電子回路

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 電子回路
科目番号 31S311 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 高橋進一・岡田英史,「電子回路」,培風館
担当教員 岡 茂八郎

到達目標

(1) 電子回路を学ぶために必要な電気回路の基礎理論を理解し,説明することができる.(定期試験と課題・小テスト)
(2) ダイオードやトランジスタ,MOSFETの構造と基本動作を理解し,説明することができる.(定期試験と課題・小テスト)
(3)回路素子や半導体素子の過渡特性について理解し,説明することができる. (定期試験と課題・小テスト)
(4) TTL-ICやCMOS-ICの構成や過渡特性について理解し,説明することができる.(定期試験と課題・小テスト)
(5) 課題等を通して自主的・継続な学習ができる.(課題)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
電子回路を学ぶために必要な電気回路の基礎理論を理解し,説明することができる.電子回路を学ぶために必要な電気回路の基礎理論を詳しく理解し,説明することができる.電子回路を学ぶために必要な電気回路の基礎理論を理解し,説明することができる.電子回路を学ぶために必要な電気回路の基礎理論を理解し,説明することができない.
ダイオードやトランジスタ,MOSFETの構造と基本動作を理解し,説明することができる.ダイオードやトランジスタ,MOSFETの構造と基本動作を詳しく理解し,説明することができる.ダイオードやトランジスタ,MOSFETの構造と基本動作を理解し,説明することができる.ダイオードやトランジスタ,MOSFETの構造と基本動作を理解し,説明することができない.
回路素子や半導体素子の過渡特性について理解し,説明することができる. 回路素子や半導体素子の過渡特性について詳しく理解し,説明することができる. 回路素子や半導体素子の過渡特性について理解し,説明することができる. 回路素子や半導体素子の過渡特性について理解し,説明することができない.
TTL-ICやCMOS-ICの構成や過渡特性について理解し,説明することができる.TTL-ICやCMOS-ICの構成や過渡特性について詳しく理解し,説明することができる.TTL-ICやCMOS-ICの構成や過渡特性について理解し,説明することができる.TTL-ICやCMOS-ICの構成や過渡特性について理解し,説明することができない.
課題等を通して自主的・継続な学習ができる.課題等を通して電子回路について活発に自主的・継続な学習ができる.課題等を通して電子回路について自主的・継続な学習ができる.課題等を通して電子回路について自主的・継続な学習ができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (B2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 最初に,電子回路を学ぶために必要な電気関係の基礎知識を学習し,理解する。次に,半導体の特徴や性質を学び,その応用素子であるダイオードやトランジスタ,MOSFETの構造や電気的な働きを学び,理解する.その後,それらの素子を使った増幅回路などの基礎電子回路を理解する.さらに,それらの素子のスイチィング特性を学び,理解する.最後に,TTL-ICやCOM-ICについてその基本やそれを使った簡単な論理回路を学び,理解する.                                                                                                                         (科目情報)                                                              
授業時間    46.5時間                                                     関連科目    電磁気学Ⅰ,線形システム
授業の進め方・方法:
 低学年で学んだ,数学や化学,物理の知識が定着していることを前提に学習を開始する.また,同時開講されている電気回路との関連に注目しながら学習を行うように努める必要がある.さらに,ごく簡単な微分方程式の解法に関する知識も必要である.これらの知識を使ってアナログ電子回路やディジタル電子回路の基礎を理解する.                                              (課題提出について)                                                      課題は,課題ごとに示した条件をクリアした状態で締め切りまでに提出した場合に満点で評価する.提出期限の遅延は,1週間のみ認めるが最高評価点は満点の半分とする.一週間以上遅延しての提出は受け付けない.                                                                              (再試験について)                                                       課題をすべて提出した者で,総合評価が60点に満たない者を対象として1回のみ実施する.                                               
注意点:
(履修上の注意)
 現在,すべての情報に関連する機器は,電子回路でできている.この電子機器を構成している電子回路についての基礎知識を講義する.予習復習だけでなく,テレビ等の科学技術番組などにも興味を持ち日頃から接しておくことが大切である.なお,講義の途中でわからなくなったらすぐに質問すること.
(自学上の注意)
 必ず予習復習を行うこと.練習問題はその日のうちに自分で解くこと.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1. 電子回路の基礎            ・アナログ回路とディジタル回路      ・オームの法則とキルヒホッフの法則 〇アナログ回路とデジタル回路の違いを理解する.                〇オームの法則とキルヒホッフの法則を理解する.
2週 ・直流と交流電源            ・直列接続と並列接続                ・電圧分担と電流分担 〇直流,交流電源の違いを理解する.       〇直並列接続や電圧電流分担を理解する.
3週 ・重ね合わせの理             ・テブナンの定理とノートンの定理 〇重ね合わせの理,テブナンの定理,ノートンの定理を理解する.
4週 ・正弦波交流と実効値          ・回路素子(RCL)           ・複素数とベクトル           ・正弦波交流のベクトル表示 〇交流における回路素子(RCL)の働きを理解する.                  〇交流の複素表示とベクトル表示を理解する.
5週 ・交流回路の解析 〇交流回路の回路解析を理解し,習熟する.
6週 2.半導体デバイスの動作原理             ・半導体(真性半導体と不純物半導体)               ・ダイオードの構造と基本動作       ・ショットキーバリアダイオード 〇半導体について理解する。           〇ダイオードやトランジスタの基礎を理解する.                       〇ショットキーバリアダイオードについて理解する.
7週 ・トランジスタの構造と基本動作     ・MOSFETの構造と基本動作 〇トランジスタとMOSFETの構造と基本動作について理解する.
8週 3.増幅回路の形式と動作原理       ・エミッタ接地増幅回路と図式解法       ・ソース接地回路増幅回路と図式解法 〇エミッタ接地とソース接地について理解する.
2ndQ
9週 前期中間試験
10週 前期中間試験の解答と解説 自身の理解力を分析し,わからなかった部分を理解する.
11週 4.小信号等価回路による増幅回路の解析             ・二端子対回路            ・トランジスタ増幅回路の小信号等価回路 〇二端子対回路について理解し,トランジスタのh定数を使った等価回路を理解する.
12週 ・周波数特性 〇トランジスタの増幅回路の周波数特性について理解する.
13週 ・MOSFET増幅回路の小信号等価回路 〇MOSFETのh定数を使った等価回路を理解する.
14週 ・周波数特性 〇MOSFETの増幅回路の周波数特性について理解する.
15週 前期期末試験
16週 前期期末試験の解答と解説 自身の理解力を分析し,わからなかった部分を理解する.
後期
3rdQ
1週 5.ディジタル回路素子の過渡特性     ・RCLの過渡特性 〇ディジタル回路に使用される回路素子(RCL)の過渡特性を理解する.
2週 ・ダイオードのスイッチング動作      ・トランジスタのスイッチング動作 〇ダイオードとトランジスタのスイッティング特性について理解する.
3週 ・MOSFETのスイッチング動作 〇MOSFETのスイッティング特性について理解する.
4週 8.ディジタル論理回路素子           ・ダーオートとトランジスタを使った論理回路 〇ダイオードとトランジスタを使った論理回路を理解する.
5週 ・DTL-ICを使った論理回路 〇論理ICの基礎であるDTL-ICの基本構造と動作を理解する.
6週 ・TTL-ICを使った論理回路1 〇論理ICの発展を支えたTTL-ICの基本構造と動作を理解する.
7週 ・TTL-ICを使った論理回路2 〇TTL-ICを用いた論理回路について動作を理解する.
8週 ・TTL-ICを使った論理回路3 〇TTL-ICを用いた論理回路について動作を理解する.
4thQ
9週 後期中間試験
10週 後期中間試験の解答と解説 自身の理解力を分析し,わからなかった部分を理解する.
11週 ・CMOS素子を使った論理回路1 〇CMOS-ICの基本形についてその内部構造や動作を理解する.
12週 ・CMOS素子を使った論理回路2 〇CMOS-ICを使った論理回路について動作を理解する.
13週 9.組み合わせ回路                  ・論理式から論理回路               ・カルノー図による簡単化 〇論理式,論理記号を用いた論理回路について理解する.                 〇カルノー図を使った論理回路の簡単化について理解する.
14週 ・半加算器と全加算器                    ・減算回路 〇半加算器,全加算器について理解する.                  〇減算器について理解する.
15週 後期期末試験
16週 後期期末試験の解答と解説 自身の理解力を分析し,わからなかった部分を理解する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野その他の学習内容トランジスタなど、ディジタルシステムで利用される半導体素子の基本的な特徴について説明できる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,前14
ディジタル信号とアナログ信号の特性について説明できる。3前1

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力3000001040
専門的能力5000001060
分野横断的能力0000000