到達目標
(1) 決定可能性,帰着可能性,再帰定理,計算複雑性などの諸概念について理解できる.(定期試験と小テスト)
(2) λ計算,自然演繹および計算と論理の対応関係について理解できる.(定期試験と小テスト)
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
(1) 決定可能性,帰着可能性,再帰定理,計算複雑性などの諸概念について理解できる. | 決定可能性,帰着可能性,再帰定理,計算複雑性などの諸概念について,他者に説明できるレベルで理解している. | 決定可能性,帰着可能性,再帰定理,計算複雑性などの諸概念について,講義で取り上げた例題を解くことができる. | 決定可能性,帰着可能性,再帰定理,計算複雑性などの諸概念について,基本的な概念の定義や用語の定義を述べることができない. |
(2) λ計算,自然演繹および計算と論理の対応関係について理解できる. | λ計算,自然演繹および計算と論理の対応関係について,他者に説明できるレベルで理解している. | λ計算,自然演繹および計算と論理の対応関係について,講義で取り上げた例題を解くことができる. | λ計算,自然演繹および計算と論理の対応関係について,基本的な概念の定義や用語の定義を述べることができない. |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育目標 (B1)
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JABEE 1(2)(g)
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JABEE 2.1(1)②
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教育方法等
概要:
「計算とは何か」を規定するChurch-Turingのテーゼを軸に,2つのテーマを取り上げる.前半は計算モデルとしてTuring機械を用いて,決定可能性,帰着可能性,再帰定理,計算複雑性などの重要な概念について学ぶ.後半は,もう一つの計算モデルであるλ計算を用いて,計算と論理の関係について考究する.
(科目情報)
教育プログラム 第2学年 ○科目
授業の進め方・方法:
原則として毎回,授業内容の理解を問う小テストを実施するので,授業を良く聞いて理解に努めること.
(参考図書)
[1] Sipser, M., Introduction to the Theory of Computation, PWS Pub. Co.
[2] シプサ,M., 計算理論の基礎,共立出版.
[3] ホップクロフト, J. 他,オートマトン 言語理論 計算論 II [第2版],サイエンス社.
[4] 鹿島亮,C言語による計算の理論,サイエンス社.
[5] 萩谷昌己・西崎真也,論理と計算のしくみ,岩波書店.
[6] Stuart, T., アンダースタンディング コンピュテーション,オライリー・ジャパン.
[7] 高橋正子,計算論,近代科学社.
(事前学習)
参考図書 [1, 2] の該当箇所を読んでおくことが望ましい.
注意点:
(履修上の注意)
配布プリントを整理するためのクリアファイル(A4サイズ)を用意すること.
(自学上の注意)
参考図書の必要箇所を参照して予習・復習を行うこと.授業内容は [1][4][5] に基づく.[2] は [1] の邦訳.[3] はこの分野の標準的な教科書の一つ.[6] はプログラミング (Ruby) を通して実践的に形式言語理論と計算理論を学べる本.[7] はλ計算の標準的な教科書.
評価
(総合評価)
総合評価 = 定期試験 × 0.7 + 小テスト × 0.3
(再試験について)
総合評価が60点未満の者に対して実施する場合がある.受験資格者については試験解説時にアナウンスする.
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
イントロダクション |
予備知識を確認する.(計算 / アルゴリズムの定義 / Church-Turingのテーゼ / Turing機械 / Turing計算可能 / 再帰的定義とプログラム / λ抽象)
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2週 |
Turing機械の変種 |
Turing機械の変種について理解する.(多テープTuring機械 / 非決定性Turing機械 / 現実のコンピュータとTuring機械)
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3週 |
帰着可能性 |
帰着可能性について理解する.(帰着 / 帰着可能性と決定可能性 / Turing機械の停止問題 / Turing機械の空性問題 / Turing機械の正規性問題)
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4週 |
写像帰着可能性 |
写像帰着可能性について理解する.(写像帰着可能性 / 計算可能関数 / 写像帰着可能性と決定可能性 / 写像帰着可能性と認識可能性)
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5週 |
再帰定理 |
再帰定理について理解する.(自己の文字列表現を生成する機械 / 再帰定理)
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6週 |
P≠NP予想 |
計算の複雑性について理解する.(時間計算量 / 漸近分析 / 時間計算量クラス / 多テープTuring機械の時間計算量 / 非決定性Turing機械の時間計算量 / クラスP / クラスNP / P vs NP)
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7週 |
NP完全性 |
NP完全性について理解する.(ブール式 / 充足可能問題 / Cook-Levinの定理 / 多項式時間帰着 / NP完全)
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8週 |
λ計算 |
λ計算について理解する.(λ式 / Curry化 / λ項 / α同値,α変換)
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4thQ |
9週 |
後期中間試験 |
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10週 |
後期中間試験の解答と解説 |
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11週 |
Church-Rosserの定理 |
Church-Rosserの定理について理解する.(β簡約 / Churchの数字 / Church-Rosserの定理)
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12週 |
型付きλ計算 |
型付きλ計算について理解する.(型 / 型付け / Subject Reduction定理 / 強正規化可能性定理 / 型検査)
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13週 |
自然演繹 |
自然演繹について理解する.(自然演繹の図式 / NK, NJ)
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14週 |
Curry-Howardの対応 |
計算と論理の対応関係について理解する.(λ計算とNJ / λ項による証明図の表現 / Curry-Howard対応 / β簡約と証明図の変形)
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15週 |
後期期末試験 |
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16週 |
後期期末試験の解答と解説 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 小テスト | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 30 | 100 |
専門的能力 | 70 | 30 | 100 |