情報数学

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 情報数学
科目番号 R02S416 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 なし 参考資料を配布する.
担当教員 徳尾 健司

到達目標

(1) 論理や数学的概念をプログラミングと関連付けて実践的に理解する.(定期試験と小テスト)
(2) 自主的,継続的に学習することができる.(課題)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
論理や数学的概念をプログラミングと関連付けて実践的に理解する.論理や数学的概念について,プログラミングと関連付けて他者に説明できるレベルで理解している.論理や数学的概念および関連するプログラミングについて,講義で取り上げた例題を解くことができる.論理や数学的概念および関連するプログラミングについて,基本的な概念の定義や用語の定義を述べることができない.
自主的,継続的に学習することができる.全ての課題を提出し,解答に創意工夫がみられる.全ての課題を提出している.課題の提出率が6割未満である.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (B2) 説明 閉じる
JABEE 1(2)(g) 説明 閉じる
JABEE 2.1(1)② 説明 閉じる

教育方法等

概要:
情報系技術者に求められる素養としての専門的な数学を学ぶ.とくに本講義では論理や数学的概念をプログラミングと関連付けて実践的に理解することを目標とし,そのためのツールとして関数型プログラミング言語Haskellを活用する.講義を通じて,抽象的な概念はHaskellにおける具体的な表現と結び付けられる.

(科目情報)
教育プログラム 第1学年 ◎科目
授業時間 23.25時間
授業の進め方・方法:
原則として毎回,授業内容の理解を問う小テストを実施するので,授業を良く聞いて理解に努めること.

(参考図書)
[1] Kees Doets and Jan van Eijck, The Haskell Road To Logic, Maths And Programming, College Publications.
[2] Makinson, D., Sets, Logic and Maths for Computing, Springer.
[3] Susanna S. Epp, Discrete Mathematics with Applications, Brooks Cole.

(単位修得の条件について)
全課題の60%以上の提出を単位修得の条件とする.

(総合評価)
総合評価 = 定期試験 × 0.5 + 小テスト × 0.3 + 課題 × 0.2

( 再試験について)
年度末の再試験期間に実施する.受験資格者については試験解説時にアナウンスする.
 
注意点:
(履修上の注意)
配布プリントを整理するためのクリアファイル(A4サイズ)を用意すること.

(自学上の注意)
参考図書の必要箇所を参照して予習・復習を行うこと.授業内容は [1] に基づく.[2] は情報数学の教科書として書かれた他の本.[3] は問題が豊富で演習に役立つ.
課題に取り組むために,自宅でもHaskellのプログラミング環境を構築することが望ましい.(自宅で環境を構築できない場合は,放課後に情報システム実験室を利用すること)
https://www.haskell.org/ghc/download
 

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 イントロダクション Haskellの概要について理解する.
2週 論理(1) 論理結合子,論理的妥当性について理解する.
3週 論理(2) 量化子,λ抽象について理解する.
4週 証明(1) 証明の様式,証明の規則 (論理結合子) について理解する.
5週 証明(2) 証明の規則 (量化子,背理法) について理解する.
6週 集合,型,リスト(1) 集合,Russellのパラドックスについて理解する.
7週 集合,型,リスト(2) 集合の演算,リストについて理解する.
8週 関係(1) 直積,関係,関係の性質,順序関係,同値関係について理解する.
4thQ
9週 後期中間試験
10週 後期中間試験の解答と解説 / 関係(2) 同値類と分割について理解する.
11週 関数(1) 全射,単射,全単射について理解する.
12週 関数(2) 合成と逆,部分関数,関数と同値関係について理解する.
13週 帰納法と再帰(1) 数学的帰納法,再帰的定義の性質について理解する.
14週 帰納法と再帰(2) 木とリストに関する帰納法と再帰について理解する.
15週 後期期末試験
16週 後期期末試験の解答と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野プログラミングプログラミング言語は計算モデルによって分類されることを説明できる。4後1
主要な計算モデルを説明できる。4後1
情報数学・情報理論集合に関する基本的な概念を理解し、集合演算を実行できる。4後6,後7,後8,後9
集合の間の関係(関数)に関する基本的な概念を説明できる。4後11,後12,後14,後15
論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明できる。4後2,後3,後4,後5,後8,後9
離散数学に関する知識をアルゴリズムの設計、解析に利用することができる。4後12,後13,後15,後16

評価割合

試験小テスト課題合計
総合評価割合503020100
専門的能力503020100