電子物性概論

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 電子物性概論
科目番号 R04S519 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 情報工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 宮入圭一・橋本佳男,「やさしい電子物性」,森北出版.
担当教員 重松 康祐

到達目標

(1) 原子の構造について式を用いて説明することができる.(定期試験と課題・小テスト)
(2) 基礎的な量子力学について原理や動作を式を用いて説明することができる.(定期試験と課題・小テスト)
(3) 金属や半導体の電気的性質をバンド理論等を用いて説明することができる. (定期試験と課題・小テスト)
(4) 半導体素子について原理や動作を式を用いて説明することができる.(定期試験と課題・小テスト)
(5) 課題等を通して自主的・継続な学習ができる.(課題)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
原子の構造について式を用いて説明することができる.原子の構造について式を用いて正しく説明することができる.原子の構造について式を用いて説明することができる.原子の構造について式を用いて説明することができない.
基礎的な量子力学について原理や動作を式を用いて説明することができる.基礎的な量子力学について原理や動作を式を用いて正しく説明することができる.基礎的な量子力学について原理や動作を式を用いて説明することができる.基礎的な量子力学について原理や動作を式を用いて説明することができない.
金属や半導体の電気的性質をバンド理論等を用いて説明することができる.金属や半導体の電気的性質をバンド理論等を用いて正しく説明することができる.金属や半導体の電気的性質をバンド理論等を用いて説明することができる.金属や半導体の電気的性質をバンド理論等を用いて説明することができない.
半導体素子について原理や動作を式を用いて説明することができる.半導体素子について原理や動作を式を用いて正しく説明することができる.半導体素子について原理や動作を式を用いて説明することができる.半導体素子について原理や動作を式を用いて説明することができない.
課題等を通して自主的・継続な学習ができる.課題等を通して自主的・継続な学習が活発にできる.課題等を通して自主的・継続な学習ができる.課題等を通して自主的・継続な学習ができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (B2) 説明 閉じる
JABEE 1.2(d)(1) 説明 閉じる
JABEE 1.2(g) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 情報工学を支えているコンピュータやスマートフォンなどの機能を実現しているのは,電子機器である.周知のように電子機器はシリコンやヒ化ガリウムなどといった固体中の電子の振る舞いを積極的に利用した半導体素子から成っている.そこで,この科目では,原子構造論やごく基礎的な量子力学をもとにして電子物性を固体中の電子の振る舞いに着目して教授する.さらに,金属中や半導体の電気伝導とそれを利用した半導体素子について簡単に教授する.
(科目情報)
教育プログラム 第2学年 ◎科目
授業の進め方・方法:
低学年で学んだ,原子の構造,周期律,化学結合,電気化学,重力,運動,ポテンシャル,静電力などの化学,物理の知識が定着していることを前提に学習を開始する。また,簡単な微分方程式の解法に関する知識も必要である。これらを使って金属中や半導体中の電子のふるまいを導き,導電現象や光電効果などを理解することを目的とする。
(事前学習)
前回の授業範囲を教科書とノートで復習し,今回の授業範囲の教科書を読んでおく
注意点:
(履修上の注意)
 現在,すべての情報に関連する機器は,Siをベースとする半導体でできているといっても過言ではない。この電子機器を構成している半導体や導体,絶縁体などについての基礎知識を講義する。予習復習だけでなく,テレビ等の科学技術番組などにも興味を持ち日頃から接しておくことが大切である。なお,講義の途中でわからなくなったらすぐに質問すること.
(自学上の注意)
 必ず予習復習を行うこと.練習問題はその日のうちに自分で解くこと.
(課題提出について)
課題は,課題ごとに示した条件をクリアした状態で締め切りまでに提出した場合に満点で評価する。提出期限の遅延は,1週間のみ認めるが最高評価点は満点の半分とする。一週間以上遅延しての提出は受け付けない。

評価

(総合評価)
総合評価 = 定期試験 x 0.8 + その他 x 0.2
(単位取得の条件)
総合評価が60点以上を合格とする.
(再試験について)
総合評価が60点に満たない者を対象として実施する.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ①電子のはたらき 電子の性質や電子の粒子性を理解する.
2週 ②原子の発光 原子の発光について理解する.
3週 ③波動関数① 電子の波動関数について理解する.
4週 ③波動関数② 電子の波動関数とエネルギーについて理解する.
5週 ④シュレーディンガーの波動方程式① シュレーディンガーの波動方程式について理解する.
6週 ④シュレーディンガーの波動方程式② シュレーディンガーの波動方程式の利用について理解する.
7週 ④シュレーディンガーの波動方程式③ 位置についてのシュレーディンガーの波動方程式を理解する.
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 ⑤電子の軌道,原子の結合と結晶 原子内の電子の軌道および原子の結合と結晶について理解する.
10週 ⑥周期的ポテンシャル① 自由電子のエネルギーについて理解する①.
11週 ⑥周期的ポテンシャル② 自由電子のエネルギーについて理解する②.
12週 ⑦粒子の統計・格子振動と熱 粒子の統計や格子振動について理解する.
13週 ⑧金属と半導体の電気伝導 金属や半導体での電気伝導を理解する.
14週 ⑨金属と半導体のバンド理論 金属と半導体のバンド理論について理解する
15週 前期期末試験
16週 前期期末試験の解答と解説 試験の解答と解説を行い,理解を図る.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力2000001030
専門的能力5000001060
分野横断的能力100000010