情報数学

科目基礎情報

学校	大分工業高等専門学校	開講年度	平成29年度 (2017年度)
授業科目	情報数学
科目番号	10052	科目区分	専門 / 必修
授業形態	授業	単位の種別と単位数	学修単位: 2
開設学科	情報工学科	対象学年	4
開設期	後期	週時間数	後期:2
教科書/教材	プリントを配布する．
担当教員	徳尾 健司

到達目標

(1) 論理や数学的概念をプログラミングと関連付けて実践的に理解する．（定期試験と小テスト）
(2) 自主的，継続的に学習することができる．（課題）

ルーブリック

	理想的な到達レベルの目安	標準的な到達レベルの目安	未到達レベルの目安
論理や数学的概念をプログラミングと関連付けて実践的に理解する．	論理や数学的概念について，プログラミングと関連付けて他者に説明できるレベルで理解している．	論理や数学的概念および関連するプログラミングについて，講義で取り上げた例題を解くことができる．	論理や数学的概念および関連するプログラミングについて，基本的な概念の定義や用語の定義を述べることができない．
自主的，継続的に学習することができる．	全ての課題を提出し，解答に創意工夫がみられる．	全ての課題を提出している．	課題の提出率が6割未満である．

学科の到達目標項目との関係

自主的，継続的に学習する能力 JABEE基準1(2)(g)

(分野別要件(工学(融合複合・新領域))基礎工学の知識･能力 JABEE基準2.1(1)

情報技術、専門工学の基礎を身につける 大分高専学習教育目標(B2)

教育方法等

概要:

情報系技術者に求められる素養としての専門的な数学を学ぶ．とくに本講義では論理や数学的概念をプログラミングと関連付けて実践的に理解することを目標とし，そのためのツールとして関数型プログラミング言語Haskellを活用する．講義を通じて，抽象的な概念はHaskellにおける具体的な表現と結び付けられる．

(科目情報)
教育プログラム 第1学年 ◎科目
授業時間 23.25時間
関連科目 論理数学，形式言語理論，計算理論
　

授業の進め方・方法:

原則として毎回，授業内容の理解を問う小テストを実施するので，授業を良く聞いて理解に努めること．

(参考図書)
[1] Kees Doets and Jan van Eijck, The Haskell Road To Logic, Maths And Programming, College Publications.
[2] Makinson, D., Sets, Logic and Maths for Computing, Springer.
[3] Susanna S. Epp, Discrete Mathematics with Applications, Brooks Cole.

(課題提出について)
全課題の60%以上の提出を単位修得の条件とする．

(再試験について)
年度末の再試験期間に実施する．受験資格者については試験解説時にアナウンスする．
　

注意点:

(履修上の注意)
配布プリントを整理するためのクリアファイル(A4サイズ)を用意すること．

(自学上の注意)
参考図書の必要箇所を参照して予習・復習を行うこと．授業内容は [1] に基づく．[2] は情報数学の教科書として書かれた他の本．[3] は問題が豊富で演習に役立つ．
課題に取り組むために，自宅でもHaskellのプログラミング環境を構築することが望ましい．（自宅で環境を構築できない場合は，放課後に情報システム実験室を利用すること）
https://www.haskell.org/ghc/download
　

授業計画

		週	授業内容	週ごとの到達目標
後期
	3rdQ
		1週	イントロダクション	Haskellの概要
		2週	論理(1)	論理結合子，論理的妥当性
		3週	論理(2)	量化子，λ抽象
		4週	証明(1)	証明の様式，証明の規則 (論理結合子)
		5週	証明(2)	証明の規則 (量化子，背理法)
		6週	集合，型，リスト(1)	集合，Russellのパラドックス
		7週	集合，型，リスト(2)	集合の演算，リスト
		8週	後期中間試験
	4thQ
		9週	後期中間試験の解答と解説 / 関係(1)	直積，関係，関係の性質
		10週	関係(2)	順序関係，同値関係，同値類と分割
		11週	関数(1)	全射，単射，全単射
		12週	関数(2)	合成と逆，部分関数，関数と同値関係
		13週	帰納法と再帰(1)	数学的帰納法，再帰的定義の性質
		14週	帰納法と再帰(2)	木とリストに関する帰納法と再帰
		15週	後期期末試験
		16週	後期期末試験の解答と解説

評価割合

	試験	小テスト	課題	合計
総合評価割合	50	30	20	100
専門的能力	50	30	20	100