計算理論

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 計算理論
科目番号 30S525 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 情報工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 プリントを配布する.
担当教員 徳尾 健司

到達目標

(1) 決定可能性,帰着可能性,再帰定理,計算複雑性などの諸概念について理解できる.(定期試験と小テスト)
(2) λ計算,自然演繹および計算と論理の対応関係について理解できる.(定期試験と小テスト)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
(1) 決定可能性,帰着可能性,再帰定理,計算複雑性などの諸概念について理解できる.決定可能性,帰着可能性,再帰定理,計算複雑性などの諸概念について,他者に説明できるレベルで理解している.決定可能性,帰着可能性,再帰定理,計算複雑性などの諸概念について,講義で取り上げた例題を解くことができる.決定可能性,帰着可能性,再帰定理,計算複雑性などの諸概念について,基本的な概念の定義や用語の定義を述べることができない.
(2) λ計算,自然演繹および計算と論理の対応関係について理解できる.λ計算,自然演繹および計算と論理の対応関係について,他者に説明できるレベルで理解している.λ計算,自然演繹および計算と論理の対応関係について,講義で取り上げた例題を解くことができる.λ計算,自然演繹および計算と論理の対応関係について,基本的な概念の定義や用語の定義を述べることができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (B1) 説明 閉じる
JABEE 2.1(1)② 説明 閉じる

教育方法等

概要:
「計算とは何か」を規定するChurch-Turingのテーゼを軸に,2つのテーマを取り上げる.前半は計算モデルとしてTuring機械を用いて,決定可能性,帰着可能性,再帰定理,計算複雑性などの重要な概念について学ぶ.後半は,もう一つの計算モデルであるλ計算を用いて,計算と論理の関係について考究する.

(科目情報)
教育プログラム 第2学年 ○科目
授業時間 23.25時間
関連科目 論理数学,情報数学,形式言語理論,数理論理学(専攻科)
 
授業の進め方・方法:
原則として毎回,授業内容の理解を問う小テストを実施するので,授業を良く聞いて理解に努めること.

(参考図書)
[1] Sipser, M., Introduction to the Theory of Computation, PWS Pub. Co.
[2] シプサ,M., 計算理論の基礎,共立出版.
[3] ホップクロフト, J. 他,オートマトン 言語理論 計算論 II [第2版],サイエンス社.
[4] 鹿島亮,C言語による計算の理論,サイエンス社.
[5] 萩谷昌己・西崎真也,論理と計算のしくみ,岩波書店.
[6] Stuart, T., アンダースタンディング コンピュテーション,オライリー・ジャパン.
[7] 高橋正子,計算論,近代科学社.

(再試験について)
年度末の再試験期間に実施する.受験資格者については試験解説時にアナウンスする.
 
注意点:
(履修上の注意)
配布プリントを整理するためのクリアファイル(A4サイズ)を用意すること.

(自学上の注意)
参考図書の必要箇所を参照して予習・復習を行うこと.授業内容は [1][4][5] に基づく.[2] は [1] の邦訳.[3] はこの分野の標準的な教科書の一つ.[6] はプログラミング (Ruby) を通して実践的に形式言語理論と計算理論を学べる本.[7] はλ計算の標準的な教科書.
 

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 イントロダクション 予備知識を確認する.
2週 Turing機械の変種 Turing機械を用いて決定可能性,帰着可能性,再帰定理,計算複雑性などの概念を定式化し,理解する.
3週 帰着可能性 Turing機械を用いて決定可能性,帰着可能性,再帰定理,計算複雑性などの概念を定式化し,理解する.
4週 写像帰着可能性 Turing機械を用いて決定可能性,帰着可能性,再帰定理,計算複雑性などの概念を定式化し,理解する.
5週 再帰定理 Turing機械を用いて決定可能性,帰着可能性,再帰定理,計算複雑性などの概念を定式化し,理解する.
6週 P≠NP予想 Turing機械を用いて決定可能性,帰着可能性,再帰定理,計算複雑性などの概念を定式化し,理解する.
7週 λ計算 λ計算とその性質について理解する.
8週 復習と応用演習
4thQ
9週 後期中間試験
10週 後期中間試験の解答と解説
11週 Church-Rosserの定理 λ計算とその性質について理解する.
12週 型付きλ計算 λ計算とその性質について理解する.
13週 自然演繹 自然演繹について理解する.
14週 Curry-Howardの対応 計算と論理の対応関係について理解する.
15週 後期期末試験
16週 後期期末試験の解答と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験小テスト合計
総合評価割合7030100
専門的能力7030100