コンピュータアーキテクチャ

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 コンピュータアーキテクチャ
科目番号 R04S421 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 柴山潔,「コンピュータアーキテクチャの基礎」,近代科学社/(参考図書)David A.Patterson, John L.Hennessy, 「パターソン&ヘネシーコンピュータの構成と設計(上/下)」, 日経BP社
担当教員 井上 優良

到達目標

(1) ISAの構造,機能および目的が説明できる.(定期試験,課題)
(2) 制御アーキテクチャの構造,機能および目的が説明できる.(定期試験,課題)
(3) 演算アーキテクチャの構造,機能および目的が説明できる.(定期試験,課題)
(4) メモリアーキテクチャの構造,機能および目的が説明できる.(定期試験,課題)
(5) 入出力アーキテクチャの構造,機能および目的が説明できる.(定期試験,課題)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
トレードオフ各アーキテクチャに関するトレードオフが議論できる各アーキテクチャにおける技法のメリットとデメリットを述べることができるトレードオフの対象となる項目が抽出できない
ソフトウェア各アーキテクチャにおける目的と動作を関連づけて説明できる各アーキテクチャにおける動作を説明できる動作が説明できない
ハードウェア各アーキテクチャにおける目的と動作を関連づけて説明できる各アーキテクチャにおける論理回路などを用いて動作を説明できる動作が説明できない.論理回路で設計ができない
CPUの構造高速化と汎用性に関する手法を説明できる高速化と汎用性にに関する手法を列挙できる高速化と汎用性に関する手法が列挙できない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (B2) 説明 閉じる
JABEE 1.2(d)(1) 説明 閉じる
JABEE 1.2(g) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
コンピュータはハードウェアとソフトウェアで構成されており,ソフトウェアはハードウェアがどのように構成されているかによって提供できる機能が異なってくる.そのハードウェアをどのように構成し,設計するかについて学習し,そのアーキテクチャの技術を理解する.

(科目情報)
教育プログラム第1学年 ◎科目
授業の進め方・方法:
講義形式である.

(事前学習)
コンピュータ基礎,論理数学,電子回路を復習しておくこと.
注意点:
(履修上の注意)
課題等は随時,LMSにアップロードされるので注意しておくこと
(自学上の注意)
教科書をよく読み用語をきちんと押さえること

評価

(総合評価)
 総合評価=(前期中間評価と定期試験の平均)×0.8+(課題)×0.2
(単位の修得条件)
総合評価が60点以上であること
(再試験について)
再試験は総合評価が 60 点に満たない者のうちすべての課題を提出した者に対して実施する.
また前期範囲、後期範囲はそれぞれ別々に再試験を行うが、両方の再試験の平均を以って再試験の結果とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 コンピュータアーキテクチャの概要 コンピュータ発展の歴史をたどりながら基本的な動作原理とコンピュータの性能について説明できる.
2週 数表現
  基数変換,固定小数点表現と浮動小数点表現
基数変換を説明できる
3週 数表現
  基数変換,固定小数点表現と浮動小数点表現
固定小数点表現と浮動小数点表現のフォーマットを説明できる
4週 数表現
  基数変換,固定小数点表現と浮動小数点表現
固定小数点表現と浮動小数点表現の精度を説明できる
5週 演算の種類と論理回路での表現1 組み合わせ回路について復習する
6週 演算の種類と論理回路での表現2 順序回路について復習する
7週 演算の種類と論理回路での表現3 順序回路について復習する
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 演算アーキテクチャ
 固定小数点の加算,減算回路
回路の構成と動作を説明できる
数値表現とオーバフローを説明できる
10週 演算アーキテクチャ
 固定小数点の乗算,除算回路
回路の構成と動作を説明できる
11週 演算アーキテクチャ
 浮動小数点の加算,減算回路
回路の構成と動作を説明できる
12週 演算アーキテクチャ
 浮動小数点の乗算,除算回路
回路の構成と動作を説明できる
13週 演算アーキテクチャ
 ALU
ALUの演算回路と動作について説明できる
14週 演算アーキテクチャ
 データパイプライン
データパイプラインの動作について説明できる
15週 前期末試験
16週 試験解説
後期
3rdQ
1週 基本アーキテクチャ 命令形式,アドレッシング,命令セットについて説明できる
2週 基本アーキテクチャ 命令形式,アドレッシング,命令セットについて説明できる
3週 基本アーキテクチャ 命令形式,アドレッシング,命令セットについて説明できる
4週 基本アーキテクチャ 命令形式,アドレッシング,命令セットについて説明できる
5週 制御アーキテクチャ
  制御アーキテクチャ
命令セットを実行するプロセッサ(CPU)のデータ形式,演算装置,命令制御方式について説明できる
6週 制御アーキテクチャ
命令実行順序制御
命令セットを実行するプロセッサ(CPU)のデータ形式,演算装置,命令制御方式,について説明できる
7週 制御アーキテクチャ
  パイプライン処理と高速化
割り込み処理
スカラ処理,スーパーパイプラインなどの高速処理を説明できる
割込み処理について説明できる
8週 制御アーキテクチャ
アーキテクチャから見たOSの働き
アーキテクチャから見たOSの働きを説明できる
4thQ
9週 後期中間試験
10週 メモリアーキテクチャ
メモリデバイスと機能,階層構造
メモリデバイス,記憶階層を説明できる
11週 メモリアーキテクチャ
仮想記憶
仮想記憶を説明できる
12週 メモリアーキテクチャ
キャッシュ
キャッシュの動作と性能評価を説明できる
13週 入出力アーキテクチャ 入出力制御,バス,入出力機器について説明できる
14週 入出力アーキテクチャ 入出力制御,バス,入出力機器について説明できる
15週 後期期末試験
16週 試験解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野プログラミング主要な言語処理プロセッサの種類と特徴を説明できる。4後1
プログラミング言語は計算モデルによって分類されることを説明できる。4後3
計算機工学整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。4前3
基数が異なる数の間で相互に変換できる。4前3
整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。4前3
小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。4前3
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。4後5,後6
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。4後5,後6
与えられた順序回路の機能を説明することができる。4後5
順序回路を設計することができる。4後6
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。4後3
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。4前3
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。4後10
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。4後12
コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて説明できる。4前5,後2
コンピュータシステムデュアルシステムやマルチプロセッサシステムなど、コンピュータシステムの信頼性や機能を向上させるための代表的なシステム構成について説明できる。4
システムプログラムコンピュータシステムにおけるオペレーティングシステムの位置づけを説明できる。4前5
プロセス管理やスケジューリングなどCPUの仮想化について説明できる。4前5
排他制御の基本的な考え方について説明できる。4前5,前9
記憶管理の基本的な考え方について説明できる。4後10
情報数学・情報理論コンピュータ上での数値の表現方法が誤差に関係することを説明できる。4前9

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000