物理Ⅱ

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 物理Ⅱ
科目番号 R05S206 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 情報工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 前期:4 後期:2
教科書/教材 (教科書)改訂版「総合物理1(力と運動・熱)」,「総合物理2(波・電気と磁気・原子)」/(参考図書) 数研出版リードα物理基礎・物理
担当教員 牧野 伸義

到達目標

(1) 温度と熱の法則について理解し,それらの現象を物理的に表現できる.(定期試験と課題)
(2) 波動の基本事項について理解し,音波や光波の様々な現象を理解することができる.(定期試験と課題)
(3) 実験的に物理現象の原理や法則を調べることができる.(実験とレポート)
(4) 物理的な見方,考え方を理解するとともに,問題集を使って自主的・継続的に学習ができる.(課題)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標(1)の評価指標温度と熱の法則について理解し,例を挙げ,物理的に表現でき.問題を解くことができる.温度と熱の法則について理解し,物理的に表現でき,問題を解くことができる.温度と熱の法則について理解があやふやで,それらの現象を物理的に表現できない.
到達目標(2)の評価指標波動の基本事項について理解し,音波や光波の様々な現象と基本事項を結びつけることができる.波動の基本事項および音波や光波の様々な現象を理解することができる.波動の基本事項と音波や光波の様々な現象が理解できない.
到達目標(3)の評価指標実験を行って関連する物理現象の原理や法則を調べ,物理的に分析することができる.実験を行って物理現象の原理や法則を調べることができる.実験を行っても内容に関する物理現象の原理や法則の関連性の理解が不十分である.
到達目標(4)の評価指標進んで課題の応用問題に取り組むことができ,課題提出を継続して行うことができる.課題に取り組み,課題提出を継続して行うことができる.課題に取り組めず,課題を提出することができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (B1) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
主に熱や波動に関する物理現象をどうやって数式で表わすかに力点を置く.できるだけ多くの物理現象に触れるようにするために,授業中に演示実験をたくさんする.なぜこのような理論がうまれてきたのかを考えることによって物理的なものの見方に慣れるようにする.教科書を読み予習してくることを前提として,講義を進める.
授業の進め方・方法:
本講義は,前期が週2コマ,後期が週1コマとなっている.授業中に演示実験をすることで,できるだけ多くの物理現象に触れて理解を深められたい.
(事前学習)
前もって教科書を読んでおき,問題集の「基礎チェック」で基礎項目の理解度をチェックする.
注意点:
(履修上の注意)
教科書だけではどうしても理解が深まらないので,問題集を課し適宜宿題とする.自己採点後提出する.教室で解説することもある.
(自学上の注意)
問題集専用ノートをつくり,自ら進んで問題集の基本例題を参考に,基本問題を解く.

評価

(総合評価)
総合評価=(4回の定期試験の平均)×0.7+(実験の点数+課題点)×0.3
(単位修得の条件について)
総合評価が60 点以上を合格とする.
(再試験について)
再試験は年度末の再試験期間に1回のみ実施する.受験資格は,課題等(ノート,プリント)を 70%以上提出した者.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 熱と熱量 温度と熱について学ぶ.熱容量や比熱の定義を理解し,それらを利用できる.
2週 熱と物質の状態 物質の三態を理解し,潜熱の計算ができる.膨張率の定義を理解する.
3週 熱と仕事,気体の法則 熱の一部を仕事に変えることができることが理解できる.気体の状態方程式を使うことができる.
4週 気体分子の運動 温度と気体の分子運動の関係を理解することができる.
5週 気体の状態変化 内部エネルギーを理解し,熱力学第一法則を使うことができる.気体のモル比熱を理解できる.
6週 エネルギーの移り変わり エネルギーの変換と保存が理解できる.熱機関を理解し,熱効率を計算できる.
7週 物理実験
(1) 運動量保存の法則
(2) 単振り子の周期
実験を行い,実験器具・実験操作に慣れると共に,物理現象・公式を確認し,測定と誤差について理解する.
8週 物理実験
(3) 金属比熱の測定
(4) 力学的エネルギー保存の法則
実験を行い,実験器具・実験操作に慣れると共に,物理現象・公式を確認し,測定と誤差について理解する.
2ndQ
9週 前期中間試験 到達目標(1)
10週 物理実験
(5) おんさの振動数の測定
実験を行い,実験器具・実験操作に慣れると共に,物理現象・公式を確認し,測定と誤差について理解する.
11週 波と媒質の運動 波の基本的な物理量(波長,振動数,速さなど)を理解し,状況に合わせて使うことができる.
12週 波と媒質の運動 直線上を伝わる波の基本的なこと(波長,振動数,速さなど)を使うことができる.
13週 正弦波の式,
波の伝わり方
波の干渉と重ね合わせの原理,反射による位相の変化,定常波を理解し使える.
14週 波の伝わり方 ホイヘンスの原理を理解し,波の干渉・回折・反射・屈折に関することを理解できる.
15週 前期期末試験 到達目標(2)
16週 前期期末試験の解答と解説 誤答や分からなかった問題を復習し,次回同様の問題を解く際は正答することができる.
後期
3rdQ
1週 音の性質 音波の反射・屈折について理解する.
2週 音の性質 音波の回折・干渉・うなりについて理解できる.
3週 発音体の振動と共振・共鳴 弦や気柱の振動が理解できる.
4週 発音体の振動と共振・共鳴 物体の固有振動について学び,共振・共鳴を理解できる.
5週 音のドップラー効果 ドップラー効果を理解する.(MCC II-A)
6週 音のドップラー効果 ドップラー効果を理解する.(MCC II-A)
7週 光の性質 光に関する基本事項を理解し,光の反射・屈折を理解する.
8週 光の性質 光の分散と散乱について理解することができる.
4thQ
9週 後期中間試験 到達目標(2)
10週 後期中間試験の解答と解説 誤答や分からなかった問題を復習し,次回同様の問題を解く際は正答することができる.
11週 レンズと鏡 凸レンズと凹レンズによる像の性質を理解することができる.
12週 光の干渉と回折 ヤングの実験,回折格子による干渉現象が理解できる.
13週 光の干渉と回折 くさび形空気層における光の干渉現象が理解できる.
14週 光の干渉と回折 薄膜やニュートンリングによる干渉現象が理解できる.
15週 後期期末試験 到達目標(2)
16週 後期期末試験の解答と解説 誤答や分からなかった問題を復習し,次回同様の問題を解く際は正答することができる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。3前1,前3,前4
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。3前1,前2,前5,前6
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。3前2,前8
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。3前5,前6
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。3前3,前4,前5
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。3前5,前6
気体の内部エネルギーについて説明できる。3前3,前4,前5,前6
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。3前5,前6
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。3前3,前4,前5,前6,前8
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。3前5,前6
熱機関の熱効率に関する計算ができる。3前5,前6
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。3前10,前11,前12
横波と縦波の違いについて説明できる。3後1
波の重ね合わせの原理について説明できる。3前13
波の独立性について説明できる。3前13,前14
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。3前14
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。3前10,前13,前14
ホイヘンスの原理について説明できる。3前14
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。3前14
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。3後3
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。3後3
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。3後3
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。3後4,後5
自然光と偏光の違いについて説明できる。3後12
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。3後6
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。3後8,後10
物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。3前7,前8,前10
安全を確保して、実験を行うことができる。3前7,前8,前10
力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3前7,前8,前10
熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3前7,前8,前10
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3前7,前8,前10
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3前7,前8,前10
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3前7,前8,前10
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3前7,前8,前10
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3前7,前8,前10
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3前7,前8,前10

評価割合

試験実験・課題合計
総合評価割合7030100
基礎的能力7030100
専門的能力000
分野横断的能力000