コンピュータネットワーク

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 コンピュータネットワーク
科目番号 10031 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 竹下隆史他「マスタリング TCP/IP 入門編 第 5 版」オーム社
担当教員 三浦 勝良

到達目標

(1) ネットワークアーキテクチャの階層化及び各層の役割について説明できる.(定期試験)
(2) インターネットで用いられる TCP/IP を理解し,使用されるネットワーク機器について説明できる.(定期試験)
(3) IP アドレスとルーティングの役割,IPv6 について説明できる.(定期試験)
(4) TCP と UDP の特徴について説明できる.(定期試験)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
OSI参照モデルを全て理解し、その解説が十分でき、実例を挙げることができる。OSI参照モデルをある程度理解し、解説ができる。OSI参照モデルが階層構造であることが理解できない。解説ができない。
TCP/IPの必要性と、役割の詳細を理解し、使用されている機器の実例をあげることができる。TCP/IPの必要性を理解し、役割を理解している。TCP/IPの必要性が理解できていない。
IPルーティングの詳細が理解できている。IPv6の必要性とプロトコル設計が理解できている。IPルーティングが理解できている。IPv6の必要性が理解できている。IPルーティングが理解できていない。IPv6の必要性が理解できていない。
TCPとUDPの特徴がそれぞれ詳細にできる。実際に使われているプロトコルが説明できる。TCPとUDPの特徴を理解している。TCPとUDPの特徴を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

情報技術、専門工学の基礎を身につける 大分高専学習教育目標(B2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
コンピュータネットワークは情報工学のどの分野にも必要不可欠なものとなり、インターネットの普及した現在においては、広く一般の私たちの生活と深くかかわっています。この科目を学ぶにあたり、解説される耳慣れない技術を特殊な技術とはとらえず、私たちの生活に必要な技術であることをよく理解し、それらがどのような利用されているかを具体的に考え、より深い理解をする。このためには、授業で学ぶ技術用語などをただ暗記するのではなく、実際の通信や利用技術を紐解き、体系的に理解していくという教育方法を取ります。
授業の進め方・方法:
1年間を通して、入門レベルのネットワーク技術書を学ぶことで、コンピュータネットワークの全体的な概要を理解します。それぞれの技術がなぜ必要とされるに至り、どのように開発され、現在どのように使われいるか、または使われなくなったかを具体的に講師が紹介し、もし自分が開発者であったら、またもし自分が利用者であったらどのような設計を加えたいかなどを共に考えながら、コンピュータネットワークを理解していきます。
注意点:
授業中に概念をよく理解することがとても大切です。わからないことは積極的に質問をし、授業中に問題点を解決するようにしてください。用語をただ記憶するのではなく、それぞれの技術が開発に至った背景と理由、解決策としての新しい技術のしくみよく理解してください。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 コンピュータネットワーク登場の背景
7つの段階
背景を理解する。創成期から現在までの技術の発達を理解する。
2週 プロトコル
プロトコルは誰が決める
補足 ハードウェアについて
プロトコルについての理解とその制定手順を理解する。
3週 OSI参照モデル
OSI参照モデルによる通信処理の例
OSI参照モデルを理解する。
4週 通信方式の種類
アドレスとは
コネクション型通信やパケット通信について理解し、アドレスの必要性と性質を理解する。
5週 ネットワーク構成要素
現在のネットワークの姿
ネットワーク機器とその役割や階層を理解する。
6週 TCP/IPの登場とその歴史
TCP/IPの標準化
インターネットの基礎知識
TCP/IPの開発に至った背景を理解する。標準化の努力を理解する。
7週 TCP/IPプロトコルの階層モデル
TCP/IPの階層を理解する。
8週 TCP/IPプロトコルの階層モデルと通信例
パケットヘッダやデータリンクを理解する。
2ndQ
9週 中間試験
10週 試験解説
データリンクの役割
MACアドレスを理解する。
11週 データリンクの技術 VLANを理解する。
12週 イーサネット イーサネットフレームフォーマットを理解する。
13週 無線通信 無線通信の標準化について理解する。規格について理解する。
14週 PPP(Point-to-Point Protocol)
その他のデータリンク
概要とフレームフォーマットについて理解する。
具体例を挙げて理解を深める。
15週 期末試験
16週 試験解説
後期
3rdQ
1週 IPプロトコル基礎知識
IPアドレス基礎知識
IPの必要性と仕組みを理解する。
2週 IPルーティング
ルーティングの詳細を理解する。
3週 IPv6
IPv4とIPv6ヘッダ
ヘッダの違いと詳細を理解する。
4週 IPに関する技術1 DNS、ARP、ICMPについて理解する。
5週 IPに関する技術2 DHCP、NATについて理解する。
6週 TCPとUDP1 トランスポート層の役割とポート番号を理解する。
7週 TCPとUDP2 UDPとTCPの詳細を理解する。
8週 中間試験
4thQ
9週 試験解説
ルーティング1
ルーティングの基礎知識を理解する。
10週 ルーティング2 ルーティングアルゴリズムを理解する。
11週 ルーティング3 実際のプロトコル例を挙げて理解を深める。
12週 アプリケーションプロトコル1 TELNET、SSH、FTP、Emailを理解する。
13週 アプリケーションプロトコル2 WWW、SNMP、P2P、LDAPを理解する。
14週 セキュリティ TCP/IPのセキュリティ、暗号化、IpsecとVPNについて理解する。
15週 期末試験
16週 試験解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力400000040
専門的能力400000040
分野横断的能力200000020