定と誤差について理解する
|
2ndQ |
9週 |
前期中間試験 |
|
10週 |
物理実験 (5) おんさの振動数の測定 |
実験を行い,実験器具・実験操作に慣れると共に,物理現象・公式を確認し,測定と誤差について理解する
|
11週 |
直線上を伝わる波 |
直線上を伝わる波の基本的なこと(波長,振動数,速さなど)を使うことができる.
|
12週 |
直線上を伝わる波 |
直線上を伝わる波の基本的なこと(波長,振動数,速さなど)を使うことができる.
|
13週 |
直線上を伝わる波 平面や空間を伝わる波 |
波の干渉と重ね合わせの原理,反射による位相の変化,定常波を理解し使える.
|
14週 |
平面や空間を伝わる波 |
ホイヘンスの原理を理解し,波の干渉・回折・反射・屈折に関することを理解できる.
|
15週 |
前期期末試験 |
|
16週 |
前期期末試験の解答と解説 |
誤答や分からなかった問題を復習し、次回同様の問題を解く際は正答することができる.
|
後期 |
3rdQ |
1週 |
音波 |
音波の反射・屈折について理解する.
|
2週 |
音波 |
音波の回折・干渉について学ぶ
|
3週 |
音波 |
物体の固有振動について学び,共振・共鳴を理解できる.
|
4週 |
音波 |
ドップラー効果を理解する.
|
5週 |
音波 |
ドップラー効果を理解する.
|
6週 |
光波 |
光波に関する基本を理解し,光の反射・屈折を理解する.
|
7週 |
光波 |
光波に関する基本を理解し,光の回折・干渉を理解する.
|
8週 |
光波 |
光の分散について理解することができる.
|
4thQ |
9週 |
後期中間試験 |
|
10週 |
後期中間試験の解答と解説 |
誤答や分からなかった問題を復習し、次回同様の問題を解く際は正答することができる.
|
11週 |
光波 |
光の分散とスペクトルについて理解することができる.
|
12週 |
光波 |
光の偏光について理解することができる.
|
13週 |
光学機器 |
平面鏡とその像について理解し,凸レンズ・凹レンズとその応用について理解する.
|
14週 |
光学機器 |
平面鏡とその像について理解し,凸レンズ・凹レンズとその応用について理解する.
|
15週 |
後期期末試験 |
|
16週 |
後期期末試験の解答と解説 |
誤答や分からなかった問題を復習し、次回同様の問題を解く際は正答することができる.
|
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 熱 | 原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。 | 3 | |
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。 | 3 | |
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。 | 3 | |
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。 | 3 | |
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。 | 3 | |
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。 | 3 | |
気体の内部エネルギーについて説明できる。 | 3 | |
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。 | 3 | |
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。 | 3 | |
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。 | 3 | |
熱機関の熱効率に関する計算ができる。 | 3 | |
波動 | 波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。 | 3 | |
横波と縦波の違いについて説明できる。 | 3 | |
波の重ね合わせの原理について説明できる。 | 3 | |
波の独立性について説明できる。 | 3 | |
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。 | 3 | |
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。 | 3 | |
ホイヘンスの原理について説明できる。 | 3 | |
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。 | 3 | |
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。 | 3 | |
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。 | 3 | |
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。 | 3 | |
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。 | 3 | |
自然光と偏光の違いについて説明できる。 | 3 | |
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。 | 3 | |
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。 | 3 | |
物理実験 | 物理実験 | 測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。 | 3 | |
安全を確保して、実験を行うことができる。 | 3 | |
力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |
熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |
工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 3 | |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 3 | |
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。 | 3 | |
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。 | 3 | |
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。 | 3 | |