応用物理Ⅰ

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 応用物理Ⅰ
科目番号 10025 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 原康夫,「第5版物理学基礎」,学術図書
担当教員 池田 昌弘

到達目標

(1) 電場と電位の概念を理解し,導体内部や周囲の電場や電位が求められる.(定期試験と宿題レポート)
(2) 質点に作用する外力を見極め,運動方程式を作り,それが解けるようになる.(定期試験と宿題レポート)
(3) 実験から物理現象を深く理解し,科学レポートの書き方を身につける.(実験レポート)
(4) 宿題の演習問題を自力で解き,継続的な学習習慣を身につける.(宿題レポート)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電場と電位の概念を正しく理解し、導体内部の電場や電位が求められる。電場と電位の概念を理解し、導体内部の電場や電位を求められる。電場と電位の概念が理解できず、導体内部の電場や電位を求められない。
評価項目2質点に作用する外力を正しく見極め、運動方程式を立てて、正しく解くことができる。質点に作用する外力を正しく見極め、運動方程式を立てることできる。質点に作用する外力を見極められず、運動方程式も立てることができない。
評価項目3実験から物理現象を深く理解でき、,科学レポートとして自らの意見をまとめられる。実験から物理現象を理解でき、,科学レポートとしてまとめられる。実験から物理現象を理解できず、,科学レポートとしてまとめられない。
評価項目4宿題の演習問題を自力で解くことができ、レポートとして提出できる。宿題の演習問題を解き、レポートとして提出できる。宿題の演習問題を自力で解くことができず、レポートとして提出もできない。

学科の到達目標項目との関係

数学、自然科学の力を身につける 大分高専学習教育目標(B1) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電気の基礎,力学ともに微分積分法により記述されるが,微積分は運動の記述のためニュートンが構築した数学的手法である. 1年生から学んできた数学と物理の知識を総動員することで,基礎となる数理モデルをつくり, その表式や得られた解から現象の背後にある物理をイメージできるようにする.
授業の進め方・方法:
教科書を読み予習してくることを前提として講義を進める。できるだけ多くの物理現象に例に挙げ、物理的なものの見方に慣れる。
注意点:
校内到達度試験は年に1回行う。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 達成目標とシラバスの説明 シラバスを確認することで、本授業構成を理解する。
2週 静電場 (1) 電荷と電荷保存が説明でき、電荷を求めることができる。
3週 静電場 (2) クーロンの法則が説明でき、静電気力が計算できる。
4週 静電場 (3) 電場を理解し、ガウスの法則が説明できる。
5週 静電場 (4) ガウスの法則を用いた応用計算ができる。
6週 電位 (1) 電位について説明でき、電位を求めることができる。
7週 電位 (2) 等電位や、点電荷が周りに作る電位について表式を書くことができ、さまざまな問題に適用できる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 前期中間試験の解答と解説 誤答や分からなかった問題を復習し、次回同様の問題を解
く際は正答することができる。
10週 導体と静電場 (1) 導体とキャパシターの働きを理解し、説明できる。
11週 導体と静電場 (2) キャパシターの仕組みを理解し、電場や電気容量などの物理量を求めることができる。
12週 誘電体と静電場 誘電体、不導体の違いを理解し、誘電分極の機構を説明できる。
13週 位置・速度・加速度 位置、速度、加速度の関係が微分と積分により関連付けられていることを理解し、相互に計算ができる。
14週 微分方程式と積分 (1) 簡単な微分方程式を解くことができる。
15週 前期期末試験
16週 前期期末試験の解答と解説 誤答や分からなかった問題を復習し、次回同様の問題を解
く際は正答することができる。
後期
3rdQ
1週 実験解説 実験テキストを読み、実験課題を把握する。実験の狙いが説明できる。
2週 実験 (1) 直流電流による磁界、比電荷の測定、コンデンサー
3週 実験 (2) ニュートン環、ボルダの振り子、熱電対
4週 実験 (3) 地磁気の水平成分、光の波長測定
5週 微分方程式と積分 微分方程式と積分の関係を理解し、物理学で用いられる現象に合わせて数式で表せることができる。
6週 簡単な微分方程式の解(1) 物理学で出てくる微分方程式を簡単な物理現象に適用でき、それを解くことができる。
7週 簡単な微分方程式の解(2) 空気抵抗を受けて自由落下する物体について、運動方程式を立て微分方程式として解くことができる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 後期中間試験の解答と解説 誤答や分からなかった問題を復習し、次回同様の問題を解
く際は正答することができる。
10週 振動 (1) 単振動と単振り子の運動について、数学的な表現で周期などの物理量を表せられる。
11週 振動 (2) 単振動に関するさまざまな問題を解くことができる。
12週 振動 (3) 減衰振動について、運動方程式の解の時間発展を数学的に求めることができる。
13週 振動 (4) 臨界制動と過減衰を表す解を得ることができる。また、微分方程式中のパラメータの大小関係により、異なる振舞いの解として現れることを示すことができる。
14週 振動 (5) 強制振動について解の時間発展が求められる。共振の条件を理解し、数学的記述が物理現象をどう捉えているか説明できる。
15週 後期期末試験
16週 後期期末試験の解答と解説 誤答や分からなかった問題を復習し、次回同様の問題を解
く際は正答することができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3
電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。3
クーロンの法則を説明し、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。3
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3
ジュール熱や電力を求めることができる。3
物理実験物理実験実験報告書を決められた形式で作成できる。3
有効数字を考慮して、データを集計することができる。3
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
電磁気に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
電子・原子に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3

評価割合

定期試験宿題及び実験レポート校内到達度試験合計
総合評価割合60355000100
基礎的能力60355000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000