応用物理Ⅱ

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 応用物理Ⅱ
科目番号 10041 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 原康夫、「第5版物理学基礎」,学術図書
担当教員 藤本 教寛

到達目標

(1)運動方程式から保存則を導くことができ,保存則を利用して問題を解くことができる.(定期試験と課題)
(2) 温度,圧力などの熱現象に現れる基本的概念を理解できる.(定期試験と課題)
(3) 基本的な熱機関はたらきが理解でき,エントロピーの簡単な計算をすることができる.(定期試験と課題)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1運動方程式,保存則の両方の観点から問題を解くことができる.運動方程式から保存則を導くことができ,保存則を利用して問題を解くことができる.運動方程式から保存則を導くことができ,保存則を利用して問題を解くことができない.
評価項目2温度,圧力などの熱現象に現れる基本的概念を理解でき,熱力学の法則を用いて問題を解くことができる.温度,圧力などの熱現象に現れる基本的概念を理解できる.温度,圧力などの熱現象に現れる基本的概念を理解できない.
評価項目3エントロピー増大の原理を,可逆過程と不可逆過程を合わせた熱機関の観点から説明できる.基本的な熱機関はたらきが理解でき,エントロピーの簡単な計算をすることができる.基本的な熱機関はたらきが理解でき,エントロピーの簡単な計算をすることができない.

学科の到達目標項目との関係

数学及び自然科学に関する知識とそれらを応用する能力 JABEE基準1(2)(c) 説明 閉じる
自主的,継続的に学習する能力 JABEE基準1(2)(g) 説明 閉じる
数学、自然科学の力を身につける 大分高専学習教育目標(B1) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
3年次に習った力学の続きを学ぶ.力学における基礎的な概念の1つであるエネルギーについて理解する.後期は熱力学で,熱力学と力学をつなぐ分子運動論について理解し,熱力学で重要な法則を中心に熱現象を理解する能力を身につける.
授業の進め方・方法:
力学におけるエネルギーの概念を理解する.衝突や分裂など必ずしも力学的エネルギーが保存しないが,運動量などが保存する重要な現象を理解する.
また,回転運動について,基礎的な考え方を身につける.
さらに熱力学で,熱力学第一法則と熱力学第二法則について,理解する能力を身につける.情報において重要な概念であるエントロピーについても,理解を深める.

いじょうについて,演習問題を通して理解を深めるとともに,継続的な学習ができるようにする.

(再試験について)
再試験は年度末の再試験期間に1回のみ,実施する.受験資格は限定しない.
注意点:
(履修上の注意)
一部に高度な内容を含むため,必ず予習と復習,課題への取り組みを行い,わからないところは随時質問して解消をすること.

(自学上の注意)
課題は自力で解き,必ず自己採点して提出する.自己学習を通じ,学習意欲と取組姿勢の分かるレポートの作成を心がける.間違ったところは必ず間違えた理由を明記した上で,やり直しておく.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 仕事・仕事率
仕事・仕事率とについて理解する.
2週 仕事とエネルギー エネルギーの概念について学び,仕事との関係について理解する.
3週 保存力と位置エネルギー 保存力を用いて位置エネルギーが定義できる
4週 力学的エネルギー保存則 力学的エネルギー保存則を理解し,導けるようになる.
5週 力学的エネルギー保存則 力学的エネルギー保存則を用いて,簡単な現象を理解する.
6週 運動量 運動量について理解する.
7週 運動量保存則 力積や運動量保存則について理解する.
8週 運動量保存則 力積や運動量保存則を用いて,演習問題を解くことができる.
2ndQ
9週 前期中間試験
10週 前期中間試験の解答と解説 分からなかった部分を把握し理解できる.
11週 粒子系の運動
多粒子系の運動方程式を理解し,運動量保存則を導けるようになる.
12週 力のモーメント 力のモーメントについて学ぶ.
13週 角運動量
角運動量について学ぶ.
14週 回転運動の方程式 質点の回転の運動方程式について理解し,円軌道にある惑星の運動に応用する.
15週 前期期末試験
16週 前期期末試験後の解答と解説 分からなかった部分を把握し理解できる.
後期
3rdQ
1週 熱と温度 熱現象を表す基本的な物理量である温度について,絶対温度を計算できる.
2週 内部エネルギー 系の内部エネルギーについて学び,理想気体の内部エネルギーを計算できるようになる.
3週 熱の移動 熱平衡状態について学ぶ.
4週 熱の移動 熱量の保存則について学ぶ.
5週 状態方程式 気体の状態方程式を使って物理量を求めることができる.
6週 分子運動論 理想気体の内部エネルギーを,分子運動の観点から理解する.
7週 分子運動論 理想気体の内部エネルギーを,分子運動の観点から理解する.
8週 後期中間試験
4thQ
9週 後期中間試験の解答と解説 分からなかった部分を把握し理解できる.
10週 熱力学第一法則 熱力学第一法則について学び,内部エネルギーの変化と熱量,仕事の関係について理解する.
11週 さまざまな過程 熱力学における定圧過程,定積過程について学ぶ.
12週 さまざまな過程 熱力学における等温過程,断熱過程について学ぶ.
13週 熱力学第二法則 熱力学第二法則について学び,エントロピーについて学ぶ.
14週 エントロピー エントロピーの計算方法について知る.
15週 後期期末試験
16週 後期期末試験の解答と解説 分からなかった部分を把握し理解できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学力のモーメントを求めることができる。3
角運動量を求めることができる。3
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3
重心に関する計算ができる。3
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力601070
専門的能力201030
分野横断的能力000