電子回路

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 電子回路
科目番号 R04S312 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 高橋進一・岡田英史,「電子回路」,培風館
担当教員 重松 康祐

到達目標

(1) 電子回路を学ぶために必要な電気回路の基礎理論を理解し,説明することができる.(定期試験と課題)
(2) ダイオードやトランジスタ,MOSFETの構造と基本動作を理解し,説明することができる.(定期試験と課題)
(3) TTLやCMOSの構成や動作について理解し,説明することができる.(定期試験と課題)
(4) 組合せ回路や順序回路について理解し,説明することができる.(定期試験と課題)
(5) 課題等を通して自主的・継続的な学習ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
電子回路を学ぶために必要な電気回路の基礎理論を理解し,説明することができる.電子回路を学ぶために必要な電気回路の基礎理論を詳しく理解し,説明することができる.電子回路を学ぶために必要な電気回路の基礎理論を理解し,説明することができる.電子回路を学ぶために必要な電気回路の基礎理論を説明することができない.
ダイオードやトランジスタ,MOSFETの構造と基本動作を理解し,説明することができる.ダイオードやトランジスタ,MOSFETの構造と基本動作を詳しく理解し,説明することができる.ダイオードやトランジスタ,MOSFETの構造と基本動作を理解し,説明することができる.ダイオードやトランジスタ,MOSFETの構造と基本動作を説明することができない.
TTLやCMOSの構成や動作について理解し,説明することができる.TTLやCMOSの構成や動作について詳しく理解し,説明することができる.TTLやCMOSの構成や動作について理解し,説明することができる.TTLやCMOSの構成や動作について説明することができない.
組合せ回路や順序回路について理解し,説明することができる.組合せ回路や順序回路について詳しく理解し,説明することができる.組合せ回路や順序回路について理解し,説明することができる.組合せ回路や順序回路について説明することができない.
課題等を通して自主的・継続的な学習ができる.課題等を通して電子回路について活発に自主的・継続的な学習ができる.課題等を通して電子回路について自主的・継続的な学習ができる.課題等を通して電子回路について自主的・継続的な学習ができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (B2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
現在,すべての情報に関連する機器は,電子回路でできている.この電子機器を構成している電子回路についての基礎知識を講義する.
最初に,電子回路を学ぶために必要な電気関係の基礎知識を学習し,理解する。次に,半導体の特徴や性質を学び,その応用素子であるダイオードやトランジスタ,MOSFETの構造や電気的な働きを学び,理解する.その後,それらの素子を使った増幅回路などの基礎電子回路を理解する.さらに,それらの素子のスイッチング特性を学び,理解する.続いて,TTLやCMOSについてその基本やそれを使った簡単な論理回路を学び,理解する.最後に,組合せ回路や順序回路を学び,理解する.
   
授業の進め方・方法:
同時開講されている電気回路や論理数学との関連に注目しながら学習を行うように努める必要がある.これらの知識を使ってアナログ電子回路やディジタル電子回路の基礎を理解する. 

(事前学習)
低学年で学んだ,数学や化学,物理の知識を定着させておくこと.
注意点:
(履修上の注意)
予習復習だけでなく,テレビやインターネットから得られる情報にも興味を持ち日頃から接しておくことが大切である.
なお,講義の途中でわからなくなったらすぐに質問すること.

(自学上の注意)
各回で実施する振り返りに基づいて,理解が不十分であったところを重点的に復習すること.

評価

(総合評価)
総合評価 = (定期試験の平均点) × 0.8 + 課題等 × 0.2
(単位修得の条件)
総合評価60%以上を単位修得の条件とする.
(再試験について)
再試験は原則実施しない.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電子回路の基礎
・アナログ回路とディジタル回路      
・受動素子と能動素子
・キルヒホッフの法則
アナログとディジタルの違いを説明できる
受動素子と能動素子を説明できる
キルヒホッフの法則を適用できる
2週 ・直流と交流            
・電圧源と電流源
直流,交流の違いを説明できる
電圧源と電流源を説明できる
3週 半導体デバイスの動作原理
・半導体(真性半導体と不純物半導体)
・ダイオードの構造と基本動作
・ショットキーバリアダイオード
半導体について説明できる
ダイオードやトランジスタの基礎を説明できる
ショットキーバリアダイオードについて説明できる
4週 ・トランジスタの構造と基本動作 トランジスタの構造を説明できる
トランジスタの動作を説明できる
トランジスタの特徴と特性を説明できる
5週 増幅回路の形式と動作原理
・エミッタ接地増幅回路
エミッタ接地回路の増幅を説明できる
6週 ・ベース接地増幅回路
・コレクタ接地増幅回路
ベース接地回路の増幅を説明できる
コレクタ接地回路の増幅を説明できる
7週 ・エミッタ接地増幅回路と図式解法
・二端子対回路
負荷直線を用いて増幅回路を解析できる
二端子対回路を説明することができる
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 ・トランジスタ増幅回路の小信号等価回路 トランジスタのh定数を使った等価回路を説明できる.
10週 MOSFETの構造と基本動作 MOSFETの構造を説明できる
MOSFETの動作を説明できる
11週 ・ソース接地回路 ソース接地回路の増幅について説明することができる.
12週 ・MOSFET増幅回路の図式解法 MOSFETにおける負荷直線による解析ができる.
13週 ・MOSFET増幅回路の小信号等価回路 MOSFETの小信号等価回路を説明できる
14週 前期期末試験
15週 前期期末試験の解答と解説 自身の理解力を分析し,わからなかった部分を理解する.
16週
後期
3rdQ
1週 ダイオード/トランジスタのスイッチング ディジタル回路の基礎を説明できる.
ダイオード/トランジスタのスイッチングを説明できる.
2週 ・MOSFETのスイッチング動作
・インバータの設計
MOSFETのスイッチングを説明できる.
インバータの動作を説明できる.
3週 ・ダイオードを使った論理回路
・DTL
ダイオードによるAND/ORゲートを説明できる.
DTLについて説明できる
4週 ・TTLを使った論理回路1 TTLの基本構造と動作を説明できる.
5週 ・TTLを使った論理回路2 TTLの電気特性を説明できる.
6週 ・CMOS素子を使った論理回路1 CMOSの基本形についてその内部構造や動作原理を説明できる.
CMOSを使ったNANDゲートを説明できる.
7週 ・CMOS素子を使った論理回路2 CMOSの電気特性を説明できる.
8週 ・TTLとCMOS素子の接続 TTLとCMOSの接続について説明できる.
4thQ
9週 後期中間試験
10週 後期中間試験の解答と解説
組み合わせ回路
自身の理解力を分析し,わからなかった部分を理解する.
組み合わせ回路の基本を説明できる.
11週 ・半加算器と全加算器 半加算器,全加算器説明できる.
12週 順序回路
・ラッチ
順序回路の基本を説明できる.
ラッチの基本と動作を説明できる.
13週 ・フリップフロップ フリップフロップの基本と動作を説明できる.
14週 ・順序回路の応用 カウンタなどの順序回路を説明できる.
15週 後期期末試験
16週 後期期末試験の解答と解説 自身の理解力を分析し,わからなかった部分を理解する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野その他の学習内容トランジスタなど、ディジタルシステムで利用される半導体素子の基本的な特徴について説明できる。4前3,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後10,後11,後12,後13,後14
ディジタル信号とアナログ信号の特性について説明できる。3前1,前2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力3000001040
専門的能力5000001060
分野横断的能力0000000