コンピュータアーキテクチャ

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 コンピュータアーキテクチャ
科目番号 31S419 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 柴山潔,「コンピュータアーキテクチャの基礎」,近代科学社/(参考図書)内田啓一郎他,「コンピュータアーキテクチャ」,オーム社
担当教員 嶋田 浩和

到達目標

(1) コンピュータの基本構造が説明できる.(定期試験,課題)
(2) 命令形式とアドレッシングが説明できる.(定期試験)
(3) メモリデバイス,キャッシュ,仮想記憶が説明できる.(定期試験)
(4) 割込み,入出力制御,バスが説明できる.(定期試験)
(5) プロセッサのアーキテクチャが説明できる.(定期試験,課題)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
ISACISCやRISCの違いをISAに関して説明できる命令形式とアドレッシングの基本的な説明ができるISAが理解できていない
各アーキテクチャ例を用いてアーキテクチャのトレードオフが説明できる動作が理解できる動作が説明できない
データ表現例を用いて,説明できる各種データを2進数または2進化コードで表現できる2進数または2進コードで表現できない
ハードウエアの役割順序回路と組み合わせ回路が設計できる簡単な順序回路と組み合わせ回路の違いを説明できる論理回路が理解できていない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (B2) 説明 閉じる
JABEE 2.1(1)① 説明 閉じる

教育方法等

概要:
コンピュータはハードウェアとソフトウェアで構成されており,ソフトウェアはハードウェアがどのように構成されているかによって提供できる機能が異なってくる.そのハードウェアをどのように構成し,設計するかについて学習し,そのアーキテクチャの技術を理解する.

(科目情報)
教育プログラム第1学年 ◎科目
授業時間 46.5時間
関連科目 分散コンピューティング,組み込みシステム
授業の進め方・方法:
講義形式である.

(再試験について)
再試験は総合評価が 60 点に満たない者のうちすべての課題を提出した者に対して実施する.
注意点:
(履修上の注意)
課題等は随時,LMSにアップロードされるので注意しておくこと
(自学上の注意)
ハードウェア,ソフトウェアの基礎を復習しておくこと.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 コンピュータアーキテクチャの概要 コンピュータ発展の歴史をたどりながら基本的な動作原理とコンピュータの性能について理解する.
2週 コンピュータアーキテクチャの概要 コンピュータ発展の歴史をたどりながら基本的な動作原理とコンピュータの性能について理解する.
3週 基本アーキテクチャ 命令形式,アドレッシング,命令セットについて理解する
4週 基本アーキテクチャ 命令形式,アドレッシング,命令セットについて理解する
5週 基本アーキテクチャ 命令形式,アドレッシング,命令セットについて理解する
6週 基本アーキテクチャ 命令形式,アドレッシング,命令セットについて理解する
7週 数表現
  基数変換,固定小数点表現と浮動小数点表現
コンピュータで内での数表現を理解する
  基数変換,固定小数点と浮動小数点のフォーマットを理解する
8週 数表現
    固定小数点表現と浮動小数点表現の精度
  固定小数点表現と浮動小数点表現における精度を理解する
2ndQ
9週 中間試験
10週 制御アーキテクチャ
  制御アーキテクチャ
命令セットを実行するプロセッサ(CPU)のデータ形式,演算装置,命令制御方式,について理解する.
11週 制御アーキテクチャ
命令実行順序制御
命令セットを実行するプロセッサ(CPU)のデータ形式,演算装置,命令制御方式,について理解する.
12週 制御アーキテクチャ
  パイプライン処理と高速化
命令セットを実行するプロセッサ(CPU)のデータ形式,演算装置,命令制御方式,について理解する.
13週 制御アーキテクチャ
アーキテクチャから見たOSの働き
アーキテクチャから見たOSの働きを理解する
14週 制御アーキテクチャ
割り込み処理
割込み処理について理解する.
15週 前期末試験
16週 試験解説
後期
3rdQ
1週 演算の種類と論理回路での表現 順序回路と組み合わせ回路について復習する
2週 固定小数点表現と浮動小数点表現の演算 数値表現とオーバフローにを理解する
3週 演算アーキテクチャ
 固定小数点の加算,減算回路
回路の構成と動作を理解する
4週 演算アーキテクチャ
 固定小数点の乗算,除算回路
回路の構成と動作を理解する
5週 演算アーキテクチャ
 浮動小数点の加算,減算回路
回路の構成と動作を理解する
6週 演算アーキテクチャ
 浮動小数点の乗算,除算回路
回路の構成と動作を理解する
7週 演算アーキテクチャ
 ALU
ALUの演算回路と動作について理解する
8週 演算アーキテクチャ
 データパイプライン
データパイプラインの動作について理解する
4thQ
9週 後期中間試験
10週 メモリアーキテクチャ
メモリデバイスと機能,階層構造
メモリデバイス,記憶階層を理解する.
11週 メモリアーキテクチャ
仮想記憶
仮想記憶を理解する.
12週 メモリアーキテクチャ
キャッシュ
キャッシュの動作と性能評価を理解する.
13週 入出力アーキテクチャ 入出力制御,バス,入出力機器について理解する.
14週 入出力アーキテクチャ 入出力制御,バス,入出力機器について理解する.
15週 後期期末試験
16週 試験解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野プログラミング主要な言語処理プロセッサの種類と特徴を説明できる。4前2
計算機工学整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。4前7
基数が異なる数の間で相互に変換できる。4前7
整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。4前7
小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。4前7
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。4前10,前11
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。4前10,前11
与えられた順序回路の機能を説明することができる。4前10
順序回路を設計することができる。4前11
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。4前4
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。4前7
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。4後10
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。4後12
コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて説明できる。4前3,後1
コンピュータシステムデュアルシステムやマルチプロセッサシステムなど、コンピュータシステムの信頼性や機能を向上させるための代表的なシステム構成について説明できる。4
システムプログラムコンピュータシステムにおけるオペレーティングシステムの位置づけを説明できる。4後1
プロセス管理やスケジューリングなどCPUの仮想化について説明できる。4後1
排他制御の基本的な考え方について説明できる。4後1,後3
記憶管理の基本的な考え方について説明できる。4後10
情報数学・情報理論コンピュータ上での数値の表現方法が誤差に関係することを説明できる。4後3

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000